(株) ヨロズ 2012年3月期の動向

ハイライト

業績

(単位:百万円)
  2012年
3月期
2011年
3月期
増減率
(%)
要因
売上高 101,524 102,206 (0.7) 1)
営業利益 8,139 9,268 (12.2) -
経常利益 8,735 9,159 (4.6) -
当期純利益 5,418 4,903 10.5 税金費用の減少により

要因
1)
日本
- 各自動車メーカーの生産は、震災の影響を受けた上期の落ち込みも下期には挽回され、通期では前年度比約3%の微増となった。
- 新車効果により部品売上が微増となったことに加え、海外における新車や新拠点の立上がりによる設備売上が大幅に増加した結果、売上高は前年比13.8%増の53,334百万円となり、セグメント利益は前年比59.5%増の5,769百万円となった。

北米
- 東日本大震災により、日系自動車メーカーを中心に生産が一時落ち込んだが早期に挽回され、その後は景気回復の後押しもあり増産傾向が続いた。
- 売上高は現地通貨ベースでは前年度を上回ったものの為替換算レートが円高に振れたため前年度比4.0%減の31,233百万円、セグメント利益は前年度比8.3%減の1,018百万円となった。
- メキシコ自動車産業は今後成長することが期待されるため、グアナファト州にメキシコ第2拠点となるヨロズオートモーティブグアナファトデメヒコ社(YAGM)を2012年3月に設立し、2013年10月より生産開始を計画。

アジア
- 中国では、東日本大震災の影響からも早期に回復し、自動車生産は好調に推移したが、タイでは、震災の影響とその後10月に起きた洪水による生産停止により自動車生産は前年度に比べ減少となった。
- 中国第2拠点の武漢萬宝井汽車部件有限公司(W-YBM)は2011年10月より、インド新拠点のヨロズJBMオートモーティブタミルナドゥ社(YJAT)は同年11月より、それぞれ生産を開始。
- 売上高は前年比0.8%増の30,076百万円となった。セグメント利益は減産期間中の落ち込みことに加え、新拠点の操業開始コストの負担等の影響により、前年比35.6%減の2,884百万円となった。
- ヨロズタイランド社(YTC)が所在するラヨン県内にタイ第2拠点となるワイ・オグラオートモーティブタイランド社(Y-OAT)を2012年4月に設立し、2013年8月より生産開始を計画。
- インドネシアでは、このビジネスチャンスを生かすべくヨロズオートモーティブインドネシア社(YAI)を2012年2月に設立し、2013年8月よりインドネシア日産およびスズキ向けの生産開始を計画
- 韓国・DKオーステック(釜山市)からサスペンションの構成部品や生産設備用の鋳物の調達を大幅に増やす。2016年度までに部品は調達額全体の10%に引き上げる。鋳物は10年度の購入実績から倍増させ購入額全体の5割を韓国から調達する。ウォン安で国際的なコスト競争力が高まっている韓国の部品や素材の購入割合を増やし、国内事業の採算性を向上するとともに円高対応に苦慮する自動車メーカーのコストダウンに寄与する。(2011年8月10日付日刊自動車新聞より)

会社設立

- メキシコとタイに自動車用サスペンション部品や関連部品を製造・販売する新たな子会社を設立すると発表した。両子会社とも現地の第2生産拠点となるもので、急成長する現地自動車需要に対応する。メキシコではアグアスカリエンテス州の第1生産拠点に続きグアナファト州に9億ペソ(約50億円)を投じ生産拠点を今月中にも新設する。名称は「ヨロズ・オートモーティブ・グアナファト・デ・メヒコ(仮称)」で、資本金は5億3600万ペソ(約30億円)、株主にはヨロズグループのほか商社や現地資本が加わる可能性があるとしている。3年後のフル操業時には8億ペソ(約45億円)の売り上げを目指す。また、タイでは第1生産拠点のあるラヨーン県に「ワイ・オグラオートモーティブ(タイランド)」を16億バーツ(約40億円)を投じ4月に設立する。2015年のフル操業時に18億バーツ(約45億円)の売り上げを見込んでいる。(2012年2月15日付日刊自動車新聞より)

- インドネシア共和国に自動車用サスペンションや関連部品の製造・販売を手がける子会社を設立すると発表した。新会社は来年1月に設立し、2013年10月の生産開始を予定。15年度にはフル操業状態とし、従業員約340人で、売上高約36億円を目指す。新会社は「PT・ヨロズ オートモーティブ インドネシア」(仮称)で、ミトラカラワン工業団地内に設立、総投資額は約60億円。(2011年10月28日付日刊自動車新聞より)

受注

- 独フォルクスワーゲン(VW)から受注したブレーキ部品の一つであるスプラッシュガード(泥よけ)の生産を2012年2月に開始する。同社のメキシコ生産拠点、ヨロズメヒカーナ(YMEX、アグアスカリエンテス州)で生産し、VWがメキシコ工場(プエブラ州)で生産している「ジェッタ」「ビートル」、米テネシー州チャタヌガの新工場で生産を始めた「パサート」向けに納入する。10月にはオイルパンの生産を開始し、メキシコのグアナファト州にあるVWのエンジン工場に納入する。同社がVWから製品を受注したのはこれが初めて。VWが米国に工場再進出して北米戦略を強化する中で、米国やメキシコに生産拠点を展開してきた強みを生かして受注獲得につなげた。(2011年12月14日付日刊自動車新聞より)

