富士機工 (株) 2014年3月期の動向
ハイライト
業績 |
(単位:百万円) |
2014年 3月期 |
2013年 3月期 |
増減率 (%) |
備考 | |
全社 | ||||
売上高 | 104,003 | 103,068 | 0.9 | -シート事業で減収となったものの、ステアリングコラム、パワートレイン事業で増収。 |
営業利益 | 7,052 | 5,476 | 28.8 | - |
経常利益 | 7,554 | 5,905 | 27.9 | - |
当期純利益 | 4,144 | 3,486 | 18.9 | - |
会社設立
<ドイツ>-デュッセルドルフ郊外のヴッパータール市に、米国のフィッシャーダイナミクス社 (以下、フィッシャー) と共同でシート機構部品などを製造・販売する合弁会社を設立すると発表。新会社「富士機工・フィッシャーダイナミクス・オートモーティブ・ヨーロッパ」を富士機工が51%、フィッシャーのドイツ法人が49%を出資し、資本金200万ユーロで2月に設立する。欧州の製造拠点は4カ所目。新拠点の設立により、欧州でシート部品の販売を拡大する。(2014年1月30日付日刊自動車新聞より)
<中国>
-福建省福州市に、自動車用シートの機構部品などの営業、開発を行う合弁会社を9月30日付で設立すると発表。中国市場でのシェア拡大に向け、特に民族系メーカーへの販売拡大を目指した開発体制を現地で整える。新会社「富昌 (福州) 汽車部件開発有限公司」を富士機工が70%、英領バージンアイランド信昌国際投資有限公司が30%を出資し、資本金50万ドル (約5千万円) で設立し10月から営業を始める。新会社はシートの機構部品のほか、シフター部品やその他部品の開発、営業を行う。(2013年8月2日付日刊自動車新聞より)
<メキシコ>
-アグアスカリエンテス市近郊にAT (オートマチックトランスミッション) のシフターなどを製造・販売する新会社を設立すると発表した。市場拡大が見込まれるメキシコで、現地のニーズに合致した製品を供給する。新会社「Fujikiko Mexico, S.A. de C.V.」は富士機工が全額を出資し、資本金260万ドル (約2億5,480万円) で9月に設立する。2015年に生産を開始し、北中南米の日系自動車メーカーに販売する。(2013年6月25日付日刊自動車新聞より)
事業再編
鷲津工場、シート機構部品・ステアリングコラムを生産終了-主力工場の一つである鷲津工場 (静岡県湖西市) でのシート機構部品の生産を2014年度中に終了する。国内生産体制の再編に伴うもので、同工場で生産している製品は関東、中部、九州の各地区の工場に移管する。ステアリングコラムも新居工場 (静岡県湖西市) に移し、鷲津は熱処理などの一部工程を残し、生産活動の大半を同年度中に終了する。国内工場は自動車生産台数の減少、受注品の多品種少量化によって、操業度が大幅に低下していた。再編によりラインを集約して操業度を引き上げる。(2013年12月3日付日刊自動車新聞より)
2015年3月期の見通し |
(単位:百万円) |
2015年3月期 (予測) |
2014年3月期 (実績) |
増減 (%) |
|
売上高 | 104,000 | 104,003 | (0.0) |
営業利益 | 6,700 | 7,052 | (5.0) |
経常利益 | 7,000 | 7,554 | (7.3) |
当期純利益 | 4,800 | 4,144 | 15.8 |
開発動向
研究開発費 |
(単位:百万円) |
2014年3月期 | 2013年3月期 | 2012年3月期 | |
ステアリングコラム事業 | 1,162 | 991 | 914 |
シート事業 | 487 | 492 | 489 |
パワートレイン事業 | 206 | 348 | 319 |
合計 | 1,856 | 1,831 | 1,722 |
研究開発体制
-研究開発活動は同社が中心に実施。-海外子会社に関しては、同社が主として開発試作段階までの基本開発支援を行い、量産試作からは子会社が車両適用開発を実施。
-試作および実験を含め、335名が研究開発に携わっている。
-2014年3月末現在の産業財産権の総数は410件 (国内175件、海外235件)。
研究開発活動
ステアリングコラム事業-ステアリングコラムに要求される機能・性能を最も合理的な機構・構造で実現するために、塑性加工技術の水準向上をはかりコスト低減、軽量化および安全性・商品性の向上に取り組んでいる。
