クラリオン株式会社 2007年度の動向

ハイライト

2008年3月期のハイライト

業績
(単位:
百万円)
2008年
3月期
2007年
3月期
増減率 要因
全社
売上高 246,806 181,041 36.3% -
営業利益 5,465 3,072 77.9% -
経常利益 4,986 2,052 143.0% -
当期純利益 1,378 (784) - -
自動車機器事業
売上高 217,522 161,786 34.5% 国内外市販市場での販売激化による販売価格の下落および国内車両販売台数の伸び悩み等があったが、国内外OEM市場における売上が堅調に推移。
営業利益 4,330 1,648 162.7% 原材料価格の上昇および開発費投資の増加等があったものの、増収による収益増、販売費および一般管理費比率の改善等により増益を達成。

本社移転

本社事務所・技術センター(さいたま市中央区)が2007年7月31日に竣工。地上10階、延べ床面積約19,047平方メートル。これを機に、車載情報端末の商品開発力、技術力、提案力を強化し、オートモーティブシステム事業における日立製作所との連携強化を含め、車載市場へ向けたソリューション提案を強化していく。(2008年8月8日付日刊自動車新聞より)

受注


スズキの欧州向け新型車「SX4」「スイフト」「エスクード」へ、AVナビゲーションシステムをOEM供給する。同社が欧州市場向け車両に、カーナビゲーションをライン納入するのは初めて。今回のカーナビゲーションは、操作性と視認性を追求した大型7インチのタッチパネル式ディスプレーで、基本ソフト(OS)には「ウインドウズ・オートモーティブ5.0」を搭載した。市場特性に合わせ、欧州30ヶ国の地図、言語は9ヶ国語に対応し、曲名データベースやDVD再生など、AV機能も充実させた。(2007年12月7日付日刊自動車新聞より)

事業再編

同社は2006年に日立製作所の連結子会社化。また2007年には、車載情報通信機器専門メーカーであるザナヴィ・インフォマティックスの完全子会社化を実施。グループ内で、技術開発、購買、生産、品質、営業等の分野における機能と組織の選択と集中を進めている。

同社とザナヴィは、購買・生産機能を同社に統合する。生産機能は子会社のクラリオン製造プロテックに集約。グローバル拠点での生産を視野に入れた最適地生産を目指し、品質やコストなどグループ全体の競争力を強化する。(2007年10月2日付日刊自動車新聞より)

2007年8月、カーオーディオを始めとする車載機器の開発などを手がける子会社2社を解散すると発表。子会社の技術、機能を本体に移管することで、開発業務のスピードアップやコストダウンにつなげるのが狙い。

>>> 詳細は 開発動向 参照

日立製作所と同社は、カーナビゲーションなどの車載情報システム(CIS)開発を受託する、両社の合弁会社HCXを2008年3月31日付で解散する。HCXの開発機能は、同社および同社の完全子会社であるザナヴィ・インフォマティクスに移管。日立と同社はCIS事業の強化に向け、開発体制をクラリオングループに集約する。HCXはカーナビゲーションの共通プラットホームを始めとした、CIS関連製品の開発を目的として、日立、同社、ザナヴィの3社により2000年12月に設立された。(2007年12月12日付日刊自動車新聞より)

事業計画

2007年4月、中期経営方針を発表。2010年3月期の目標を、売上高2,700億円、営業利益率5.0%に設定。

開発動向

研究開発体制

2007年7月、さいたま市に「本社事務所・技術センター」が竣工。車載情報端末の技術・開発力を高めることを主目的とし、エンターテインメント領域やITS(Intelligent Transport System)領域への取り組みを進めるための開発環境を構築。(2007年8月7日付プレスリリースより)

カーオーディオを始めとする車載機器の開発などを手がける子会社2社を解散する。子会社の技術、機能を本体に移管することで、開発業務のスピードアップやコストダウンにつなげるのが狙い。解散するのは、クラリオンエンジニアリング(さいたま市中央区)とクラリオンシステムハウス(同)。両社はハードウェアやソフトウェアに関する技術開発を行ってきた。2007年10月1日付で両社の事業を譲り受け、本体の開発部門に統合する。(2007年8月30日付日刊自動車新聞より)

研究開発費

(単位:百万円) 2008年3月期 2007年3月期 2006年3月期
金額 2,255 975 710

主として要素技術開発や各セグメントにまたがる複合領域に投資しているため、各セグメントに区分されていない。

研究開発活動

(1)車載カメラによる駐車支援および走行支援の高度化

同社グループは、車載カメラの応用技術である俯瞰映像や、予想軌跡線描画の技術を構築してきている。車両の前後左右を確認するだけでなく、車両全周囲の俯瞰システムを実現するASIC(Applicaiton Specific Integrated Circuit)並びに、それに必要な画像処理技術の開発を推進中。

また、水平画角180度以上の範囲が見渡せる超広角カメラの開発を行い、見通しの悪い交差点での安全運転に貢献するよう接近物体検知技術の開発を行っている。

今後は同社グループが保有するカーナビゲーション技術と、日立製作所が保有する画像認識技術を組み合わせて、駐車時および走行時の安全をサポートするITS(Intelligent Transport System)技術の高度化に取り組む計画。


(2)車室内音響技術への取り組み

以下の技術を開発

-人間の聴覚特性に適した音量や、周波数補正を行うオートボリュームコントロール

-異なるメディアやソース間での音量レベル差を補正する技術

-圧縮オーディオの再生音質を改善する音質補完技術

-楽曲の特徴を分析し、聴きたい音楽を自動的に抽出する自動プレイリスト作成機能

-車室内の騒音や音場を車室外で再現する技術

技術導入契約 (2008年3月31日現在)

相手先 国名 内容 契約期間
ディスコビジョン・アソシエイト
(Discovision Associate)
米国 光学系ディスクプレーヤーの製造技術

1994年12月01日~
許諾特許権満了日

財団法人 道路交通情報通信システムセンター 日本 VICS技術情報の使用に関する契約 1995年11月28日~
両当事者での終了確認日

設備投資

設備投資額
(単位:百万円) 2008年3月期 2007年3月期 2006年3月期
全社 6,855 6,074 8,106
自動車機器事業 6,352 5,666 7,748

自動車機器事業 (2008年3月期)

-さいたま新都心の社屋建設
-中国工場の生産能力増強を目的とした生産設備、新機種生産のための金型
等を実施。