広西玉柴機器集団有限公司 動向2009

ハイライト

受注

-2月、ロシア向けに10百万米ドルのエンジン輸出契約を締結。(2009年2月20日付 プレスリリースより)

提携

長年協力関係にある中通客車控股有限公司と戦略的パートナーシップを結ぶことで合意した。玉柴は中通のシャーシー開発を支援してきており、2003年から シャシー部品を供給している。今回の提携はこうした関係をより強固にし企業の競争力を高めるのが狙い。(2009年5月15日付 プレスリリースより) 広西玉柴機器股份有限公司は6月10日、広州汽車集団股份有限公司と戦略的提携の枠組みに合意した。主な合意内容は次の通り:・パワートレイン及び 部品分野において全面的に提携し、協力してバス用動力、ハイブリッド動力、新エネルギー動力技術の自主開発を行う。・中・重型商用車での提携を進める。・ 新製品の共同企画、共同開発も進める。・今後5年間で20億元の取引を目指す。(2009年6月10日付 プレスリリースより)

開発動向

<研究開発施設>

名称 詳細
広西玉柴工程研究院(Guangxi Yuchai Engineering Research Institute) -2007年開業
-製品エンジニアリング部、電子制御技術部、テストエンジニアリング部、技術管理部で構成され、主に排出ガスの低減、乗用車のディーゼル化に取り組む。

 

新研究所

-広西玉柴機器集団有限公司と天津大学内燃機燃焼学国家重点実験室(State Key Laboratory of Engines, Tianjin University)は3月8日共同実験室の披露セレモニーを行った。両者は1970年代初めより協力関係にあり、2007年には産学提携の合意書を結 んでいる。この実験室ではディーゼルエンジンの燃焼技術開発及び振動・騒音研究、自動車NVHの研究、吸気系統の研究などが共同で行われる。(2009年 3月10日付けプレスリリースより)

-広西玉柴工程研究院(Guangxi Yuchai Engineering Research Institute)は広西チワン族自治区南寧市ハイテク開発区に新しい研究開発拠点を建設する。10月18日、その定礎式を行った。敷地面積は 20,000平方メートル、投資総額は3.1億元になる予定。(2009年10月20日付プレスリリースより)

 

製品開発

軽油・天然ガスバイフューエルエンジン

-深圳のバイフューエルシステムサプライヤーと6A240軽油・天然ガスバイフューエルエンジンを共同開発した。このバイフューエルエンジンの特徴は以下の 通り:①燃料供給を電子制御システムにより行ない、軽油と天然ガスを同時に精確にコントロールする②エンジンの空燃比を適切に制御し、より十分な燃料の燃 焼を確保する。また、軽油と天然ガスの混合燃焼状態での運転と軽油単独での運転が可能なため天然ガスエンジンの航続距離問題をクリアし、環境、省エネ、燃 料補充という3つの難題を一挙に解決できる。このバイフューエルエンジンはすでに宇通客車(Yutong Bus)に納められ、間もなくニューモデルZK6909H(後置型 9メートル長)バスに搭載されて海南省海南市で使用されることになってい る。(2009年6月16日付けプレスリリースより)

 

オーバーヘッドカムシャフト電子制御式高速ディーゼルエンジン

-4F プラットホームを基礎として開発した初のオーバーヘッドカムシャフト電子制御式高速ディーゼルエンジンYC4Fの点火に成功した。エンジンの定格回転速度 は3,800r/min以上、出力は90kW以上に達する。またEGR率と均一性を高める冷却EGRシステムや顆粒捕捉技術を採用した後処理装置により中 国Ⅳ排ガス基準をクリアすることを保証している。このディーゼルエンジンは主にSUVをターゲットとしている。また基本部品は従来の4Fプラットホームの 設計を引継ぎ、部品の共用化を高めて製造及び管理コストを引き下げた。製品は近々発売される予定。 (2009年9月29日付けプレスリリースより)

 

圧縮空気ハイブリッドエンジン

-世界初となる圧縮空気ハイブリッドエンジンYC6A280-30を発表した。このエンジンは英国ブルネル大学と共同開発したもので、世界で初めて既存の部 品を利用して再生可能な圧縮空気によるハイブリッド動力機能を実現した。このエンジンを搭載することで消費燃料と二酸化炭素の排出量を低減し、車の加速性 能を向上することが可能になるという。(2009年12月21日付プレスリリースより)

設備投資

主な設備投資

(2009年)

