矢崎総業 (株) 2009年6月期 - 2011年6月期の動向

ハイライト

近年の動向

買収

-2011年、イタリアのワイヤーハーネスメーカー、Cablelettra S.p.Aの株式取得に関する法的手続きを完了したと発表。矢崎総業は新たに100%子会社としてトリノにYazaki Automotive Products Srlを設立し、Cablelettra社のイタリアでの事業並びにポーランド、チュニジア、中国、ブラジルに所在する同社グループ会社の株式を取得す る。今回の取引は欧州並びにブラジルにおけるワイヤーハーネス事業の拡大を目的としており、2013年までには2億ユーロ (約220億円) の売上を目指 す。今後、同社のグローバルでのワイヤーハーネス事業の拡大に大きく貢献すると見られる。(2011年8月2日付プレスリリースより)

合弁事業

-2011年、中国の自動車メーカーである吉利汽車と、同社の部品サプライヤーでワイヤーハーネスの製造、販売を行う吉利電器との3者で中国におけるワイヤーハーネス製造、販売の合弁会社を設立したと発表した。合弁会社の「寧波矢豪汽車部件有限公司」は、資本金が7,500万元 (約9億円) で、本社を浙江省慈渓市におく。出資比率は同社の100%出資子会社である矢崎 (中国) 投資有限公司60%、吉利汽車の100%出資子会社である寧波遠景汽車零部件9%、台州吉利電器有限公司31%。2012年7月から吉利汽車向けにワイヤーハーネスの生産と販売を開始する。合弁会社は9月末から工場建設を開始する。16年には従業員数3,500人、売上高10億元 (約120億円) を目指す。(2011年9月15日付日刊自動車新聞より)

開発動向

製品開発

急速充電コネクター
-2011年、電気自動車 (EV) やプラグインハイブリッド車 (PHV) で使用する急速充電コネクターの操作性を高める。車両にコネクターを差し込む際の安全性を確保しながら充電時のコネクター操作を簡略化した。同時に充電コネクターケースに樹脂を採用して軽量化しながら強度も維持した。2012年9月をめどに販売を開始、価格は従来製品より抑える考えで、国内や欧米での導入拡大を目指す。(2011年12月5日付日刊自動車新聞より)

カールタイプの電気自動車 (EV) 充電器用ケーブル
-2011年1月、伸縮が自在なカールタイプの電気自動車 (EV) 充電器用ケーブルを開発した。カールタイプとしたことにより、ケーブル自体がコンパクト化しており、収納時の取り回しが高まるとともに、充電時の操作性を高めることもできる。普通充電器用ケーブルとして2、3年以内に商品化を目指す。国の施策により、EVの急速な普及が予想される中、同社では既存のケーブル技術を生かしてEV関連分野で事業を拡大していく。 (2011年1月20日付日刊自動車新聞より)

急速充電対応コネクター
-2009年、電気自動車の急速充電に対応したコネクターを開発。500ボルトの急速充電が約20分で可能。


アルミ電線
-2009年、新型「Prius」と「Lexus LS」のハイブリッドシリーズにアルミ電線を供給していることを明らかにした。同社が手掛けるのは「アルミ2芯 (しん) 一括シールド電線」。二本のアルミ電線を一本化したもので、銅電線二本に比べ重量は約半分になる。主に床下用電線として搭載されている。(2009年10月23日付日刊自動車新聞より)

技術提携

-2008年、同社と独立行政法人「産業技術総合研究所」(産総研) は、次世代自動車部品を連携して研究開発する目的で、協力協定を締結することに合意した。この協定に基づき、産総研は同社に「ホームドクター型コーディネータ」を派遣。同社の研究開発ニーズの掘り起こしを行い、次世代自動車部品等に関する研究開発課題を企画・立案する。また、承認された課題を共同研究あるいは産総研の受託研究として実施。成果として得られた知的財産権は、両者で共有する。協定の期間は2008年5月1日から2010年3月31日までで、両者の合意により延長可能となっている。 (2008年7月24日付プレスリリースより)