Modine Manufacturing Company 2006年度の動向
ハイライト
全体の業績
単位:百万米ドル | 2007年 3月期 |
2006年 3月期 |
要 因 |
全社 | |||
売上高 | 1,757 | 1,629 | 2006年3月のModine Brazil,買収に伴う売上げ増が77百万ドル、為替差益分が36百万ドル、売上げ数量増によるものが15百万ドル。数量の伸びは、堅調なトラック、大型トラック、産業機械による。欧州の自動車と北米のトラック、また、世界的な大型車両と産業機械は強含みに推移したが、北米市場で、低迷を続ける市場動向と値下げ圧力による平均販売価格の低下で売上げが減少したため相殺された結果となった。 |
営業利益 | 40 | 90 | 粗利益の減少と一般管理費の高騰が相まって営業利益は前年度の90百万ドルから今年度は40百万ドルに低下。 |
部門別の業績
単位:百万米ドル | 2007年 3月期 |
2006年 3月期 |
要 因 |
米州OE部門 (収益の43%) | |||
売上高 | 743 | 682 | ・トラックと大型車、産業機械の数量増。 ・2007年1月の排気規制を前にした主としてトラックの駆込み需要。 |
営業利益 | 54 | 82 | 原材料市況価格の高騰と製品の値下げ圧力に起因した粗利益の減少が主な要因。 |
アジアOE部門 (収益の12%) | |||
売上高 | 219 | 207 | ・為替差益。 |
営業利益 | (1) | (1) | ・顧客からの価格圧力とストが主な要因。 |
欧州OE部門 (収益の33%) | |||
売上高 | 589 | 539 | 大型車市場の伸びが主因。 |
営業利益 | 62 | 72 | - |
受注
2006年度の受注状況
・ 2006年6月、同社はInternational Truck and Engine Corporationより新しい2007年型6.4LPower
Stroke Diesel Engineの潤滑油及びディーゼル燃料システムの冷却に関する新プログラムを受注したと発表。この受注は3年間のプログラム実行期間中に、年間35百万米ドルを超える売上を同社にもたらすと期待されている。
同社は、大型のFシリーズピックアップ・トラック用のディーゼル・エンジン向けに特別に設計された、効率の高い潤滑油のクーラーとディーゼル燃料のクーラー・モジュールを供給する。燃料クーラー単体に加えて、同社は更に必要なブラケット付きのモジュールも開発し組立てる。これらの製品は、テネシー州のLawrenceburgにある同社の工場で2006年8月初めより生産開始。同工場は、15万平方フィート近い製造及びそのサポート・スペースに、250人の従業員を雇用する。
Intenational は年間33万台を越える台数を期待している。(2006年6月29日付同社プレスリリースより)
・ 2006年7月, 同社は、大型ディーゼル・エンジン生産の世界最大手のVolvoに、3年間で45百万米ドルの売上に相当するEGRクーラーを供給する契約に調印。このEGRクーラーは、排気の後処理工程の一部で、2007年1月より大型ディーゼル・エンジンの排気を90%引き下げると言う、米国環境省の新しい2007年規制にエンジンを適合させる。(2006年7月5日付同社プレスリリースより)
・ 2006年9月、同社及びDENSO Corporationは、DENSOのサーマル・システム事業向けに、同社がラジエーター、パラレル・フロー・コンデンサー、チャージ・エア・クーラー及びパワーステアリング・オイル・クーラーを供給する新規ビジネスを獲得したと発表。この提携は2009年に開始され、同社にとり当初年間50百万ドルを超える売上となる。(2006年9月26日付同社プレスリリースより)・2006年11月、同社は中国における新工場の建設の資金調達が取締役会で承認された、と発表。同社は16百万ドルを超える額を工場に投資、2008年(暦年)初に操業を開始し、当該地域にある同社のグローバルな顧客に製品を供給する。取締役会は、同時に、既に発表済みのメキシコのNuevo
Laredoに建設する新工場の20百万ドルすべての資金調達も承認。両工場とも操業開始時に必要なビジネスは既に確保。(2006年11月14日付同社プレスリリースより)
・2007年1月、同社は韓国ソウル市に本社を置くHyundai Kia Automotive Group.から総額で1億4千3百万ドルを超える多岐におよぶ製品を受注、HyundaiおよびKiaの新型商用車向けに部品を供給すると発表した。1億4千3百万ドルには新規受注分と既受注分の切替え分を含む、5年におよぶ契約期間の累積額であり、2006年車から2008年車が対象。同社が供給する熱交換関連部品(heat
transfer solutions)はAPTCヒーター、 EGR(排気ガス再循環)クーラー、オイルクーラー、HVAC(暖房、換気、エアコン)システム、コンデンサー、およびチャージエアクーラー。(2007年1月5日付け同社プレスリリースより)
