新神戸電機 (株) 2011年3月期の動向

ハイライト

業績

(単位:百万円)
  2011年
3月期
2010年
3月期
増減率
(%)
要因
売上高 92,032 72,839 26.3 -
営業利益 7,022 5,264 33.4 -
経常利益 7,007 4,618 51.7 -
当期純利益 4,507 2,740 64.5 -

新会社設立

-タイに新会社「Hitachi Storage Battery (Thailand) Co., Ltd.」(仮称)を設立すると発表。自動車用鉛蓄電池を製造し、環境対応・低燃費ガソリン車や新興国向け車両に供給する計画。2010年8月中の設立を予定しており、資本金約1,000百万円は新神戸電機が全額出資する。なお、生産は2012年4月から開始の予定。(2010年5月27日付プレスリリースより)

部門別業績 (単位:百万円)


2011年3月期
売上高 営業利益
電池・電気機器部門 57,177 4,645
コンデンサ部門
15,244 775
合成樹脂製品部門 19,611 1,584

1.電池・電気機器部門
自動車用電池
-修理用は発電制御車対応バッテリー"Tuflong ECO(タフロング エコ)"と当年度第3四半期に発売した軽自動車専用バッテリー"Tuflong Mini(タフロング ミニ)"等の高付加価値製品の販売が好調。
-新車用はエコカー補助金、減税に伴う自動車生産台数の増加とともに、環境対応車であるアイドリングストップ車用及びオルタメーター回生車両用電池の搭載車種が好調。

2.コンデンサ部門
その他
-フィルムコンデンサは車載用途の回復や建設機械、新エネルギー向けの新製品が伸長したが、蒸着製品は食品包装用途の需要減により低調。

3.合成樹脂製品部門
成形品
-熱可塑性樹脂成形品、熱硬化性樹脂成形品ともに上期の新車生産が堅調だったことから、9月のエコカー補助金の終了による需要の減少があったものの、前年度実績を上回った。

シート品
-車載用途において新規顧客の開拓を行ったことから増加した。

積層品・シールド板
-半導体市場の縮小やエコカー補助金の終了等による需要の減少により、前年度実績を下回った。


>>>次年度業績予想(売上、営業利益等)

 

2012年3月期の業績予想

(単位:百万円)
  2012年3月期予想 2011年3月期実績 増減率(%)
売上高 92,000
92,032
(0.0)
営業利益 7,000 7,022 (0.3)
経常利益 6,700 7,007 (4.4)
当期純利益 4,200 4,507 (6.8)

開発動向

研究開発費

(単位:百万円)
  2011年3月期 2010年3月期 2009年3月期
研究開発費(百万円) 2,893
2,525 1,819
研究人員(名) 223
218 185
産業財産権(件)  809 751 769

研究開発体制

-先進的新製品に必要な最先端高度技術の開発については、日立製作所(株)や日立化成工業(株)などの日立グループの研究開発部門との密接な協力体制のもとに開発を推進。

研究開発活動

<電池・電気機器>
-研究開発費は1,667百万円。
-鉛蓄電池とリチウムイオン電池を中心に、自動車用電池の補修市場や自動車用次期新システムに対応また産業用新規用途に即応する新製品開発を、電池研究開発センタ、産業リチウムイオン電池開発センタおよび日立ビークルエナジー(株)で実施。
-開発した新製品は、アイドリングストップ車用バッテリー(タフロング・エコーIS)、軽自動車用バッテリー(タフロング・ミニ)、大型円筒形リチウムイオンキャパシタ。

-大型の円筒形リチウムイオンキャパシタを開発した。今回の開発により、ハイブリッド建設機械や瞬時電圧低下対策電源、自動搬送車、ISS(アイドリングストップシステム)用補助電源、電力回生等の用途に最適な蓄電デバイスの実現を可能にした。従来のリチウムイオンキャパシタは、極板を重ねたラミネート型か小型円筒形の製品に限られており、厳しい駆動環境での使用が可能なより強固で耐久性の高い大型円筒形の製品が求められていた。今後は、出力を1.5倍以上に高めた製品やエネルギーを1.7倍以上に高めた製品を2011年第2四半期に投入する。また、月産数千セルレベルの製造能力を、2012年度までに月産数万セルに引き上げる計画。(2011年2月3日付プレスリリースより)

<コンデンサ部門>
-研究開発費は245百万円。
-高耐圧・大電流対応・小形・大容量を特徴としたパワーエレクトロニクス用製品の開発を、日立エーアイシー(株)の芳賀工場及び新町工場で実施。
-開発した新製品は、大容量スナップイン形アルミ電解コンデンサ、金属ケース形フィルムコンデンサ。

<合成樹脂製品>
-研究開発費は979百万円。
-積層品、成形品、シート品など短期で急速な技術革新が進む市場へ新製品を投入する研究開発を、樹脂研究開発センタ及び彦根事業所開発センタが中心に実施。

技術導入契約

(2011年3月31日現在)

相手先 国名 契約内容 契約期間
パナソニック・ストレージ・バッテリー(株) 日本 鉛蓄電池に関する特許権及び技術ノウハウの実施権の取得 2004年7月1日 - 2014年6月30日

設備投資

設備投資額

(単位:百万円)
  2011年3月期 2010年3月期 2009年3月期
全社 6,057
2,975 3,908

-電池・電気機器製品においては、産業用リチウムイオン電池の量産、新エネルギー向け産業用鉛蓄電池の増産、タイに設立した子会社における工場建設等に4,026百万円を投資。
-コンデンサ部門においては、アルミ電解コンデンサの増産などに324百万円を投資。
-合成樹脂製品においては、次世代複合電装成形品の量産などに1,522百万円を投資。

設備の新設計画

会社名/事業所
(所在地)
設備の内容 投資予定
総額
(百万円)
着手年月 完了予定
年月
彦根事業所 及び 名張事業所
(滋賀県彦根市 及び 三重県名張市)
産業用リチウムイオン電池生産設備 1,342 2010年4月 2011年6月
埼玉事業所
(栃木県真岡市)*
リチウムイオンキャパシタ生産設備 635
2011年3月 2012年1月
Hitachi Storage Battery (Thailand) Co., Ltd.
(タイ チャチューンサオ県)
電池製造設備 1,980 2010年8月 2011年8月

*埼玉事業所管轄のもと、栃木県真岡市にある日立エーアイシー(株)の芳賀工場に設置する予定。