Webasto SE 2015年12月期の動向

近年の動向

業績

-2015年12月期の売上高は2,942百万ユーロ (前年比19.2%増)。

-2015年12月期売上高 事業別内訳

  • サンルーフ/サンルーフ部品 (スライド/パノラマルーフ): 73%
  • サーモ/コンフォート (ヒーター、エアコン): 16%
  • コンバーチブルルーフ: 11%



受注

-Webasto-Edschaは、Ford 「Mustang」向けにコンバーチブルソフトトップを納入していると発表した。2つの電動モーターが10秒以内にソフトトップの開閉を行う。この電気駆 動システムは、従来の油圧駆動式にないメリットを活かして開閉時間を6秒短縮した。(2015年7月9日付プレスリリースより)
-Webasto-Edschaは、BMW 「2 Series Convertible」向けにルーフを納入していると発表した。ルーフは、センターコンソールにあるボタン操作で開く。コンバーチブルトップコンパート メントが開くと、この油圧式ルーフは20秒以内にリアシートの奥にあるトランクに折り畳んで収納される。時速50km以下の走行で開閉操作が可能という。 (2015年5月20日付プレスリリースより)

-Webasto-Edschaは、第3世代のAudi 「TT Roadster」に同社製のソフトトップが搭載されていると発表した。この新開発のソフトトップはマグネシウム、アルミニウム、プラスチックなど軽量素 材を組み合わせている。ボタン操作により、2個の電気モーターを使って全自動でルーフが開く。10秒以内でソフトトップをアルミ製の独立したコンパートメ ントに収納でき、時速50km以下なら走行中にこの操作が可能になるという。(2015年5月11日付プレスリリースより)

-Webastoは、第3世代のDaimler 「smart fortwo」向けに固定式パノラマルーフを生産していると発表した。大きさ1.2平方メートルの透明なルーフパネルは、Bayer MaterialScience製の軽量ポリカーボネート「Makrolon」を使用している。ガラス素材に比べて最大50%の軽量化を実現するという。 このプラスチック製パネルの重さはわずか9.8kg。Webastoは、ドイツのSchierlingにある軽量技術能力センターでこのルーフを生産して いる。(2015年1月12日付プレスリリースより)

受賞

-Webastoは、Fordより「World Excellence Award」の金賞を受賞したと発表した。同社が金賞を受賞するのは今回で3度目。受賞したドイツのSchierling工場は、これまで金賞と銀賞をそ れぞれ2回ずつ受賞しており、Fordからの受賞は今回が5度目となる。同工場では、ポリカーボネートパネルおよびルーフ、軽量安全ガラス 「Webasto Glas ProTec」、ソーラールーフ、ポリウレタン複合素材製のルーフモジュールを生産している。(2015年7月27日付プレスリリースより)

-子会社Webasto Thermo & Comfort North America, Inc. が2015年モデルFord 「Edge Sport」 用の製品開発で 「Ford Outstanding Achievement in Design Award」を受賞。

2016年12月期の見通し

-2016年12月期の売上高は300百万ユーロを超えると予測。

研究開発費

(単位:百万ユーロ)
2015年12月期 2014年12月期 2013年12月期
合計 205 187 189
売上に占める割合 (%) 7.0 7.6 8.3

*数字はIFRS11に準拠し、再計算されている。

製品開発

Cool TOP RTC rooftop air conditioner
-2015年9月、小型・中型バス向けの新たなルーフトップ型エアコン 「Cool Top RTC」 を開発した。これまで最も強力なルーフトップシステムは、冷却能力が18kWの 「Santana L/XL」 で、35席までの小型・中型バス向けに設計されていた。モジュラー型の「Cool Top RTC 250」、「300」、「360」モデルにより、バス向けのラインナップが大幅に拡大した。冷却能力は最大36kW、暖房能力は最大35kWとなる。 (2015年9月23日付プレスリリースより)

マルチオプショナルルーフ (Multi Optional Roof:MOR)
-2015年9月、新しいルーフコンセプト 「マルチオプショナルルーフ (Multi Optional Roof:MOR)」 を発表した。このコンセプトは、1つの車体に複数のタイプのルーフを装備できるもので、これにより開発・生産コストを大幅に削減できるという。製品ラインナップには、大型の開閉式パノラマルーフ、安全ガラス 「Glas ProTec」 ルーフ、優れた耐衝撃性の軽量ポリカーボネート製パノラマルーフ、ポリウレタン複合素材製の軽量ルーフ、折り畳み式ルーフ、発電機 (オプション) 付きソーラールーフが含まれる。この「MOR」 は車両生産においてもメリットがあり、同じ生産ラインで全てのタイプのルーフを車両に取り付けることができるという。FiatやJaguar Land Roverをはじめ、すでに複数の自動車メーカーが 「MOR」 を量産モデルに採用している。今後もさらに採用が増える見込み。(2015年9月15日付プレスリリースより)

プラグインハイブリッド車向け電気式補助ヒーター
-独ベバストサーモアンドコンフォートは、プラグインハイブリッド車 (PHV) 向けに電気式補助ヒーターの提案を強化する。同社が開発した高電圧温水ヒーター (HVH) は、従来型のPTCヒーターなどと比較して大幅に小型・軽量化しており、エンジンルーム内のデッドスペースを活用して搭載可能。加熱用の高電圧電流の制御 や車両との連携を行う電子制御ユニットも同社が開発、筐体に納めている。スウェーデンのボルボ・カーのPHV 「XC90」 向けに今年半ばからドイツで量産する。14年には日米欧中の複数の自動車メーカーから受注し、2、3年後に供給を開始する計画だ。小型化もしくは高出力化 など、自動車メーカーの要求に対応した開発も行う。例えば、米国自動車メーカー向けには冷却水を加熱する発熱素子や基板を見直して出力を従来の5キロワッ トから7キロワットに向上したものを納入する。(2015年2月14日付日刊自動車新聞より)

アンビエントライト機能付きルーフ (Lighting integrated into a roof element)
-ルーフユニットにアンビエントライト機能を統合する技術を開発。車室内でさまざまな色やパターンを使用した照明を実現するシステム。BMW 「7-series」 にも搭載されており、星空をイメージした空間演出を可能にする。

コンバーチブルルーフモジュール (Ready-to-install convertible roof module)

-車体にすぐに取り付けられるモジュールユニットとして、コンバーチブルルーフコンセプトを開発。駆動ユニット、ロールオーバーシステム、クロスバー、ソフトトップをモジュール化したもので、デッキ部分は自動車ボディと同色に加工。

設備投資額

(単位:百万ユーロ)
2015年12月期 2014年12月期 2013年12月期
合計 160 125 147
売上に占める割合 (%) 5.4 5.1 6.4

*数字はIFRS11に準拠し、再計算されている。

-2013年12月期の設備投資金額147百万ユーロのの内45百万ユーロは、ドイツSchierlingのプラスチック工場の拡張に充てられた。

海外投資

<ルーマニア>
-ルーマニアAradにあるサンルーフおよびパノラマルーフの生産拠点を拡張したと発表。同拠点で3番目となる生産棟の面積は約10,000平方メートルで、投資総額は約65百万ユーロ。拡張完了後の総面積は26,000平方メートルとなる。同社は2014年、Arad拠点で50万ユニット超のサンルーフとパノラマルーフを生産した。2015年はBMWやVolkswagen Group向けに、サンルーフとパノラマルーフを約75万ユニット生産する見込み。 (2015年6月11日付プレスリリースより)

<日本>
-2015年、サンルーフ事業部が広島工場を拡張。同拠点では年間百万台分以上のサンルーフ、パノラマルーフを生産している。