東洋ゴム工業(株) 2008年3月期の動向
ハイライト
業績 | (単位:百万円) |
2008年 3月期 |
2007年 3月期 |
増減率 (%) |
要因 | |
全社 | ||||
売上高 | 357,233 | 320,427 | 11.5 | - |
営業利益 | 13,168 | 9,369 | 40.5 | - |
経常利益 | 9,893 | 5,789 | 70.9 | - |
当期純利益 | 6,137 | 6,015 | 2.0 | - |
タイヤ事業 | ||||
売上高 | 252,495 | 218,531 | 15.5 | 国内新車用タイヤについては、販売量が前年度並みだったが、高付加価値製品の販売増加により売上高が前年度を大幅に上回った。 |
営業利益 | 12,472 | 8,169 | 52.7 | - |
ダイバーテック他事業 | ||||
売上高 | 105,014 | 102,254 | 2.7 | 輸送機器分野では、主力の自動車用防振ゴムが国内・海外ともに順調な受注に支えられ、売上高が増加。 |
営業利益 | 690 | 1,253 | (44.9) | - |
タイヤ事業
-生産体制の拡充 (国内)
2007年11月、仙台工場(宮城県岩沼市)と桑名工場(三重県東員町)の生産能力を増強すると発表。
>>> 詳細は 設備投資 参照
-生産体制の拡充 (海外)
米国のタイヤ生産拠点「Toyo Tire North America, Inc.」(ジョージア州)の生産能力を、2009年に年産330万本まで引き上げる計画。
>>> 詳細は 設備投資 参照
-組織再編 (米国)
2008年1月1日付で、米国子会社1社と孫会社3社の社名を以下の通り変更。
- | 旧社名 | 新社名 | 事業内容 |
子会社 | Toyo Tire International, Inc. | Toyo Tire Holdings of Americas Inc. | 北米事業統括持株会社 |
孫会社 | Toyo Tire (U.S.A.) Corp. | Toyo Tire U.S.A. Corp. | Toyoブランドタイヤの販売 |
孫会社 | Nitto Tire North America, Inc. | Nitto Tire U.S.A. Inc. | Nittoブランドタイヤの販売 |
孫会社 | Toyo Tire North America, Inc. | Toyo Tire North America Manufacturing, Inc. | タイヤ製造 |
同社は、米国の統括組織である持株会社Toyo Tire International, Inc.
(Toyo Tire Holdings of Americas Inc.)の機能を強化し、北米関連会社の効率的な運営を進めていく計画。(2007年12月26日付プレスリリースより)
ダイバーテック他事業
-事業再編 (オーストラリア)
オーストラリアにおける自動車内装品事業を現地メーカーに売却することで合意。現地のタイヤ販売および自動車部品製造販売会社であるToyo
Tire and Rubber Australia Ltd. の内装品事業を手掛けるサンシャイン工場(ビクトリア州)が対象。(2007年5月17日付日刊自動車新聞より)
開発動向
研究開発体制
-兵庫県伊丹市の「Toyo Technical Center」等でタイヤの研究開発を行っている。
*2008年3月期より、「化工品」「自動車部品」「その他」事業区分を非タイヤ事業として集約し、「ダイバーテック他」事業とすることで、2事業区分とした。
研究開発活動
-兵庫県伊丹市の「Toyo Technical Center」等でタイヤの研究開発を行っている。
研究開発費 | (単位:百万円) |
事業セグメント | 2008年3月期 | 2007年3月期 | 2006年3月期 |
全社 | 9,618 | 9,607 | 10,051 |
タイヤ | 5,829 | 5,783 | 5,784 |
ダイバーテック他 | 2,951 | - | - |
自動車部品 | - | 1,383 | 1,788 |
化工品 | - | 1,663 | 1,662 |
共通 | 837 | 778 | 815 |
研究開発活動
事業部門 | 研究開発内容 |
タイヤ | -テクニカルセンターにおいて、タイヤ挙動と車両の挙動の解析を結び付けたタイヤ設計基盤技術および、タイヤ騒音や磨耗性能のシミュレーション技術開発により、商品開発を進めている。 -テクニカルセンターの敷地に「生産技術工房」を建設し、工法にかかわる要素技術開発、生産技術の改善を推進。 |
ダイバーテック他 -輸送機器 |
-先行技術開発において、最適接地サスペンションシステムへの取り組みから、車両の乗り心地と操縦安定性を高次元で向上させるLF-BUSHを完成させ、市場への投入を目指している。 -ボディーを振動させることにより、騒音とは逆位相の音を車室内に発生させ、音の波を打ち消し合い、騒音を低減する電磁式アクチュエーター制御システムを開発した。 -環境問題への対応として鉛フリー、6価クロムフリーの製品開発を実施してきたが、現在は製造工程・製品からVOC(揮発性有機化合物)を削減するため、新素材への切替を進めている。 -車の燃費向上のために部品の軽量化および性能向上を目指し、アルミや樹脂材料の採用以外に新工法・新材料の開発を進めている。 |
設備投資
設備投資額 | (単位:百万円) |
事業セグメント | 2008年3月期 | 2007年3月期 | 2006年3月期 |
全社 | 20,153 | 18,610 | 33,722 |
タイヤ | 14,763 | 13,116 | 27,951 |
ダイバーテック他 | 5,389 | - | - |
自動車部品 | - | 4,254 | 3,621 |
化工品 | - | 659 | 1,694 |
-国内
国内タイヤ工場の生産能力を増強する。海外での旺盛な乗用車向け需要に対応するため、仙台工場(宮城県岩沼市)と桑名工場(三重県東員町)の両工場を合わせて、2007年度比で2008年度は年産90万本、2009年度には同140万本の増産を図る。投資額は32億円を見込む。(2007年11月14日付日刊自動車新聞より)
-米国
米国拠点の生産能力を大幅に増強する。市販および新車装着用の販売量が拡大することに対応し、高性能タイヤを増産する。投資額は約60億円で、2009年を目処に現状の約1.7倍に当たる年産330万本に引き上げる。能力増強を図るのは、2006年3月に稼働した「Toyo Tire North America, Inc.」(ジョージア州)。同拠点は品質やスペース効率、多品種少量対応、自動化などを追求した新工法を全面的に採用、乗用車とピックアップトラック向けタイヤを生産している。(2007年5月16日付日刊自動車新聞より)
「Toyo Tire North America, Inc.」を2015年までに総合タイヤ生産拠点とする。生産中のSUV用、高性能大型ライトトラック(LT)用タイヤに加え、近く乗用車用(PC)タイヤの生産を開始するほか、日本で開発したタイヤの北米スペックを決める研究開発施設を建設するとともに、将来的にはトラック・バス用タイヤの生産も始める。最終的には、フルラインアップの全生産を新工法で行う同社初の工場とし、年間生産本数も現状の4倍強の900万本近くまで拡大する。現在進めている第1期拡張工事の完成後にPC用タイヤの生産を本格的に開始し、年産本数を現状の200万本からフル生産体制になる2009年までに130万本増の330万本に引き上げる。また2009年頃には、現地生産品種を対象とした詳細スペックの選定を行う開発施設も建設する。(2007年7月19日付日刊自動車新聞より)
設備の新設計画(2009年3月期)
事業部門 | 計画金額 (百万円) |
設備等の主な内容・目的 |
タイヤ | 20,532 | 合理化および品質向上、高品位タイヤ需要増への対応 |
ダイバーテック他 | 5,271 | 合理化および品質向上、グローバル供給体制への対応 |
全社(共通) | 331 | 基礎研究技術の強化、事務・厚生設備の充実 |
合計 | 26,134 | - |