横浜ゴム(株) 2008年3月期の動向

ハイライト

業績 (単位:百万円)
  2008年
3月期
2007年
3月期
増減率
(%)
主な要因
全社
売上高 551,431 497,396 10.9 高機能商品の投入、国内外の販売体制強化、旺盛なタイヤ需要に対応した国内外の生産能力増強など。
営業利益 33,118 21,069 57.2 原材料価格の高騰に対して、徹底的なコスト削減、収益改善に努めるなどの内部改善を進め、企業基盤を強化。
経常利益 25,164 20,084 25.3
当期純利益 21,060 16,363 28.7
タイヤ事業
売上高 419,916 372,793 12.6 アジア生産拠点の増産が進み、海外販売が大幅に伸長。
営業利益 26,049 14,670 77.6 北米やアジア子会社の収益改善が順調に進んだ。


受注

-Daimler

フラッグシップタイヤ「ADVAN Sport」がMercedes Benzの最上級シリーズ「AMG」の「CL 63 AMG」、「CL 65 AMG」、「ML 63 AMG」の3車種に新車装着された。「CL 63 AMG」と「CL 65 AMG」のタイヤサイズはフロントが255/35ZR20 XL、リアが275/35ZR20 XL。また、「ML 63 AMG」はフロント・リアともに295/40ZR20 106Y。(2007年8月2日付プレスリリースより)

-Smart Brabus


欧州市場向けスポーツタイヤ「S. drive」が、Smart Brabus社の新型「smart fortwo BRABUS」の新車装着タイヤに認定された。装着サイズはフロントが175/50R16、リアが225/35R17。(2007年9月13日付日刊自動車新聞より)

-Audi

欧州市場向けフラッグシップ・ウインタータイヤ「ADVAN WINTER」がAudi社の「S6」と「S8」の新車装着タイヤに認定された。装着サイズはフロント、リアともに「S6」用が265/35R19 98V XL、「S8」用が265/35R20 99V XL。(2007年10月24日付プレスリリースより)

-Chrysler

Chrysler社向けに4サイズのタイヤの納入を開始。北米向け「Chrysler Town & Country」、「Dodge Grand Caravan」、並びに北米外へ輸出される「Chrysler Grand Voyager」(いずれも2008年モデル)の新車装着用タイヤとして認定されたもの。装着サイズは、北米市場向けオールシーズンタイヤが225/65R16 100S S33BおよびC33B、輸出向けサマータイヤが225/65R16 100Hおよび225/65R17 102H A349A。同社がChryslerにタイヤを納入するのは今回が初めてとなる。今回の4サイズはフィリピンのYokohama Tire Philippines, Inc.(YTPI)で生産し、米国子会社のYokohama Tire Corporation(YTC)から納入する。(2007年10月24日付プレスリリースより)


生産体制の拡充

-国内


新城南工場(愛知県新城市)の生産能力を3倍に増強する。2007年夏にも拡張工事に着手、2008年8月から生産開始する。

>>> 詳細は 設備投資 参照

-海外


タイで乗用車およびライトトラック(PC/LT)用タイヤの生産能力を増強する。総投資額は70億円。2007年夏に着工し、2008年8月にも生産開始する。

ベトナムの生産子会社「Yokohama Tire Vietnam Inc.」(ホーチミン市近郊、ビンジュン省)の新工場で、2008年2月29日に開所式を開催。

>>> 詳細は 設備投資 参照

開発動向

研究開発体制

-研究設備

平塚製造所内の研究開発センター「RADIC(ラディック)」が中心。スーパーコンピュータや電子顕微鏡、ESCA(材料表面分析装置)、核遠心分離装置などの装置を導入し新技術の開発を推進。

総合タイヤテストコース「D-PARC(ディー・パーク)」と冬季用タイヤテストコース「T*MARY(ティー・マリー)」で、実車テストを実施。

タイ東部ラヨン県に大型テストコース(プルービンググラウンド)を建設する。乗用車用、トラック・バス用タイヤの性能評価、品質向上が目的。新テストコースの敷地は169万平方メートルで、2008年度中の完成を目指す。総投資額25億円。 周長4.1キロの高速周回路のほか、操縦安定性、燃費、耐久性、騒音、振動、乗り心地などを調べる各種試験路を建設する。(2007年8月22日付プレスリリースより)

スペインの自動車エンジニアリング企業「IDIADAオートモーティブ・テクノロジー」との間でテストコースの優先使用契約を締結。2008年4月に稼働予定で建設を進めている、南スペインの新テストコースを15年間にわたり優先使用する。冬季でも温暖な同地で、欧州向けタイヤ開発を強化するのが狙い。建設中のテストコースを含む技術センターはバルセロナ南西70キロメートルに位置し、高速・耐久・ブレーキ・操縦安定性・オフロード評価など、11の異なるテストコースや試験設備を擁する。同社が優先使用契約を結んだのは全長1,760メートルのウェットハンドリングコースで、一部にハイドロプレーニングテスト向けの直線路と旋回路を備える。同社はこれを活用し、コンパウンドやトレッドパターンを中心としたタイヤ評価を行う。(2008年1月19日付日刊自動車新聞より)


