アルプス電気 (株) 2010年3月期の動向

ハイライト

業績

(単位:百万円)
  2010年
3月期
2009年
3月期
増減率
(%)
要因
全社
売上高 493,639 538,995 (8.4)

-

営業利益 4,742 (26,524) - -
経常利益 1,676 (23,305) - -
当期純利益 570 (70,064) - -
電子部品事業
売上高 281,252 297,948 (5.6) -
営業利益 395 (20,062) - -

事業概況

AUTO事業本部
-購入支援施策による新車販売台数の底上げや、ハイブリッドカーなど環境対応車への乗り換え需要増加などを背景に、同社製品が搭載されている車種の販売が堅調に推移。売上高は期初の予想に対して増加し、112,500百万円。

国内事業

-タクトスイッチ(R)の生産累計が2009年9月に1000億個を突破したと発表。この部品はカーナビゲーション、カーオーディオ、コントロールパネル周りのボタン操作部などに使われている。(2009年9月14日プレスリリースより)

-2009年10日1日付で技術本部を廃止し、開発テーマを各事業本部に移管すると発表。事業化を加速するのが目的。技術本部は事業構造改革の一環として4月1日に新設。製品に近い応用開発を行っていたため、車載部品を扱うAUTO事業本部など各事業本部に業務を移管することにした。(2009年9月19日付日刊自動車新聞より)

>>>次年度業績予想(売上、営業利益等)

2011年3月期の見通し

(単位:億円)
  2011年3月期 2010年3月期 増減
売上高 5,200 4,936 264
-電子部品事業 2,860 2,741 119
営業利益 240 47 193
経常利益 215 16 199
当期純利益 140 5 135
研究開発費 290 302 (12)
-電子部品事業 124 96 28
設備投資額 180 184 (4)
-電子部品事業 125 119 6

第6次中期経営計画

電子部品事業 (単位:億円)
  2012年3月期 2011年3月期 2010年3月期
売上高 3,300超 3,000超 2,860
営業利益 300超 200超 140
研究開発費 約120 約120 124
設備投資額 約120 約120 125

-自動車関連では、コンポーネント製品群比率の拡大など製品構成の変革を行い、売上高の拡大をめざす方針。

開発動向

研究開発費

(単位:百万円)
  2010年3月期 2009年3月期 2008年3月期
全社 27,843 40,304 42,255
電子部品事業 9,612 13,850 15,015

研究開発体制

AUTO事業本部
-古川工場が中心となり、車室内のインプットデバイス、および車体・駆動制御に使用されるセンサを事業領域に部品からシステム製品までの研究開発を実施。

研究開発拠点

仙台開発センター 宮城県仙台市

研究開発活動

-先進安全車両の実現に向けた技術・製品開発により、ナビゲーションの操作性を向上させた静電センサタイプのタッチパッドモジュール付入力パネルや、内作磁気センサ素子を応用した非接触式の舵角センサ搭載ステアリングモジュールの量産を開始。

-環境に優しい車作りへの貢献として、従来はプラスチック部品にメッキ加工を施して生産していたメタリック部品を、メッキ工程無しで実現したパワーウィンドウスイッチ、はんだレス構造を採用したパワーウィンドウスイッチ、更に部品点数を削減し重量を軽減したエアバッグコネクタ等を市場投入。

-車載エアコンやオーディオ操作部向けのチップLED付き中空軸可変抵抗器「RK39A」を開発し、2009年7月から量産を開始したと発表。2008年12月に開発した内径幅45ミリメートルの小径版で、要望を受けてBプラットホームクラスのコンパクトカー向けに開発した。外側のダイヤルで温度や音量調整を、内側のスイッチでオン・オフの切り替えを行うといった機能的なデザインが可能となる。チップ型LEDを搭載し、赤、アイスブルー、緑、白の色調に対応。LEDをスイッチカバー近くの高い位置に搭載したことで、高い輝度を得られることが特徴。月産30万個を予定。開発は同社古川工場(宮城県大崎市)で、生産は大連アルプス(中国遼寧省大連市)。(2009年7月4日付日刊自動車新聞より)

-ステアリングホイール用に作動力を重くしたスイッチ「SKPRシリーズ」を開発したと発表。運転中に不用意に触れても動作しないよう、5ニュートンの作動力を持たせ、10万回の作動回数に耐える耐久性を持たせた。同社によると、シリコンラバースプリングを採用し5ニュートンの作動力を持たせたステアリングスイッチでは世界最小サイズ。(2010年3月5日付日刊自動車新聞より)

-ステアリング周辺のモジュール部品に複数のボディーコントロール部品を一体化させる開発を始めた。舵角センサーやエアバッグ展開制御装置、キーレスエントリーなどが対象機能で、納入先ごとのニーズに応じて開発した製品を各標準品として、複数の車種に水平展開させる考え。これまで個別に納入していた機能を一体化することで、部品の体積は約半分に減らせる見込み。2013年ごろに発売される車種への搭載を目指す。(2010年3月9日付日刊自動車新聞より)

-ハイブリッド車(HV)や電気自動車(EV)向けの高効率リアクトルを開発する。独自の磁性粉末を用いることで従来の鉄粉のものに比べ、損失を5分の1程度に抑えられる見通し。効率化によって、電力変換装置の発生する熱が抑えられる。電力が有効活用できるため燃費の向上や航続距離の延長につながる。加えて周辺部品を含めた冷却機能を簡略化でき、部品コストの低減や軽量化も可能になる。リアクトルを含めた電力制御装置は、電力制御の高精度化、高効率化に向けて高周波回路の採用が増える傾向にあるため、今後はさらに高周波損失の低いものが求められる。HV・EV向け製品群の柱として、早期の実用化を目指す。(2010年3月25日付日刊自動車新聞より)

設備投資

設備投資額

(単位:百万円)
  2010年3月期 2009年3月期 2008年3月期
全社 18,480 47,202 43,153
電子部品事業 11,914 34,363 26,349

電子部品事業
-コンポーネント事業部での新製品対応や携帯電話向けコンタクトシート、車載用センサ・スイッチ等の増産に対応するため、製造設備へ投資。

設備の新設

事業所名
(所在地)
事業の種類 設備の内容 投資予定
総額
(百万円)
着手年月 完了予定
アルプス電気
古川工場他
(宮城県大崎市他)
電子部品 コンポーネント部品の製造設備等 3,735 2010.04 2011.03
アルプス電気
本社
(東京都大田区)
電子部品 システム関連の設備 1,051 2010.04 2011.03
アルプス電気
長岡工場
(新潟県長岡市)
電子部品 センサの製造設備等 807 2010.04 2011.03
アルパイン
いわき事業所
(福島県いわき市)
音響製品 機械装置、工具器具備品、金型 2,449 2010.04 2011.03