(株) ジェイテクト 2010年3月期の動向
ハイライト
業績 |
(単位:百万円) |
2010年 3月期 |
2009年 3月期 |
増減率 (%) |
要因 | |
全社 | ||||
売上高 | 769,682 | 1,017,071 | (24.3) | - |
営業利益 | 425 | 22,370 | (98.1) | - |
経常利益 | (252) | 11,109 | - | - |
当期純利益 | (19,413) | (11,954) | - | - |
機械器具部品事業 | ||||
売上高 | 678,446 | 830,608 | (18.3) | -主に自動車販売の減少によりステアリング、ベアリング・駆動系部品のいずれも減少。 |
営業利益 | 10,229 | 10,837 | (5.6) | - |
受注
-大型車向けに耐久性を向上させた4WD車用電子制御カップリング(ITCC、インテリジェントトルクコントロールカップリング)を開発し、トヨタのレクサス「RX」に搭載された。-スポーツカー用のトルク感応型差動制限装置(トルセン)を開発し、トヨタのレクサス「IS-F」の一部改良車に搭載された。
-高性能FRスポーツ車の走行性能改善をねらいとした駆動系部品「トルクチューブ」を新開発し、2010年末に生産を開始するトヨタのFRスポーツ車「レクサスLFA」に搭載される。
>>>詳細は、開発動向へ
企業買収
-米軸受け最大手のティムケン(オハイオ州)のニードル(針状)軸受け事業を約290億円で買収することで合意したと発表。欧米、中国の生産拠点12カ所、開発拠点3カ所、従業員約3400人の譲渡を受ける。ニードル軸受けは世界の自動車用軸受け市場の2 割を占めるが、ジェイテクトの自動車用軸受け事業の売上高に占める割合は1割と比較的弱い製品だった。事業買収により欧米自動車メーカーや現地進出の日系メーカーへの製品提案力と供給力を高める。ティムケンのニードル軸受け事業の2008年売上高は6億2千万ドル(589億円)。同社は、同事業の買収により自動車用軸受けのシェアでは世界一になる見通し。2009年12月末に買収を完了する予定。(2009年7月31日付日刊自動車新聞より)>>>次年度業績予想(売上、営業利益等)
2011年3月期の見通し |
(単位:億円) |
2011年3月期 | 2010年3月期 | 増減 | |
売上高 | 8,700 | 7,696 | 1,004 |
-機械器具部品事業 | 7,590 | 6,784 | 806 |
営業利益 | 300 | 4 | 296 |
経常利益 | 290 | (2) | 292 |
当期純利益 | 120 | (194) | 314 |
設備投資額 | 280 | 252 | 28 |
地域別売上高 |
(単位:億円) |
2011年3月期 | 2010年3月期 | 増減 | |
日本 | 4,700 | 4,371 | 329 |
欧州 | 1,500 | 1,347 | 153 |
北米 | 1,240 | 941 | 299 |
アジア・オセアニア | 1,100 | 909 | 191 |
その他 | 160 | 127 | 33 |
開発動向
研究開発費 |
(単位:百万円) |
2010年3月期 | 2009年3月期 | 2008年3月期 | |
全社 | 27,410 | 29,056 | 30,857 |
研究開発拠点(国内)
研究開発センター | 奈良県橿原市、大阪府柏原市、愛知県刈谷市 |
製品開発
シャシー関連部品-シャシー関連部品の新技術を相次いで開発したと発表。新構造を採用した高級4WD乗用車用のトルセンを始め、従来品に比べて剛性を50%高めたハブユニット軸受、更に世界初の技術を採用したステアリングシャフトを開発した。これらの製品により、近年の自動車に求められている小型軽量化と操舵安定性のニーズに対応させていくことで売上高拡大につなげる。(2009年5月2日付日刊自動車新聞より)
電子制御カップリング
-大型車向けに耐久性を向上させた4WD車用電子制御カップリング(ITCC、インテリジェントトルクコントロールカップリング)を開発し、量産を開始したと発表。トヨタ自動車のレクサス「RX」に搭載された。ITCC専用高性能オイルを開発することでクラッチ摩耗の抑制と温度安定性を確保。パイロットクラッチの表面にはダイヤモンドライクカーボン(DLC―Si)コーティングを施し耐久性を8倍に引き上げた。クラッチの枚数も従来の7枚から12枚に増やした。同機構の採用により、4WD駆動系の重量を15%軽量化するとともに、負荷能力を従来比2・1倍向上することができる。(2009年5月26日付日刊自動車新聞より)
