武蔵精密工業 (株) 2011年3月期の動向
ハイライト
業績 |
(単位:百万円) |
2011年 3月期 |
2010年 3月期 |
増減率 (%) |
要因 | |
全社 | ||||
売上高 | 127,026 | 107,816 | 17.8 | 1) |
営業利益 | 12,767 | 5,616 | 127.3 | - |
経常利益 | 12,705 | 5,898 | 115.4 | - |
当期純利益 | 9,185 | 3,561 | 157.9 | - |
要因
1)
-経営計画達成のため諸施策を積極的に展開。
<日本>
-主要販売先の増産に伴う販売増により、売上高は35,161百万円(同8.6%増)。セグメント利益は1,904百万円(同136.8%増)。
<北米>
-四輪車用製品の販売が増加。売上高は22,962百万円(前連結会計年度比24.1%増)。セグメント利益は326百万円。
<欧州>
-四輪車用製品の販売が増加。売上高は6,271百万円(前連結会計年度比4.7%増)、セグメント利益は603百万円。
<アジア>
-二輪車用製品の販売が増加。売上高は43,361百万円(前連結会計年度比28.0%増)、セグメント利益は6,558百万円(同76.8%増)。
<南米>
-二輪車用製品の販売が増加。売上高は19,267百万円(同12.9%増)、セグメント利益は2,521百万円(同65.9%増)。
受注
-ハンガリー子会社Musashi Hungary Mfg. Ltd.は、JaguarのV6DOHCエンジン向けカムシャフトを受注。2012年5月より年間21万6000個(5万4000セット)を納入する予定。(2010年4月28日付プレスリリースより)-タイ子会社Musashi Auto Parts Co., Ltd.は、日産の世界戦略車向けステアリングボールジョイントを受注。2010年2月よりジェイテクトタイランド社経由で納入を開始しており、年間供給量は32万個(8万セット)を見込んでいる。また、Fordからはピックアップトラック用べべルギヤを受注した。この製品は2011年5月より、 Dana経由で年間30万個を納入する計画。(2010年4月28日付プレスリリースより)
開発動向
研究開発費 |
(単位:百万円) |
2011年3月期 | 2010年3月期 | 2009年3月期 | |
全社 | 1,337 |
1,240 | 1,346 |
研究開発体制(単位:百万円)
担当部門 | 役割 | 要員 | 研究開発費 |
開発部 |
-シャシー系、エンジン系、駆動系商品の開発 -次世代商品に向けた技術開発 -知的財産の管理 |
81名 | 880 |
生産技術部 | -新生産技術方案の研究開発 | 59名 | 74 |
九州武蔵精密(株) 技術部生産技術課 |
-二輪、汎用ギヤ、カムシャフト等の 生産技術に関する研究開発 |
32名 | 382 |
研究開発活動
-2010年4月に第一開発部と第二開発部を統合し開発部とした。シャシー系商品開発
-主要客先の機種開発に対応し、ほぼ計画通りの提案及び開発を実施した。インドでのボールジョイント生産のため、現地鋼材を活用した仕様・製法を開発・評価し、量産化に向けた準備をしている。また、コスト削減に特化した先行開発から量産化に向けたフェーズに移行する技術が複数創出されてきており、今後の機種開発へ順次適用を計画している。
エンジン系商品開発
-独自のカム成形方法と結合方法を特長としたユニークな組立式カムシャフトが量産化。
駆動系商品開発
-デフにおいて、独自の3次元歯形によるベベルギヤの小型化&高精度により、デフケース形状も最適化した2ピニオンタイプの軽量デフアッセンブリィの開発、シリーズ化に注力している。
-主要客先よりデフアッセンブリィを受注し、現在は量産化に向けて準備中の段階。
先進技術開発
-要素技術開発の領域では、同社コア技術である塑性加工技術と材料を複合するマルチマテリアル技術を強力に推進している。
-愛知県の推進する「知の拠点」重点研究プロジェクトに参画。「低環境負荷型次世代ナノ・マイクロ加工技術の開発プロジェクト」が採択された。
-ハイブリッド車や電気自動車、電動二輪車向けの新商品、新技術の開発に着手。
生産技術開発関連
-生産技術部と九州武蔵精密株式会社が連携して、グローバルでの市場の環境変化に柔軟かつ迅速に対応する体制を編成した。塑型、加工、熱処理、組立までの一貫生産の強みを強化した。
-高強度材デファレンシャルピニオンギヤの冷鍛化による小型化・軽量化。
-組立式カムシャフトラインの複合加工によるセル化。
-逆テーパー形状のDOG歯一体ギヤの塑型技術の確立など、金型設計および内製技術の更なる進化を推進。
-足廻り系において、ラックエンドスタッドの機械加工から表面仕上げ工程を集約し一工程化する新生産技術を確立。
-ボルトオンボールジョイントハウジングの熱間鍛造技術を深化させ、ピアスとトリミングの同時加工技術により工程を集約し、これを海外展開。
技術援助契約
(2011年3月31日現在)
相手方の名称(国名) | 契約品目 | 契約内容 | 契約期間 |
Musashi Auto Parts Michigan Inc. (米国) |
四輪・二輪自動車及び汎用製品で随時決定される特定部品 | 1.「特定部品」の製造・組立・販売に関する技術援助 2.工業所有権の提供 |
1994.02.01-1999.01.31 以降1年ごとの自動更新 |
Musashi Auto Parts Co., Ltd. (タイ) |
