IAC (International Automotive Components) Group 2014年12月期までの動向

近年の動向

事業概況

-2014年12月期の売上高は、5,900百万ドル。地域別では北米3,200百万ドル、欧州2,300百万ドル、アジア400百万ドル。

合弁事業

-2013年、南アフリカのトリム部品メーカーFeltex Automotiveと合弁会社「IAC-Feltex Pty Limited (IAC-Feltex)」を設立し、南アフリカ市場に初進出を果たした。新会社は南アフリカの東ケープ州East Londonに位置し、当面は主に、現地のFord、Mercedes-Benz、トヨタ、Volkswagen向け製品を製造する。今後は、IACが内装ガーニッシュトリム、フロアシステム、トランクトリムおよびホイールアーチライナーの供給を予定しているMercedes-Benz 「C-Class」等のグローバル展開車向け製品の製造を予定している。(2013年7月9日付プレスリリースより)

海外事業

<ドイツ>
-2014年10月、ドイツのDusseldorfに欧州本社を開設したと発表。欧州における営業・販売、設計・エンジニアリング、調達、管理などの部門が入居する。また、プログラム管理チームは、グローバルプラットフォームの立ち上げ時の管理・統括や、Daimler、BMW、Volkswagen、Jaguar Land Roverなどの顧客のグローバル拠点向けに、一貫した基準で生産を行うことができるよう各地域のIAC拠点と連携する。営業・エンジニアリング・管理部門には約100名の従業員が勤務している。(2014年10月8日付プレスリリースより)

<中国>
-2014年6月、上海に新たにアジア本社を開設。新アジア本社の敷地面積は30,000平方フィート。テクニカルセンターのほか、営業、管理部門、グローバルおよび現地向け設計とエンジニアリング部門、購買と製造の統括部門などIACアジア地区の各業務部門を統括する。技術、管理、販売要員として現在115名を雇用しているが、将来的には150名まで増員する予定。(2014年6月10日付け各種リリースより)

<ルクセンブルク>
-2014年4月、グローバル本社を新たにルクセンブルクに設立。経営陣および欧州の幹部の本拠となり、統括機能を持つ。

<韓国>
-2013年、韓国の仁川に営業およびエンジニアリング拠点を開設。現在同社は、各種内装部品を現代モービスを通じて現代 (Hyundai) および起亜 (Kia) に供給しているが、新拠点の開設により、双竜自動車 (Ssangyong)、ルノー三星、GM Koreaと新たに取引を開始する。

受注

-2013年中に発売されるGM 「Chevrolet Corvette Stingray」の2014年モデルにさまざまな部品を納入する。米国テネシー州のDayton拠点で生産される予定で、現在は量産試作品およびプロトタイプの試験を行っており、2013年7月に量産を開始する計画。今回納入する部品は以下の通り:

  • ハンドクラフトのインストパネルおよびフロアコンソール
  • ピラートリム
  • ガーニッシュ
  • フロアマット
  • 新開発の「SmartFoil」素材を使用したドアパネル下部用の製品

-2013年、Opel 「Adam」向けフードライナー、GM 「Chevrolet Impala」向けフロアカーペットの受注を獲得。

主な受賞

授与社
2013 Supplier of the Year Award、Overdrive Award GM
2012 Ford World Excellence Award Ford
2012 Award of Excellence in Product Development Mahindra & Mahindra

研究開発費

-2012年の研究開発費は68百万ドル。

研究開発拠点

-各地域にデザイン・テクニカル・コマーシャルセンターを保有:
欧州:12カ所
北米:7カ所
アジア:7カ所

製品開発

熱可塑性オレフィンを使用した革質素材
-2013年、熱可塑性オレフィンを使用した革質素材"SmartFoil"が「Chevrolet Corvette」のドアパネルの下部素材として採用されたと発表。SmartFoilはドアパネル以外にもコンソール、インストパネル等の射出成形部品に適用される。同製品の主な特徴は以下の通り:

  • 「Corvette」のような低車高のモデル専用にデザインされており、高級感を演出
  • 従来製品比で最大10%の軽量化を実現
  • トップコートにより、引っかききず、こすりきずなどの耐損傷性に優れる
  • 一回の成型工程でシートと樹脂が接着されるため、接着工程が不要