プロジェクト 計画詳細 投資
予定額
(百万元)
進捗状況
(2008年)
広西玉柴汽車配件製造のクランクシャフト工場建設 (クランクシャフト年産能力増強)
-第1期第2生産ラインの稼動により年産能力は30万本に増加
(2008年1月)

-第2期完成後は年産80-100万本、生産額は15億元、従業員2000人を見込む
350
百万元
(第1期:
50百万元)

第1期
建設完了
(第1、2ライン稼働開始)

第2期着工
(2008年1月)

玉柴工業園区建設

-2010年までに工業園全体の生産高100億元達成を目指す。

-面積22.83平方キロメートル、動力機械・自動車部品産業と建設機械産業の2区域からなる。

- 2010年には工場就労人口は5万人達する見込み

- *既に15の関連会社が入居し段階的に生産開始。生産高は50億元に達している
(2008年9月時点)
  玉柴動力機械の小型ディーゼルエンジン生産工場建設 完成後の年産能力20万基 250
百万元
生産開始
(2008年7月)
量産開始予定
(2009年8月)
工業園区のインフラ整備 工業園区の変電設備、道路、工場棟建設。 550
百万元
建設中
広西玉柴機器股份有限公司の鋳造センター建設
-0.8-12リットルディーゼルエンジンのシリンダーブロック、シリンダーヘッド生産ライン3本
-生産量29万トンを見込む
(第1期)
960
百万元
建設開始
(2008年7月)

稼働開始予定
(第1ライン:2009年12月)
(第2ライン:2010年12月)
(第3ライン:2012年12月)
子会社「厦門玉柴発動機」のディーゼルエンジン工場建設 軽、中、重型車用YCシリーズディーゼルエンジン年産能力10万基 450
百万元
生産開始
(2008年7月)
量産開始
(2009年8月)
Guangxi Yuchai Bright Electric Co., Ltd. の生産ライン等の建設 年産能力80万セットの高出力エレクトリカルモーター 120百万元 2006年-2010年
現在進行中

 

中国国内投資

-2008年に設立した合弁会社「玉柴機器資陽発動機」の工場建設を開始。総投資額は6億元で、2013年の完成を目指す。建設は2期に分けて実施し、第 1 期は2011年末に竣工する計画だが、一部は本年末に完成し生産を始める予定。2期ともすべて完成した後は、重、中型自動車用ディーゼルエンジン・ガスエ ンジン20万基、船舶用大型エンジン500基の年産能力を有する見込み。(2009年4月1日付けプレスリリース)

-エンジン生産子会社「厦門玉柴発動機有限公司」は9月8日工場建設第1期工事を完了し生産を開始した。年産能力は10万基、総投資額は4.5億 元。 建設は2期に分けて行い、第1期工事には2.1億元が投じられた。生産するディーゼルエンジンはYC6A、YC6B、YC6J、YC6L、YC6Mの5シ リーズ、出力は75kWから350kWをカバーする。全シリーズとも中国Ⅲ排ガス規制をクリアしており、大馬力、高トルク、低燃費、低排出などの特長があ る。主な供給先は厦門金龍聯合汽車(Xiamen King Long United)、厦門金龍旅行車(Xiamen Golden Dragon Van)、厦門工程機械(Xiamen Engineering Machinery)などのトラック、客車、建設機械、農業機械メーカー。(2009年9月8日付プレスリリースより)

-11月、重型車用エンジン生産子会社「「玉柴聯合動力股份有限公司」の建設が安徽蕪湖市臨江開発区で始まった。この生産子会社は玉柴グループと中 国 国際海運集装箱(集団)、奇瑞汽車(Chery Automobile)の三社により2009年8月に設立された。建設は3期に分けて行われ、最終的には年産能力20万基とする計画。総投資額は15億 元。今回建設が始まった第1期工事ではエンジンシリンダーブロック及びシリンダーヘッド生産ライン、組立ラインなどを含め、8億元を投じ、年産能力6万基 を目指す。第1期は2010年末完成予定。(2009年11月30日付プレスリリースより)

-玉柴集団は広西省柳州市柳東新区にディーゼルエンジン生産拠点を建設することで柳州市と合意書を結んだ。柳州市では自動車産業が近年大きく発展し て おり、2009年の自動車生産台数は100万台を突破した。しかし自動車部品、ことにディーゼルエンジン分野はまだ弱く一層の強化が求められている。これ に応え玉柴集団は広西聯状集団公司(Guangxi Lianzhuang Group) と共同で総額15億元を投じ新たにディーゼルエンジン工場を建設することになった。完成後の年間生産高は70億元に達する見込み。(2010年3月24日付けプレスリリースより)