電動チルト&テレスコピック機能付きコラム式電動パワーステアリング
-大型・上級車向けとして電動チルト&テレスコピック機能付きのコラム式電動パワーステアリング(C―EPS)をアイシン精機と共同開発、量産を開始したと発表。電動チルト&テレスコピックは、ハンドルの高さおよび前後位置をスイッチ操作で適切な位置に調整するとともに、ドライバーの乗降時はハンドルが自動的に退避する。同社は、同機能と電動ステアリング(EPS)機能を世界で初めて一体化した。大型・上級車用として国内外の自動車メーカーに拡販していく。(2009年9月8日付日刊自動車新聞より)
トルク感応型差動制限装置
-スポーツカー用のトルク感応型差動制限装置(トルセン)を開発し、トヨタ自動車が2009年8月に発売したレクサス「IS―F」の一部改良車に採用されたと発表。ギヤの仕様を高容量化しスポーツ車に最適化すると同時に、従来品に比べ8%の軽量化と6%の小型化を図った。(2009年9月29日付日刊自動車新聞より)
デュアルピニオン電動パワーステアリング
-搭載性の大幅な向上と高出力化を図り、中型車への搭載を可能にしたデュアルピニオン電動パワーステアリング(DP―EPS)を開発したと発表。2011年後半から欧州で生産する。従来型のピニオン式EPSに対し出力が20%向上。モータと減速機からなるアシスト機構をハンドル軸から分離しレイアウト性を高めた。アシスト機構はラック軸を中心に自由に回転できる構造とし、ラック軸方向への移動も可能にした。(2009年10月5日付日刊自動車新聞より)
低トルクスラスト針状ころ軸受け
-トランスミッションの小型化に対応した低トルクスラスト針状ころ軸受けを開発したと発表した。高精度プレス技術を採用することで、従来2枚の円環板材でころを保持していた構造を1枚で対応できるようにした。従来比20-30%の軽量化を図るとともに、最大60%の低フリクション化を実現した。2010年に生産を開始し、月間20万個の販売を目指す。売上高目標は年間2億円。自動車メーカーやトランスミッションメーカーに販売する。(10月16日付日刊自動車新聞より)
ハイブリッド変速機向け高速回転玉軸受
-ハイブリッド変速機向け高速回転玉軸受を開発したと発表。ハイブリッド変速機モーターの小型化による出力低下を補う製品で、樹脂製保持器部品2対を玉の両側から弾性かん合することで、遠心力による変形を抑え、高速回転への対応を実現したという。同社は2015年度における本製品の年間売上目標を3億円に設定している。(2009年10月16日プレスリリースより)
トルクチューブ
-高性能FRスポーツ車の走行性能改善をねらいとした駆動系部品「トルクチューブ」を新開発し、第41回東京モーターショーで公開した。トヨタ自動車が2010年末に生産を開始するFRスポーツ車「レクサスLFA」に搭載される。LFAは前後重量バランスの最適化をねらいエンジンをフロントに、変速機を後軸付近にそれぞれ配置するトランスアクスルというレイアウトを採用した。こうした構造では出力の伝達ロスが生じやすくなりがちだが、高強度なスチール製パイプでエンジン、変速機を結合する構造を採用することなどによって剛性を向上し、弱点解消につなげた。(2009年10月30日付日刊自動車新聞より)
設備投資
設備投資額 |
(単位:百万円) |
2010年3月期 | 2009年3月期 | 2008年3月期 | |
全社 | 25,248 | 51,104 | 58,912 |
機械器具部品事業 | 22,432 | 44,204 | 54,411 |
設備の新設
(2010年3月31日現在)
事業所名 | 所在地 | 設備の内容 | 投資予定 総額 (百万円) |
着手 | 完了 予定 |
国分工場 | 大阪府 柏原市 |
機械器具部品製造設備等 | 1,300 | 2010年 4月 |
2011年 3月 |
徳島工場 | 徳島県 板野郡 |
機械器具部品製造設備等 | 1,000 | 2010年 4月 |
2011年 3月 |
田戸岬工場 | 愛知県 高浜市 |
機械器具部品製造設備等 | 900 | 2010年 4月 |
2011年 3月 |
ダイベア(株) 本社・和泉工場ほか |
大阪府 和泉市 |
機械器具部品製造設備等 | 700 | 2010年 4月 |
2011年 3月 |
JTEKT Automotive Dijon Saint- Etienne S.A.S. | フランス ディジョン市 |
機械器具部品製造設備等 | 1,300 | 2010年 1月 |
2010年 12月 |