四輪・二輪自動車及び汎用製品で随時決定される特定部品 | 1.「特定部品」の製造・組立・販売に関する技術援助 2.工業所有権の提供 |
1987.12.28-1992.12.27 以降1年ごとの自動更新 |
P. T. Musashi Auto Parts Indonesia (インドネシア) |
四輪・二輪自動車及び汎用製品で随時決定される特定部品 | 1.「特定部品」の製造・組立・販売に関する技術援助 2.工業所有権の提供 |
1996.05.08-2001.05.07 以降1年ごとの自動更新 |
Musashi Auto Parts Canada Inc. (カナダ) |
四輪・二輪自動車及び汎用製品で随時決定される特定部品 | 1.「特定部品」の製造・組立・販売に関する技術援助 2.工業所有権の提供 |
1998.01.01-2002.12.31 以降1年ごとの自動更新 |
Musashi Hungary Mfg. Ltd. (ハンガリー) |
四輪・二輪自動車及び 汎用製品で随時決定 される特定部品 |
1.「特定部品」の製造・組立・販売に関する技術援助 2.工業所有権の提供 |
2001.01.01-2005.12.31 以降1年ごとの自動更新 |
Musashi do Brasil Ltda. (ブラジル) |
四輪・二輪自動車及び汎用製品で随時決定される特定部品 | 1.「特定部品」の製造・組立・販売に関する技術援助 2.工業所有権の提供 |
2008.11.01-2013.10.31 まで5年間 |
Musasi Auto Parts India private Ltd. (インド) |
四輪・二輪自動車及び汎用製品で随時決定される特定部品 | 1.「特定部品」の製造・組立・販売に関する技術援助 2.工業所有権の提供 |
2003.04.01-2004.03.31 以降1年ごとの自動更新 |
Musashi da Amazonia Ltda. (ブラジル) |
四輪・二輪自動車及び汎用製品で随時決定される特定部品 | 1.「特定部品」の製造・組立・販売に関する技術援助 2.工業所有権の提供 |
2009.11.01-2014.11.01 まで5年間 |
武蔵精密汽車零部件 (中山)有限公司 [Musashi Auto Parts (Zhongshan) Co., Ltd.] (中国) |
四輪・二輪自動車及び汎用製品で随時決定される特定部品 | 1.「特定部品」の製造・組立・販売に関する技術援助 2.工業所有権の提供 |
2006.0101- 2015.12.31 まで10年間 |
設備投資
設備投資額 |
(単位:百万円) |
2011年3月期 | 2010年3月期 | 2009年3月期 | |
全社 | 9,705 |
6,669 | 12,646 |
ボールジョイント生産設備 | - |
251 | 598 |
カムシャフト生産設備 | - |
858 | 1,661 |
ギヤー等生産設備 | - | 4,124 | 7,927 |
-新機種、合理化及び増産対応等のため、総額9,705百万円の設備投資を実施。
<日本>
-新機種対応として477百万円、合理化投資として286百万円、増産対応として271百万円等、合わせて1,979百万円の設備投資を実施。
<北米>
-合理化投資として370百万円、新機種対応として179百万円等、合わせて1,030百万円の設備投資を実施。
<欧州>
-増産対応として48百万円、新機種対応として28百万円等、合わせて115百万円の設備投資を実施いたしました。
<アジア>
-増産対応として2,589百万円、新機種対応として355百万円、合理化投資として345百万円等、合わせて5,501百万円の設備投資を実施いたしました。
<南米>
-既存設備の更新として204百万円、増産対応として196百万円、新機種対応として79百万円、合理化投資として71百万円等、あわせて1,078百万円の設備投資を実施。
海外投資
<インド>-インド子会社Musashi Auto Parts (India) Pvt. Ltd. (MAP-ID)の工場を拡張する。同拠点では現在、二輪車用ギアやカムシャフトを生産中。今回の拡張決定は、四輪車部品市場への早期進出を視野に入れたものという。なお、増設工事は2011年末までに完了する計画。(2010年10月29日付プレスリリースより)
<中国>
-中国子会社武蔵精密汽車零部件(中山)有限公司(MAP-CH)における生産能力を増強。MAP-CHは広東省中山市に拠点を置き、四輪車用オー トマティックトランスミッションギアを生産している。2011年末までに工場増設を完了し、2013年末までに年産能力80万台体制を整える計画。 (2010年10月29日付プレスリリースより)
<インドネシア>
-インドネシア子会社P. T. Musashi Auto Parts Indonesiaのカラワン県第2拠点の操業を開始。現在ブカシ県で行っている四輪車用オートマティックトランスミッションギアの生産を、 2011年上期中に第2拠点へ移管・集約する。(2010年10月29日付プレスリリースより)
設備の新設計画
(2011年3月31日現在)
地域 | 計画金額(百万円) | 設備等の主な内容・目的 |
日本 |
2,200 |
新機種対応、商品開発力の強化、省人化 |
北米 | 900 | 新機種対応、合理化、増量対策 |
欧州 | 250 | 既存設備の更新、合理化 |
アジア | 8,200 | 増量対策、新機種対応 |
南米 | 1,450 | 合理化、増量対策 |