-研究内容

研究本部では、新素材開発・シミュレーション技術開発・分析解析技術開発・環境対応技術開発・IT応用技術開発を中心に行っている。

タイヤ事業では、2018年3月期までに全商品を環境貢献商品にすることを目指し活動中。


研究開発費 (単位:百万円)
  2008年3月期 2007年3月期 2006年3月期
全社 15,289 14,649 14,557
-研究開発本部 1,936 1,390 1,359
-タイヤ事業 8,993 8,932 9,120


主な技術導入契約
相手方の名称
(国名)
契約発効日 契約内容 契約期間
Continental AG
(ドイツ)
1990年05月21日 トラック・バス用タイヤに関する特許および製造技術の供与 2012年12月31日まで
東洋ゴム工業(株)
(日本)
1990年08月02日 トラック・バス用タイヤに関する特許および製造技術の供与 2012年12月31日まで
Continental AG
(ドイツ)
2002年04月01日 自動車用タイヤに関する特許および技術情報の使用許諾 2012年03月31日まで


主な技術供与契約
相手方の名称
(国名)
契約発効日 契約内容 契約期間
Continental AG
(ドイツ)
1990年05月21日 トラック・バス用タイヤに関する特許および製造技術の供与 2012年12月31日まで
東洋ゴム工業(株)
(日本)
1990年08月02日 トラック・バス用タイヤに関する特許および製造技術の供与 2012年12月31日まで
Continental AG
(ドイツ)
2002年04月01日 自動車用タイヤに関する特許および技術情報の使用許諾 2012年03月31日まで

設備投資

設備投資額 (単位:百万円)
  2008年3月期 2007年3月期 2006年3月期
全社 273 406 290
タイヤ事業 230 370 256


主な設備投資

-製造設備増強、生産性向上、品質向上等に124億円。

-Yokohama Tire Manufacturing (Thailand)において、乗用車・ライトトラック用タイヤ製造設備の増設、大型プルービンググラウンドの新設に31億円。

-杭州横浜輪胎有限公司[Hangzhou Yokohama Tire Co., Ltd.]において、乗用車用タイヤ製造設備の新設で15億円。


国内投資

新城南工場(愛知県新城市)の生産能力を3倍に増強する。2007年夏にも拡張工事に着手、2008年8月から生産開始する。総投資額は100億円。乗用車およびSUV向けのハイパフォーマンスタイヤ(HPT)を増産する。2006年度の生産実績は100万本で、大口径HPTの需要拡大に対応、能力を引き上げる。2008年下期からの増産分を加え、2008年度には年産260万本、2009年度には同310万本まで増産する。(2007年5月11日付日刊自動車新聞より)


海外投資


-タイ

タイで乗用車およびライトトラック(PC/LT)用タイヤの生産能力を増強する。総投資額は70億円。2007年夏に着工し、2008年8月にも生産開始する。増強するのは2004年1月に設立した「Yokohama Tire Manufacturing Thailand (YTMT)」。YTMTの生産能力は2006年度にPC/LTで70万本、トラック・バス(TB)で30万本。能力拡張により、PC/LTでは2007年度中に130万本、2008年度260万本、2009年度には280万本に引き上げる。(2007年5月11日付日刊自動車新聞より)

-ベトナム

ベトナムの生産子会社「Yokohama Tire Vietnam Inc.」(ホーチミン市近郊、ビンジュン省)の新工場で、2008年2月29日に開所式を開催。このベトナム拠点は2006年6月に設立。2006年10月から工場建設に着工し、2008年2月末から生産開始、同年4月には年間130万本のフル操業体制に入る計画。小型トラック用バイアスタイヤ、二輪車用タイヤ、産業車両用バイアスタイヤ、ミニスペアタイヤを生産し、ベトナム国内で販売するほか、日本にも輸出する。新工場建設の投資額は10億円。(2008年3月29日付日刊自動車新聞より)


設備の新設計画(タイヤ事業)
事業所
(所在地)
設備内容 投資予定
総額
(百万円)
着手 完了
予定
完成後の
増加能力
横浜ゴム(株)
平塚製造所
(神奈川県平塚市)
生産設備 3,085 2007年
4月
2009年
3月
-
三重工場
(三重県伊勢市)
生産設備 3,900 2007年
4月
2009年
3月
-
三島工場
(静岡県三島市)
生産設備 3,185 2007年
4月
2009年
3月
-
新城工場
(愛知県新城市)
生産設備 16,494 2007年
4月
2009年
3月
-
尾道工場
(広島県尾道市)
生産設備 7,911 2007年
4月
2009年
3月
-
Yokohama Tire Corporation
セーラム工場
(米国バージニア州) 他
生産・その他の設備 3,351 2007年
4月
2009年
3月
-
Yokohama Tire Manufacturing Thailand
本社・工場
(タイ ラヨーン県)
生産・その他の設備 6,818 2007年
6月
2008年
10月
乗用車・ライトトラック用タイヤ140万本
杭州横浜輪胎有限公司(Hangzhou Yokohama Tire Co., Ltd.)
本社・工場
(中国 浙江省)
生産・その他の設備 2,694 2007年
2月
2008年
6月
乗用車用タイヤ100万本