設備投資額

-2012年の設備投資額は161百万ドル。

海外投資

<米国>
-2014年12月、米国アラバマ州にあるAnniston拠点の拡張が完了したと発表。126,000平方フィートを拡張し、既存工場に隣接して新工場を建設。同拠点の面積は約262,000平方フィートとなった。今回の拡張により従業員約350名を新たに雇用。2016年までに従業員数は500名を超える見込み。射出成形や圧縮成形などさまざまな製造プロセスを有しており、日産、ホンダ、現代・起亜、Mercedes-Benzなどの顧客向けにインストパネル、ドアパネル、フロア、防音製品などの内装トリムシステムを生産している。(2014年12月9日付プレスリリースより)

<中国>
-2014年10月、中国の常熟 (Changshu) に埃馳汽車零部件 (常熟) 有限公司 [IAC Automotive Components (Changshu) Co., Ltd] と上海松江埃馳汽車地毯声学元件有限公司常熟分公司 [Shanghai IAC Songjiang Automotive Carpet & Acoustics Co., Ltd. Changshu Branch] の2工場を新たに開設。2工場の総面積は23,400平方メートルで、総従業員数は約540名の予定。インストパネル、コックピット、ドアパネル、センターコンソール、フロアカーペット、内装・外装音響部品などの製品を生産する。上海松江埃馳汽車地毯声学元件有限公司常熟分公司は4本の生産ライン、設計生産能力20万セットを有する。埃馳汽車零部件 (常熟) はコックピットシステム、サブパネル、ルーフパネルの3本の組立ラインと射出成型、表皮貼りこみ、裁断縫製の3本の生産ラインを備えている。(2014年10月16日付け各種リリースより)

-2013年、中国の重慶 (Chongqing) に同社にとって同国10番目となる生産工場を開設。工場面積は10,400平方メートルで、従業員数は約275名。新工場は重慶2カ所目の工場で、今後は2工場の統合も計画している。生産部品および供給先は以下の通り:

  • Ford 「Kuga」:ドアパネル、フロアコンソールASSY
  • Ford 「Mondeo」:ドアパネル、フロアコンソールASSY、インストパネル、コックピットモジュール、フィニッシュトリム、ダクト
  • Volvo 「S80L」:ドアパネルASSY、グローブボックス、インストパネル
  • スズキ:インストパネルのトリム部品を2013年末に生産開始

-2012年、同社にとって中国9番目となる工場を遼寧省瀋陽 (Shenyang) の瀋北新区 (Shenbei New District) に開設。新工場は、同社と上海汽車地毯総廠 (SCCP) の合弁会社IAC Songjiangの傘下となる。従業員100名超を雇用し、近隣にある上海GMのNorsom工場に「Chevrolet Cruze」および「Buick GL8」向けのカーペットを納入する。(2012年7月10日付プレスリリースより)

<ルーマニア>
-2012年、ルーマニアのBalsにおいて新工場を開設したと発表。世界に90拠点以上を保有する同社にとって、欧州で27番目の生産拠点となる。この工場は2012年6月に、Balsから約25kmの距離に位置するFordのCraiova組立工場向けに生産を開始している。従業員数は現在約250名。工場面積は15,000平方メートルで、Fordの小型ミニMPV 「B-Max」向けのインストパネル、センターコンソール、リアドア、フロントドアパネル、ヘッドライナーなどを生産する。(2012年10月22日付プレスリリースより)

<インド>
-インドのPuneおよびNew Delhiに新たに2拠点を開設したと発表した:

  • Pune地区で2カ所目となるChakan第2工場 (International Automotive Components Chakan Plant II) では、2014年中に生産・エンジニアリング・管理部門で従業員170名超を雇用する。面積は8万平方フィートで、今後さらに拡張が可能。ヘッドライナー、インストパネル、ドアパネル、センターコンソール、外装トリムなどさまざまな製品を生産する。同工場の開設により、Mahindra & Mahindra、Mahindra Trucks and Buses、Volkswagen、Volvo-Eicher Commercial Vehicles、Fiatなど、同地域の顧客へのサポートを強化する意向。
  • New DelhiではManesar第2工場 (International Automotive Components Manesar Plant II) を開設。既存工場とあわせた総面積は6万平方フィートとなる。新工場では、ヘッドライナー、フロア、フロアコンソール、インストパネル部品、ソフトトリム製品を生産し、Maruti Suzuki、Volkswagen、Volvo-Eicher Commercial Vehiclesなどに納入する。(2014年3月4日付プレスリリースより)