ユニプレス株式会社 2008年3月期の動向

ハイライト

業績 (単位:百万円)
  2008年
3月期
2007年
3月期
増減率(%) 要因
売上高 194,155 165,827 17.1 -前年度より各生産拠点において相次いだ新車の投入効果により増収。
営業利益 11,472 6,978 64.4 -国内における法人税法改正に伴う減価償却負担増はあったものの、従来からグループ全体で取り組んでいるUPS(ユニプレス生産システム)活動を柱とした合理化効果が奏功。全地域で増益。
経常利益 10,638 7,261 46.5 -
当期純利益 5,741 3,479 65.0 -


受注
-2007年9月、同社子会社ユニプレス広州が、アイシン・エィ・ダブリュの中国現地法人である天津AWオートマチックトランスミッション有限公司から、トランスミッション部品を新規受注、本格生産を開始すると発表。8,500台/月のAT用プレス部品を生産・供給する。本受注は、日産系のユニプレスのトランスミッション部品事業にとって、トヨタグループからの初の受注。(2007年9月21日付プレスリリースより)

-2007年11月、ジヤトコから、トルクコンバーターを新規受注したと発表。同社富士工場(静岡県富士市)及びジヤトコ富士宮工場内(静岡県富士宮市)において、FR系AT用トルクコンバーターのプレスから組立までの一貫生産を行う。設備投資額は16億円で、2010年には70億円の売上げを見込む。2008年上期に量産開始予定。(2007年11月28日付プレスリリースより)


事業体制強化
AT部品事業強化
-2007年6月、オートマチックトランスミッション(AT)部品事業を強化すると発表。部品加工を受け持っていた関連会社で一貫生産を本格化するなど、拠点ごとの生産分担を見直し、合理化と拡販に結び付ける。2007年度は200億円(前年度比3.6%増)の売り上げと3億円の部門収支改善を目指す。(2007年6月12日付日刊自動車新聞より)

海外支援体制強化
-2007年8月、海外拠点の支援体制を強化すると発表。相模事業所(神奈川県大和市)及び神奈川工場(同)のプレス部品生産を2007年度中に栃木工場(栃木県真岡市)に移管するのに伴い、相模地区を海外拠点向けの生産準備や金型評価、量産試験などを行うマザー拠点として整備する。顧客の自動車メーカーが、海外で生産する新型車向け部品の事前評価などを徹底することで、現地で量産を開始するまでのリードタイム短縮を図る。同時に海外拠点の生産準備などに派遣する人員も大幅に削減、合理化につなげる。(2007年8月23日刊自動車新聞より)


事業計画
中期経営計画

-2007年6月、2007-09年度の中期経営計画を発表した。主力取引先である日産自動車の海外生産の拡大に対応、現地事業を拡充するほか、ハイテン(高張力鋼板)ボディー部品やトランスミッション部品の強化に取り組む。国内の生産体制も見直し、主力のプレス車体部品は栃木、九州の二極体制とする。最終年度の連結業績目標は、売上高が1850億円(06年度比11.6%増)、営業利益が100億円(同42.9%増)、経常利益が90億円(同23.3%増)を掲げている。設備投資は3年間で410億円、研究開発費は同じく51億円を予定している。新たな中期計画では、日産を始めとする取引先が海外シフトを進めていることに対応、特に中国とメキシコでの拡販と収益アップに注力する。04年度に進出した中国は年間200億円(同132.6%増)、メキシコは同160億円(同16.8%増)の売り上げを目指す。(2007年6月6日付日刊自動車新聞より)

開発動向

研究開発費 (単位:百万円)
  2008年3月期 2007年3月期
全体 2,000 1,600

-研究開発に携わる人数は現在149名。2008年3月31日現在で産業財産権を85件保有。


研究開発活動(自動車用部品事業)
①製品開発
-製品の強度・剛性の最適化
-製品の小型・軽量化
-プレス技術を応用した製品の設計
-開発期間の短縮化

②材料開発
-高強度鋼板
-高剛性樹脂材料

③工法開発
-高強度鋼板プレス加工法
-ホットプレス工法
-金属精密塑性加工法
-軽合金材料のプレス加工法
-軽合金材料の溶接工法
-高強度パイプ加工法
-高強度樹脂プレス加工法
-樹脂複合成形加工法


低ハイテンによる製品開発

-2007年6月、車体プレス部品の今後の技術方針として、世界各国で生産されるグローバルモデル向けに、低ハイテンによる製品開発に取り組むと発表。部材の応力分布や加工技術を工夫し、上級ハイテン以上の強度を確保しながら、コストも抑える。海外市場でも安定的な調達が可能な590メガパスカル以下のハイテンに集約、新たな需要開拓につなげる。(2007年6月20日付日刊自動車新聞より)

日産GT-R用金属製燃料タンク
- 2007年10月、日産のスポーツ車「ニッサンGT-R」用の金属製燃料タンクを開発したと発表。提供する金属製燃料タンクは、タンクの下部に変速機を配するGT-Rの特殊な構造に対応するため、従来品に比べ高さが1.6倍となった。平らな鋼板を引き延ばすことで溶接なしで容器を作る「深絞り」と呼ぶ製法を使ったもので、鋼板の厚さは薄い部分で1ミリ以下。(2007年10月26日付プレスリリースより)

設備投資

設備投資額 (単位:百万円)
  2008年3月期 2007年3月期
全体 11,900 20,100
自動車用部品 11,300 19,900


自動車用部品 (2008年3月期)
-得意先の海外展開及びモデルチェンジに対応するための自動車用部品の生産用設備の更新を主な目的として設備投資を実施。

中国でのプレス用金型生産拡大
-2007年7月、中国でプレス車体部品用の金型生産を大幅に拡大すると発表。2006年秋までに操業を開始した現地金型工場の人員を増強するなどして、現状で年間120型(2006年度実績)の生産規模を、08年度をめどに同1千型前後に引き上げる。(2007年7月2日付日刊自動車新聞より)


2009年3月期の重点投資分野
-モデルチェンジ対応(日本、アジア)
-トルクコンバータ事業対応


設備の新設計画
事業所名
(所在地)
設備の内容 投資予定
総額
(百万円)
着手年月 完成予定
年月
ユニプレス(株)
本社及び事業所
(神奈川県横浜市・静岡県富士市・神奈川県大和市)
生産技術の開発及び地震対策他 2,200 2008年4月 2009年3月
神奈川工場及び栃木工場
(神奈川県大和市・神奈川県横須賀市・栃木県真岡市・栃木県小山市)
生産体制の整備およびモデルチェンジによる生産設備更新 3,200 2008年4月 2009年3月
富士工場及び山梨工場
(静岡県富士市・静岡県富士宮市・山梨県南巨摩郡)
生産体制強化およびモデルチェンジによる生産設備更新 3,000 2008年4月 2009年3月
ユニプレス九州(株)
本社工場
(福岡県京都郡)
生産体制の整備及びモデルチェンジによる生産設備更新 800 2008年4月 2009年3月
Unipres U.S.A. Inc.
本社工場
(米国)
モデルチェンジによる生産設備更新 450 2008年4月 2009年3月
Unipres Mexicana S. A. de C. V.
本社工場
(メキシコ)
モデルチェンジによる生産設備更新 450 2008年1月 2008年12月
Unipres (UK) Limited
本社工場
(英国)
モデルチェンジによる生産設備更新 1,200 2008年1月 2008年12月
Unipres Guangzhou Corporation
本社工場
(中国)
生産体制強化及びモデルチェンジによる生産設備更新 2,000 2008年1月 2008年12月