- ヨロズオートモーティブテネシー社(YAT)では、米国トヨタ向けに新型「カムリ」の部品を2011年9月より、米国ホンダ向けに新型「CR-V」の部品を同年11月より、更に米国日産向けに新型「アルティマ」の部品を2012年5月より、それぞれ現行モデルに引続き受注し納入を開始。
- ヨロズメヒカ-ナ社(YMEX)では初めてフォルクスワーゲンよりブレーキ部品を受注し、2012年4月よりの納入を開始。
- 中国で新たに中国トヨタ向け部品の納入を2011年11月より、また中国日産のヴェヌーシアブランド向け部品の納入も2012年3月より開始。
- 新たにタイへ進出したスズキ向けに「スイフト」用部品の納入を2012年2月より、更に単独でタイに進出したフォード向けにも「フォーカス」用部品の納入を2012年5月より開始。

-2012年3月期の研究開発の主な成果として以下を新規受注・市場投入した。
日本
ホンダ:「N BOX」のフロントロアアーム・リアアクスルビーム
ダイハツ:「ミライース」のリアビーム(プレス部品)
日野:「デュトロ」のキャブマウント

米国
日産:「インフィニティJX35」のフロントおよびリアサスペンションメンバー、ブレーキペダル

中国・メキシコ
日産:「サニー(バーサ)」のフロントサスペンションメンバー、リアビーム

その他
日本を含む中国・米国・メキシコ・タイの5か国でホンダ「C-RV」のリアトレーリングアーム

受賞

- ホンダより新型軽自動車「N BOX」に採用された軽量化技術で開発賞を受賞。
- 米国日野より品質賞を初めて受賞。
- ヨロズメヒカ-ナ社(YMEX)では、メキシコホンダから品質・コスト・納入賞を受賞。これによりメキシコホンダとの取引を開始した2007年以降、5年連続の品質賞受賞。
- メキシコ日産からも昨年度に引続き品質賞を受賞。

>>>次年度業績予想(売上、営業利益等)

開発動向

研究開発費

(単位:百万円)
  2012年3月期 2011年3月期 2010年3月期
全社 1,354 1,473 1,353

研究開発体制

- 競争力向上のため、試作・実験を含む開発・生産技術部門をヨロズ栃木内へ移転させ生産部門と一体化することにより、開発力の向上とスピードアップを図る。

研究開発活動

- 今後発表・発売される新車向けに、新材料、新構造、新工法を駆使したサスペンション部品の開発を行い、独自特許を申請。
- 世界で初めて、テーラードブランク工法を用いたリアアクスルビームを開発した。新開発品は、ホンダが16日に発売する新型軽乗用車「N BOX」(エヌボックス)に採用された。テーラードブランク工法を採用したことにより、部品点数を9から5に減らし、重量も18.6キログラムから12.9キログラムへ約30%低減した。プレス金型数も従来の43から35に減らし、設備費の節減につなげた。(2011年12月6日付日刊自動車新聞より)

技術援助契約

(2012年3月31日現在)
相手方の名称 国籍 契約の内容 期間
Auto chassis International フランス スズキが中国で生産する乗用車(YN5)のリアビームで、ACIが部品の設計と開発を担当し、同社は製造技術、量産の準備および中国(YBM)での部品の製造を担当する契約、ACIは非独占的ライセンスを同社に付与する。 2005年5月1日 -
対象となる乗用車の量産終了まで
Jay Bharat Maruti Ltd. インド スズキのYV4車用のリアビームで同社が設計・開発を担当しおよび生産設備を売却、JBMLが製造を担当する契約。JBMLには非独占的ライセンスを付与し、技術者派遣による技術指導を行う。 2009年3月1日 -
対象となる乗用車の生産終了まで

設備投資

設備投資額

(単位:百万円)
  2012年3月期 2011年3月期 2010年3月期
全社 11,737 4,785 4,283

2012年3月期の設備投資
-主に新車展開のため、日本で1,944百万円、北米で2,484百万円、アジア全体で7,309百万円の設備投資を実施。

海外投資

- 3、4年後をめどに海外売り上げ比率を現状の6割から85%程度に引き上げる。タイとインドネシアに第2新工場を建設するほか、ブラジルへの進出も検討する。円高が収益を圧迫していることから、現地生産体制を強化するとともに、主要納入先の日系自動車メーカーが海外生産を拡大することに対応する。(2012年1月30日付日刊自動車新聞より)

設備の新設

(2012年3月31日現在)
事業所名 設備の内容 投資予定額
(百万円)
着手 完了予定
貸与(ヨロズ栃木) プレス制御更新 74 2012年8月 2012年8月
新車展開用設備 40 2011年4月 2012年10月
貸与(ヨロズ大分) 新車展開用設備 1,077 2010年12月 2012年9月
貸与(庄内ヨロズ) 新車展開用設備 78 2012年4月 2012年11月
Yorozu Automotive Tennessee, Inc. 新車展開用設備 3,821 2012年3月 2012年9月
Yorozu Mexicana SA. de C.V. 新車展開用設備 373 2011年9月 2012年11月
Yorozu (Thailand) Co.,Ltd. 新車展開用設備 1,751 2012年1月 2012年12月
広州萬宝井汽車部件有限公司
[Yorozu Bao Mie Automotive Co.,Ltd.]
新車展開用設備 964 2011年11月 2012年7月
武漢萬宝井汽車部件有限公司
[Whuhan Yorozu Bao Mit Automotive Co., Ltd.]
新車展開用設備 1,919 2011年8月 2013年1月
Yorozu JBM Automotive Tamil Nadu Pvt Ltd. プレス他生産設備 1,954 2011年11月 2012年8月
PT. Yorozu Automotive Indonesia 工場建屋、付帯設備 1,492 2012年5月 2013年6月
プレス他生産設備 2,087 2012年5月 2013年8月
ERPシステム他 136 2012年5月 2013年8月