日本電産トーソク (株) 2012年3月期の動向

ハイライト

業績

(単位:百万円)
  2012年
3月期
2011年
3月期
増減率
(%)
要因
全社
売上高 33,508 29,947 11.9 -
営業利益 3,140 4,009 (21.7) -
経常利益 3,087 4,033 (23.5) -
当期純利益 1,845 2,366 (22.1) - 事業譲渡に伴う特別損失5千4百万円を計上したことにより
自動車部品事業
売上高 30,334 26,172 15.9 1)
営業利益 3,109 3,760 (17.3)

要因
1)
自動車部品事業
- ジヤトコからの小型車向けコントロールバルブ、富士重から新型インプレッサ向けCVT用コントロールバルブの受注が堅調に増加したため。

受注

- 富士重工業の新型「インプレッサ」に搭載された新リニアトロニックCVT(無段変速機)用のコントロールバルブの生産、供給を始めたと発表した。レイアウトの最適化によりトランスミッション上部への配置を可能にし、トランスミッション全体のコンパクト化に貢献した。アイドリングストップ用の油圧回路を追加したほか、富士重との共同開発により、油圧回路システムの簡略化とレイアウトの最適化を図ることで約20%の軽量化を実現した。鋳造など主要部品のベトナム工場内での内製化率を高め低コスト化にも貢献した。(2012年2月20日付日刊自動車新聞より)

国内動向

- 2012年3月15日に開いた臨時取締役会で、システム機器事業のうちボールねじ事業を日本電産サンキョーに、ウェハーバンプ検査装置事業を日本電産リードにそれぞれ事業移管することを決議し、3社間で基本合意したと発表した。 3月末までに最終的な合意を経て4月1日に事業移管する予定。日本電産トーソクは、自動車部品事業拡大に向けて、ボールねじ事業とウェハーバンプ検査装置事業の経営資源を成長分野の自動車部品事業に集中する。事業移管により、日本電産グループとして競争力を高める。(2012年3月17日付日刊自動車新聞より)

- 日本電産は、金型メーカー魚岸精機工業株式会社と資本提携を行うと発表。これにより同社は、魚岸精機の株式19.9%を取得する。(2011年9月13日付プレスリリースより)

海外動向

- 2011年12月12日、ベトナム・ベンチェ省に自動変速機、CVT用コントロール部品などの生産・販売を手がける完全子会社を設立すると発表した。新会社は「NIDEC TOSOK PRECISION VIETNAM(日本電産トーソク・プレシジョン・ベトナム)」で2012年3月31日に設立予定。1997年に稼働した「日本電産トーソク・ベトナム」に続く同国2番目の生産拠点となる。新会社を設立することで、既存製品の増産と需要拡大に対応、新規顧客向けの販売拡大にも備える。2012年9月に工場を竣工、13年4月に生産を開始する。生産開始後は年間売上高30億~40億円を見込む。(2011年12月13日付日刊自動車新聞より)

- 金型メーカーの魚岸精機工業株式会社と、中国浙江省に合弁会社を設立すると発表。新会社「日本電産東測魚岸(浙江)有限公司」は、自動車部品向けのアルミダイカスト製品を生産し、同社連結子会社の日本電産東測(浙江)有限公司(Nidec Tosok (Zhejiang) Corporation)に供給する。将来は、他社向けにダイカスト製品および金型の製造販売も予定している。資本金は約7.7百万米ドル(約6億円)で、出資比率は日本電産92%・魚岸精機8%。2012年5月に工場が竣工し、同年10月より生産開始の予定。(2011年9月13日付プレスリリースより)

>>>次年度業績予想(売上、営業利益等)

開発動向

研究開発費

(単位:百万円)
  2012年3月期 2011年3月期 2010年3月期
全社 985 709 719
自動車部品事業 913 604 533

研究開発活動

自動車部品事業
-自動車の快適性・安全性・燃費向上ニーズ、ハイブリッド車の販売増加や電気自動車の台頭などに伴う電子制御技術分野の進展に対応する研究開発活動を推進。

主に下記3分野での新技術開発と新製品拡大を推進
1. 既存商品については自動変速機(A/T)、無段変速機(CVT)用のコントロールバルブASSYの更なる高機能化と高性能化。また複数の中国民族系自動車メーカーとの新製品開発への取り組み。
2. 電磁弁技術の応用としてディーゼルエンジン用流量制御などの自動車用環境・省エネ対応商品の開発。新分野適用として家電用電磁弁の開発。
3. 電子制御・モーター・インバーター技術分野拡大による電動オイルポンプ等のハイブリッド車、電気自動車用の電動化対応製品の開発。

- 海外拠点における開発体制を強化する。ベトナム拠点に常駐している開発スタッフを2011年度中に現状の約3倍に相当する100人に増員するほか、中国では新規に開発部門を立ち上げる。新規製品の開発は日本で行い、量産品の開発は海外拠点に担ってもらうという分業体制を敷くことで開発の効率化につなげる。同社はCVT用コントロールバルブやディーゼルエンジン用部品などパワートレーン関係の部品を生産している。また、同社は既存のステッピングモーターの技術を活用して現在、ハイブリッド車(HV)や電気自動車(EV)といった次世代車に関する製品の開発に力を入れている。 (2011年5月11日付日刊自動車新聞より)


技術導入契約

(2012年3月31日現在)
契約会社名 相手方の名称 国名 契約内容 契約期間
日本電産トーソク 日産自動車 日本 画像処理装置についての技術情報の提供および製造・販売権の許諾 1993年6月28日 - 6年 (自動継続)

 

技術供与契約

(2012年3月31日現在)
契約会社名 相手方の名称 国名 契約内容 契約期間
日本電産トーソク テルスターエンジニアリング社 韓国 コラム型空気マイクロメータ、AE変換機およびコラム型電気マイクロメータの製造技術情報およびノウハウの提供、製造・販売権の許与 2000年12月21日 - 5年
(自動継続)
日本電産トーソク Kefico社 韓国 RXC配線板の製造技術情報およびノウハウの提供、製造・販売権の許与 2003年3月24日 - 8年
日本電産トーソク Unick社 韓国 6速用比例弁の技術情報およびノウハウの提供、製造・販売権の許与 2007年3月26日 - 5年
(自動継続)

設備投資

設備投資費

(単位:百万円)
  2012年3月期 2011年3月期 2010年3月期
全社 3,597 6,892 2,553
自動車部品事業 3,412 6,330 2,494

自動車部品事業
-日本電産トーソク・ベトナム(Nidec Tosok (Vietnam) Co., Ltd)への生産移管や新規受注商品への対応から、機械装置を中心に設備投資を行った。

設備の新設

(単位:百万円)
会社名/所在地 所在地 設備の内容 投資予定
総額
着手
年月
完了
予定
本社工場 神奈川県
座間市
自動車部品生産設備
システム機器生産設備
912 2012.04 2013.03
Nidec Tosok (Vietnam) Co., Ltd
本社工場
ベトナム
ホーチミン市
自動車部品生産設備 4,737 2012.04 2013.03
Nidec Tosok Akiba (Vietnam) Co., Ltd. ベトナム
ホーチミン市
自動車部品生産設備 579 2012.04 2013.03
日本電産東測(浙江)有限公司
[Nidec Tosok (Zhejiang) Corp.]
中国浙江省 自動車部品生産設備
システム機器生産設備
118 2012.04 2013.03
日本電産魚岸東測(平湖)有限公司
[Nidec Tosok Uogishi (Pinghu) Corp.]
中国浙江省 自動車部品 1,161 2012.10
(予定)
2013.03