■中国排ガス基準Ⅳ対応エンジンの量産開始
-2007年4月、同社は中国排ガス基準Ⅳ対応エンジンYC6L280-40の量産化を正式に発表。このエンジンは米の電子制御式燃料噴射ポンプ、ドイツのSCR(Selective Catalytic Reduction) を採用し燃焼効率を高めたエコエンジンで、都市の公共バスに適している。既に宇通客車(Yutong Bus)、黄海汽車(Huanghai Automobile)、金華尼奥普蘭車両(Jinhua Neoplan Vehicle)、金龍聨合汽車(King Long United Automotive)などのバスメーカーに納入している。

■輸出
-2007年6月、同社は江淮汽車(Jianghuai Automobile)のサウジアラビア向け大型バス用にYC6A260-20エンジン1000基を受注。また、安徽安凱車両(Anhui Ankai Vehicle)のイラン向け大型バス用にYC6G260N-20とYC6G300-20を計1000基受注。その他、同社は既に安徽江淮汽車のニュージーランド向けに600基を受注、1-5月の輸出台数は累計4200基で、前年同期比106.27%増。現在はアジア市場向けが多く、全体の45%を占めているが、東欧、アフリカ向け輸出も増加している。同社は海外市場の拡大をにらみ、輸出用製品のアフターサービス体制を整えている。

-2007年6月、ロシアの大手カーメーカーUralAZ にYC4W-1.22LユーロⅢディーゼルエンジンを年5-10万基納入することで合意した。また両社は技術、OEM供給、調達、アフターサービスなどの分野で戦略的パートナーシップを締結。今回受注したYC4Wエンジンは近年開発された乗用車用HSDI(高速・直噴)ディーゼルエンジン。
　同社は2006年にロシアに事務所を設立、既に重型ディーゼルエンジン6Mを輸出している。今後は更にユーロⅢ対応エンジンをロシアの公共交通市場に供給する計画。

■工業園建設
-2007年8月、同社が建設を進めている玉柴工業園区で、第１期建設として小型ディーゼルエンジン生産工場、部品生産工場等の着工式が行われた。プロジェクトの総投資額は4.32億元、敷地面積は約24.3ヘクタール。完成後は生産高10.3億元増が見込まれている。

<新製品>
-2007年3月、吉林大学、広西大学と共同開発した乗用車用低排出電子制御ディーゼルエンジンを搭載したディーゼルエンジン乗用車が中国科学技術部の検収に合格。同開発プロジェクトは2005年より進められてきたもので、新エンジンにはタービン増圧、排気再循環、燃料コモンレール、直噴射などの技術が採用されている。

-2007年10月、上海交通大学と2006年から共同で開発を進めてきた都市バス用 ISG（Integrated Starter Generator）ハイブリッドシステムを発表。

-2007年12月、自主開発のユーロⅤ排ガス基準対応エンジンYC6L-50を発表。新エンジンは出力240-330馬力、最大トルク950-1280N.mで、最小燃料消費率189g/kWh、都市公共バスに適したエコエンジン。

主な設備投資

プロジェクト		計画詳細	投資予定額 (百万元)	進捗状況
広西玉柴汽車配件製造の工場建設		クランクシャフト年産能力増強 第1期：年産能力5万本達成 第2期：年産能力20万本達成 第3期：年産能力50万本達成	350百万元 (第1期：50百万元)	第1期 建設完了 操業開始 (2007年1月)
広西玉柴機器のディーゼルエンジン新工場建設		YC4F軽型車用ディーゼルエンジン年産能力20万基	-	建設完了 操業準備中 (2007年4月)
玉柴工業園区建設		-	432百万元	第1期 建設開始 (2007年8月)
	玉柴動力機械の小型ディーゼルエンジン生産工場建設	完成後の年産能力20万基	190百万元	建設開始 (2007年8月)
	広西奥特帕斯工業、玉林市三源機械、玉林市天福金属製品の玉柴向け部品生産工場建設	-	-	建設開始 (2007年8月)
子会社「厦門玉柴発動機(2006年12月設立)」のディーゼルエンジン工場建設		軽、中、重型車用YCシリーズディーゼルエンジン年産能力10万基	450百万元 (第1期：190百万元)	第1期 建設開始 (2007年9月)