三菱電機_2009年3月期の動向

ハイライト

業績 (単位:百万円)
- 2009年
3月期
2008年
3月期
増減率 備考
全社
売上高 3,665,119 4,049,818 (9.5%) 全事業セグメントで減収となる。
営業利益 139,728 267,205 (47.7%) -
当期純利益 12,167 157,977 (92.3%) -
産業メカトロニクス事業
売上高 851,688 1,017,503 (16.3%) 自動車機器事業は、第2四半期までは日系自動車メーカーの好調な生産に支えられたが、2008年9月以降の世界的な需要激減により、受注・売上ともに前年度を下回った。
営業利益 49,934 129,257 (61.4%) 売上減少等による減益。 

経営戦略 (2009年5月発表)

自動車機器事業においては、グローバル戦略を強化。

製品競争力、事業競争力の強化

-オルタネータ・スタータは、小型・軽量・高出力の世界トップレベルの技術により、グローバルシェアを拡大する。(オルタネータ : 約17%、スタータ : 約20%)

-電動パワーステアリング用モータ・コントローラは、軽自動車から普通車まで幅広いラインアップを揃え、世界No.1シェア(約40%)を維持する。

-燃費改善を目指した「ISS/MG」、「HEV/EV用IPU」等の開発を加速する。

-カーマルチメディアは、シナジーを活かした同社の総合技術力により製品開発力を強化するとともに、顧客へのきめ細かな対応によりグローバル事業を拡大。


グローバル事業推進体制の強化

-日本では、オルタネーター、スターター、カーマルチメディア等の生産体制を拡充する計画。

-中国、タイ、インドネシア、フィリピン、インドで生産販売体制を強化する。

-北米、ブラジル、中東欧、ロシアで生産体制を強化する。

経営目標

-シナジーを活かした、強い電機・電子事業の複合体を目指す。

項目 目標 2009年
3月期
備考
営業利益率 5%以上 3.8%
2005年3月期:3.3%
2006年3月期:4.1%
2007年3月期:5.7% (達成)
2008年3月期:6.5% (達成)
ROE
(株主資本
利益率)
10%以上 1.3%
2005年3月期:10.8% (達成)
2006年3月期:11.5% (達成)
2007年3月期:12.3% (達成)
2007年3月期:15.1% (達成)
借入金比率 15%以下 20.3% 2005年3月期:23.9%
2006年3月期:20.9%
2007年3月期:18.6%
2008年3月期:15.8%

開発動向

研究開発体制

-国内研究所、海外研究所(米、欧)および製作所・連結子会社の開発部門において、基礎研究から応用研究、製品化開発、生産技術開発を行っている。また、国内外の大学、研究機関等と連携した研究開発活動も推進。

-産業メカトロニクス事業では、自動車用電装品、電動パワーステアリングおよびその関連製品、カーマルチメディア機器などの競争力強化に向けた開発を行っている。

-自動車機器部門の研究開発体制

拠点名 所在地 備考
自動車機器開発センター 兵庫県姫路市 応用開発
姫路製作所 兵庫県姫路市 製品開発
三田製作所 兵庫県三田市 製品開発
福山製作所 広島県福山市 製品開発

研究開発費 (単位:億円)
- 2009年3月期 2008年3月期 2007年3月期
全社 1,444 1,487 1,327
産業メカトロニクス事業 377 370 282
割合 26.1% 24.9% 21.3%

研究開発活動 (2009年3月期)

高速で描画処理が可能な小型IPコアを開発。表示パネルはさまざまな組み込み機器のユーザーインターフェースに使用されている。しかし、スペースに限りがあることや消費電力に制限があることからこれまでは表示スペックを落とさざるを得なかった。新開発のIPコアは、こうした課題を克服する。表示パネルのグラフィックの質を向上し、素早い情報処理が可能となった。同社は今後、カーナビなど車載用表示器を始めAV機器、鉄道用表示器など新開発IPコアの普及を加速する。IPコアは回路構成を表した設計情報。同社が新開発したIPコアは、ユーザーインターフェースの水準を高度化できる可能性を持つとしている。独自開発の文字描画技術「サフロン(Saffron)」を演算能力の低いCPUでも処理できるよう改良。解像度に見合った高度な表示能力が得られる「ベクターグラフィックス」を高速に処理できるIPコア「セサミクロ(Sesamicro)」を開発した。(2009年2月14日付日刊自動車新聞より)

設備投資

設備投資額 (単位:百万円)
- 2009年3月期 2008年3月期 2007年3月期
全社 150,128 159,370 153,423
産業メカトロニクス事業 44,655 50,230 43,358
割合 29.7% 31.5% 28.3%

2009年3月期、産業メカトロニクス事業では自動車機器およびFA機器における合理化などを目的とした投資を行った。

設備投資計画 (単位:百万円)
- 2010年3月期 主な内容・目的
全社 120,000 -
産業メカトロニクス事業 26,500 自動車機器の合理化など
割合 22.1% -

産業メカトロニクス事業では、自動車機器およびFA機器の増産等を目的とした投資を行う計画。