企業買収
・2006年4月、 同社は、Radiadores Viscondeのまだ取得していない株式50%を取得する暫定契約を締結したと発表。Radiadores
Viscondeの2005年12月期の売上高は約80百万ドル。1963年に設立されブラジルのサンパウロを本拠とするRadiadores Visconde社は、自動車、トラック、農機具、建設機器、産業向けに温度管理システムを提供している。また、輸出用やブラジル国内向けの自動車アフターマーケット向けに温度管理システム製品を供給している。
リストラクチャリング
・2006年12月、オハイオ州トレードの工場を現在受注している製品の生産が終了次第、8-9ヶ月後に閉鎖する意向を発表。 同工場では自動車部品を製造し、現在の従業員は16名。閉鎖の決算への大きな影響はない。(2006年12月12日のプレスリリース)
開発動向
(単位:百万ドル) | 2007年3月期 | 2006年3月期 |
研究開発費 |
82.5 | 79.6 |
・研究開発費を前年にくらべ3.6%増額。
研究開発体制
・年度末時点の全世界の特許取得件数は2,347件で、前年に比べ143%増。
環境規制とエネルギー効率、燃費向上の市場動向に対応するため新製品と新技術に重点をおいた研究開発活動を実施。
ディーゼルエンジンのNOxと粒子状排出物規制法規によりEGRなどの製品に対するビジネス機会が引き続き拡大。こうした規制に対応する顧客のニーズに応えて新たな熱交換器やクーリングモジュールを開発。
HVACグループを研究開発分野から独立して新設。また、研究開発活動で培ったノウハウを利用して先進的なHVAC製品を開発。この中には、今後予想される大型車のアイドル規制に対応する製品も含まれる。
- 2006年4月同社は、トラックおよびオフハイウェイ市場のHVAC機器需要に狙いを定めた同社の活動を支援する為に、製品特化グループを創設したと発表した。また、ケンタッキー州にある同社Harrodsburg研究開発施設を、ウィスコンシン州Racineの技術センターに移管することも発表した。創設された新しいグループの研究開発活動は、システム及びアプリケーション開発と共にRacineで行なわれる。HVAC製品の生産はHarrodsburgに残る。
設備投資
設備投資費用
単位: 千米ドル | 2007年3月期 | 2006年3月期 | 2005年3月期 |
米州OE部門 | 28,825 | 19,945 | 18,654 |
アジアOE部門 | 8,681 | 5,504 | 2,916 |
欧州OE部門 | 22,096 | 28,063 | 33,989 |
商用HAVC・冷却機器部門 | 6,824 | 3,946 | 3,959 |
その他 | 1,270 | 3,486 | 3,709 |
共通 | 15,114 | 18,341 | 3,100 |
消去 | (58) | - | - |
設備投資費 - 継続事業 | 82,752 | 79,285 | 66,327 |
設備投資費 - 非継続事業 | - | 585 | 2,240 |
設備投資費合計 | 82,752 | 79,870 | 68,567 |
設備投資額は、前年より2.9百万ドル増の82.8百万ドル。増額の大部分は、2007年1月施行の新排気規正法に伴う新たなトラックプロジェクトに必要な冶工具、設備の購入に充当。
海外投資
- 2006年11月、同社は、中国における新工場の建設の資金調達が取締役会で承認された、と発表。同社は16百万ドルを超える額を工場に投資、2008年(暦年)初に操業を開始し、当該地域にある同社のグローバルな顧客に製品を供給する。取締役会は、同時に、既に発表済みのメキシコのNuevo
Laredoに建設する新工場の20百万ドルすべての資金調達も承認した。両工場とも操業開始時に必要なビジネスは既に確保している。(2006年11月18日付同社プレスリリースより)
- 2006年12月、Modineは1,400万ドルを投資し、インドのChennai地区に生産工場を新設することを同社役員会にて決議した。新工場では現地の商用車、オフ・ハイウエー、バス用エアコン(HVAC)市場向けに製品を生産、その他の市場分野での製品需要の伸びに応じて販路拡大を図る方針。2006年度から3年にわたり投資を行う。(2006年12月12日付け同社プレスリリースより)
- 2007年1月、同社は1,200万ドルを投資し、ハンガリーに2番目の生産拠点を新設することを同社役員会にて決議した。新たな拠点を設けることによって、欧州でCaterpillar、
Volvo、Nacco、およびAGCOといった顧客向けで伸びをみせている熱交換関連部品への需要に対応、また、同社がグローバルレベルで推進する低コスト地域における生産基盤の拡張を図る。(1月16日付け同社プレスリリースより)