The Dow Chemical Company 2008年12月期以前の動向

ハイライト

近年の動向

受注

-2008年、Dow Automotive製の耐衝撃エポキシ樹脂系接着剤BETAMATEがAudi 「A8」に採用された。同社では、「A8」用に、ドアのヘムフランジ用接着剤も併せて供給している。(2008年6月30日付プレスリリースより)

-2008 年、PSAにスプレー式のBETAPHONアンダーボディコーティング剤およびBETAGUARDシーラントを供給する。これら製品は、PSAの新型 Citroen 「Berlingo」、Peugeot 「Partner」に採用された。(2008年6月18日付プレスリリースより)

-2008年、新型Jaguar 「XF」用に、同社特許BETAMATE技術を採用したエポキシ樹脂系接着剤を開発。(2008年6月17日付プレスリリースより)

事業買収

-2007年3月、同社の事業部門Dow Polyurethanesは、英国のポリウレタン・エラストマー・システム製品事業大手Hyperlast Limited ("Hyperlast UK")、ならびに、自動車用サスペンション部品メーカー大手であるAutothane Limited、の2社を買収予定と発表した。買収先となるHyperlast UK、Autothane Limitedは、ともにBritish Vita子会社で、高性能樹脂、石油/ガスパイプライン、自動車搭載用の革新的なポリウレタン・エラストマー製品の開発が専業。(2007年3月5日付けプレスリリースより)

合弁事業

<旭化成ケミカルズ>
-2006年8月、同社と旭化成ケミカルズは、両社が折半出資で展開する自動車内装材などの樹脂素材であるポリスチレンの合弁会社2社について、ダウグループが旭化成ケミカルの持分株式を取得することで合意したと発表した。競争の激化が続くアジアにおけるポリスチレン事業の拡大に向けて、オペレーションを同社に集約し、地盤強化を図ることにした。同社が株式を取得するのは製造会社のスタイロン・アジア社(香港)および販売会社の斯泰隆石化有限公司(中国江蘇州)で、取得金額は未公表。今後の同社と旭化成ケミカルズのパートナーシップに変更はないとしている。 (2006年8月9日付日刊自動車新聞より)

開発動向

開発拠点

-2006年11月、ダウ・ケミカル日本は、自動車、エレクトロニクス向け素材などを手がける総合開発拠点「ダウ日本開発センター」を川崎市に開設すると発表した。稼働は07年上期の予定で、機能ごとに国内に分散していた開発部門を新センターに集約する。米ダウ・グループは、今年4月に自動車専門のテクニカルセンターを川崎市に新設するなど、日本における研究開発体制の再構築を進めていた。その一環として、日本開発センターを設立する。これに合わせて御殿場研究所を閉鎖、スタッフを川崎に移転する。(2006年11月17日付日刊自動車新聞より)

-2006年11月、上海・浦東地区の張江ハイテクパークに新設する「ダウ・センター」の建設に着手したと発表した。敷地面積は6万5千平方メートルで、08年に完成する。05年の同社の中国とその周辺地域を含む売上は、23億ドル(約2700億円)で、米国、ドイツに次ぐ第3位の売上地域として成長を続けている。これを受けて中国およびアジア各国で急速に高まる顧客ニーズに対応するための総合事業施設として機能し、数百人の科学者が自動車、建材、健康衛生など広範囲な研究開発を行う。 (2006年11月4日付日刊自動車新聞より)

-2006年6月、木、革、デニムなどさまざまな天然素材を射出成形の段階でプラスチック表面に張り付ける生産手法など関する技術開発センターを、中国・上海に開設し、2006年8月に稼働する。自動車の内装やパソコン、家電の筐体などの装飾で、これを機に日本を始めとするアジアでの提案を活発化し、新規需要の吸収を目指す。「エックスオー」という装飾技術で、色の異なる樹脂を組み合わせて見栄えを高める成形手法"2色成形"を応用して開発した。既にパソコンなどで採用実績がある。自動車向けは現在、開拓中で、ドアトリムやステアリングホイールなどへの採用が有力としている。(2006年6月12日付日刊自動車新聞より)

設備投資

海外投資

<タイ>

-2008年2月、自動車産業の需要増に対応するため、タイに特殊エラストマー(熱可塑性樹脂)工場を新設すると発表した。同社とタイのサイアムセメントグループ(SCG)による合弁、「SCG-ダウグループ」がタイのマプタプット製造所に建設するもので、2011年に稼働を開始する。生産量を引き上げるのは高機能プラストマーおよびエラストマーで、アジア太平洋地域の顧客に供給する。この中のポリオレフィンエラストマー「エンゲージ」は、柔軟性と強じん性を併せ持つことから、自動車の車内・外装部品向けの出荷が多い。増産により日本および韓国の自動車産業からの旺盛な需要に対応する。(2008年2月8日付日刊自動車新聞より)


<ドイツ>
-2007年6月、ドイツ・Schkopauに、SSBR(溶液重合スチレン・ブタジエンゴム)の新工場を建設中であると発表した。同工場は、2008年下期に竣工予定で、生産能力60キロトンを誇る世界最大級の生産施設となる見通し。ゴム製品市場では、SSBRの需要が急速に伸張しており、今後数年にわたり、年率5-6%程度の伸びが見込めるという。(2007年6月12日付プレスリリースより)

<中国>
-2006年8月、自動車の塗装などに使用されるエポキシ樹脂の中国事業を強化すると発表した。今後5年間で2億ドル超の追加当時を実施、現地に年産10万トンの液状エポキシ樹脂(LER)工場や、同15万トンのエピクロルヒドリン(ECH)工場を新設する。それぞれ2010年までの稼働を予定する。LERについては、特殊エポキシ樹脂を生産している張家港・揚子江国際科学公園の拠点内に専用工場を建設する。また、同拠点では自動車向けなどの特殊エポキシ樹脂の生産能力を現在の4万1千トンから、08年に7万5千トンへ増強する予定。(2006年8月11日付日刊自動車新聞より)

国内投資

-2007年時点では、Midland(ミシガン州)およびSchkopau(ドイツ)の生産設備建設も主要プロジェクトとして進行中。

-2006年11月、自動車用塗料などの原材料に使用されるアリルクロライドの生産体制を強化すると発表した。フリーポート石化コンビナート(米テキサス州)の生産拠点に1600万ドルを投資、年産能力を2万2千トン増、36万トンに拡大する。新設備の稼働は07年第3四半期を予定する。(2006年11月29日付日刊自動車新聞より)