-グローバル化に対応し、日、米、欧の三極開発体制強化を図り、米国・欧州の顧客も考慮した競争力の強化と品揃えの充実に取り組んでいる。
-自動車メーカーおよびシステムメーカーと走行性能向上に関する将来技術、製品の開発を共同で実施。
シート事業
-シートのリクライナー、ハイトアジャスター、スライド、ロックをはじめとするシート機能のコア部品開発およびシステム開発を実施。環境対策と安全・快適性ニーズの高まりを受けて、小型・軽量・高強度・高機能化とコスト低減活動に取り組んでいる。
-中国での現地化に対応するため、中国開発拠点を設立し、現地材料・工法での開発を実施。
-車両の使い勝手向上のため、RV車等のシートアレンジ対応製品開発に取り組み、多様化する顧客のニーズを満たす製品開発に取り組んでいる。
-株式会社タチエスとは、開発スピードの短縮等シナジー効果を狙って、設計陣の相互受入れによる共同開発を実施。
パワートレイン事業
-シフター部品については、A/Tシフターの構造合理化によるコスト低減・軽量化に取り組み一段の競争力強化を図るため、普及型シフター開発に取り組んでいる。また、操作感、操作音などの操作フィール改善を図る商品力向上対応、将来の小型化対応に備えた商品開発も推進中。
-ドライブプレート等の機関駆動部品については、コスト低減・軽量化に取り組み一段の競争力強化を図るため、独自の塑性加工技術と解析技術、ノウハウを活用した開発に継続的に取り組んでいる。
-大型車部品については、M/T、A/Tコントロール部品を中心に、顧客の仕様を基本とした開発を実施。
技術導入契約 |
(2014年3月31日現在) |
国名 | 契約先 | 内容 | 契約期間 |
リヒテンシュタイン | ステアリング・コラムの特許クロスライセンス契約 | 2007年7月30日 - 2017年4月17日 |
技術供与契約 |
(2014年3月31日現在) |
国名 | 契約先 | 内容 | 契約期間 |
台湾 | 台湾厚木工業股份有限公司 [Taiwan Atsugi Co., Ltd.] |
ステアリング・コラムの製造技術 | 1992年10月6日 - 2014年10月5日 (自動継続) |
台湾 | 信昌機械廠股份有限公司 [Hsin Chong Machinery Works Co., Ltd.] |
シート・リクライニング機構の製造技術 | 2008年3月18日 - 5年間又は該当車種の製造期間 |
スペイン | Ficosa International S.A. | ATシフタ―の製造技術 | 2011年6月20日 - 該当車種の製造期間 |
設備投資
設備投資額 |
(単位:百万円) |
2014年3月期 | 2013年3月期 | 2012年3月期 | |
ステアリングコラム事業 | 3,512 | 2,306 | 1,413 |
シート事業 | 1,941 | 2,464 | 538 |
パワートレイン事業 | 256 | 334 | 154 |
その他 | - | - | 140 |
合計 | 5,710 | 5,105 | 2,246 |
-2014年3月期は、メキシコやタイ等の新興国における生産能力増強および北米、欧州の新規受注による生産体制整備等を実施した。
設備の新設・改修計画 |
(2014年3月31日現在) |
会社名 事業所名 |
所在地 | 事業 | 投資予定金額 (百万円) |
着手 | 完了 | 完成後の 増加能力 |
新設 | ||||||
同社 鷲津工場 |
静岡県 湖西市 |
シート事業 | 962 | 2013年 8月 |
2015年 3月 |
変動なし |
同社 新居工場 |
静岡県 湖西市 |
ステアリングコラム事業 | 1,806 | 2013年 6月 |
2015年 3月 |
変動なし |
同社 本庄工場 |
埼玉県 本庄市 |
パワートレイン事業 | 111 | 2013年 6月 |
2015年 3月 |
変動なし |
Fuji Autotech France S.A.S | フランス バランティネ市 |
ステアリングコラム事業 | 708 | 2014年 4月 |
2015年 3月 |
変動なし |
Fujikiko Tachi-S Mexico, S.A. de C.V. | メキシコ アグアスカリエンテス州 |
シート事業 | 631 | 2014年 4月 |
2015年 3月 |
変動なし |
改修 | ||||||
同社 鷲津工場 |
静岡県 湖西市 |
シート事業 | 7 | 2014年 8月 |
2014年 11月 |
変動なし |