Mahle GmbH 2007年度の動向

ハイライト

業績
連結(単位:百万ユーロ) 2007年度 2006年度 増減率(%) 要 因
売上高 5,060.4 4,314.0 17.3 下記1)参照
営業利益
223.0 191.8 16.3 下記2)参照
セグメント別売上高
ピストン システム 1,296 1,279 1.3 下記3)参照
シリンダー部品 752 483 55.7 下記4)参照
バルブ トレイン システム 655 527 24.3 下記5)参照
気体マネージメントシステム 819 690 18.7 下記6)参照
液体マネージメントシステム 535 510 4.9 下記7)参照

要因
1)<全社>

-2007年度の売上高は50.6億ユーロ。
・売上増加の大部分は買収した企業によるもので、これら買収企業の一部の売上(541.9百万ユーロ、12.6%)が初めて連結に組み込まれたことが要因。

-Dana Corporationのエンジン部品事業およびSiemens VDOのエアインテークモジュール事業とエアフィルター事業の買収も売上増に大きく寄与。
・これら以外にも、過半数出資の合弁事業、MAHLE Tri-Ring Valve Train (Hubei)の中国での設立や、アルゼンチンのEdival S.A.およびメキシコのPromotora de Industrias Mecanicas, S.A. de C.V. (Promec)の株式取得なども買収活動として挙げられる。

-為替レートの要因を除くと売上は20%の増加、うち7%が企業買収などを除いた事業自体の拡張によるもの。

2)
-営業利益は大幅な売上増や生産性向上の諸施策の成功にもかかわらず、前年度と同水準。
・特に、原材料が大幅に高騰したが、この高騰分の価格転嫁が十分にできなかったことや、販売価格の引き下げおよび為替差損が要因。
-新たに買収した部門の一部が、利益を大幅に圧迫したが、これは想定していたもの。
-広範囲に及ぶ統合およびリストラの諸施策を計画に基づき着手したがこれに伴う多額の費用も発生。

3)<ピストン システム>
-売上は実質的に4.6%増加。
・主に欧州の自動車産業の持続する景気に下支えされたことが要因。 ピストン/コネクティングロッドアセンブリーの売上は前年度並の好調を維持。

-欧州生産拠点における売上は対前年度比で大幅増。
・ディーゼル乗用車用ピストン事業でも堅調な売上増を示すと共に、ガソリン乗用車用ピストンの売上も増加。 商用車セグメントでは、アルミピストンおよびMONOTHERM(R)ピストン事業の売上が大幅に改善したが、FERROTHERM(R)ピストンの売上げは前年度並。

-北米では、前年度並の高い販売レベルは達成できなかった。
・乗用車用ピストン事業は、消費者の買い控えによりマイナス影響を受けたが、 小型商用車用ピストンでは大幅な売上増を初めて記録。
・商用車用ピストン事業では、米国で施行された新排ガス規制が予想以上に大きな足かせとなり、前年度と比較しても振るわなかった。

-南米では、米ドルに対するブラジル通貨の実際の為替レート変動により、米国ドル建ての輸出売上高にマイナス影響を与えたが、売上は好調な経済状態が続いた結果、前年度並み。
・乗用車用ピストンの売上は前年度比でわずかに増加した一方で、商用車用ピストンの需要が前年より増大した。

-アジア/太平洋地域の売上は、日本における為替差損にもかかわらず、前年度をわずかに上回った。
・日本での売上減少分は、同地域の好調な経済発展の恩恵を受けている中国市場およびタイ市場によって相殺できる額を上回った。
・ガソリン乗用車用ピストンの売上は前年度比で増加したが、商用車用ピストンの売上は減少。・オーストラリア生産拠点は、国内需要が縮小したことにより、前年度水準の売上を達成できなかった。

4) <シリンダー部品>
-広範囲に及ぶ競合企業を買収したことが同製品ラインにおける大幅な売上増に寄与。
・特に、Danaのエンジン部品事業買収の結果、北米および欧州でピストンリングおよびエンジンベアリングの売上が増加。また、メキシコのPromotora de In dus trias Mecanicas, S.A. de C.V.(Promec)の全株式を取得したことにより、メキシコおよび米国のピストンリング並びにシリンダーライナーの売上が増加。 これらの買収により、ピストンリングおよびエンジンベアリングでは世界第2位のメーカーとなった。

-特に欧州における商用車セクターでの引き続き好調な経済環境を背景に、技術的要件の厳しい、乗用車および商用車用エンジン向け新製品を開始したことや、ブラジル国内経済の堅調により、2007年度は実質9%の増加を記録。 特にエンジンベアリング、ピストンリング/ピン、シリンダーライナーが好調に伸長。
・欧州では、高い市場シェアをベースにコネクティングロッド素材の売上も増加。北米におけるスチールコネクティングロッドに対する需要拡大により、完全機械加工のコネクティングロッドの売上が増加。事業の好調な推移は、主に米ドル安による為替差損の影響を受けた。

-日本の(株)リケンとの全面提携に関する了解覚書に調印。これにより、ピストンリング生産の米国内の合弁事業Allied Ring Corporation以外にも、提携プロジェクトにおいて世界的に研究および支援を行う。

5) <バルブトレインシステム>
-バルブトレーンシステム製品ラインの売上は、対前年度比で大幅に増加。この増加には、数量の大幅な伸長に加え、複数の新規買収が寄与。

-NAFTA地域の製品ラインは、Danaから米国Russellvilleの拠点を買収した結果拡充され、商用車向けのカムシャフトが含まれるようになった。

-2007年始め、アルゼンチンのEdival S.A.の買収および中国の過半数出資の合弁事業、MAHLE Tri-Ring Valve Train (Hubei) Co., Ltdの設立により、世界のバルブ市場で地位を大きく向上させた。

-焼結部品製品セグメントの売上は前年度水準を大きく上回った。この増加は現在も続いているディーゼル特需によるもので、これによりターボチャージャー部品に対する需要が増大した。

-カムシャフト製品セグメントでも売上は対前年度比で増加。堅調な需要により、未切削チルド鋳鉄カムシャフトセグメントの売上が大幅に増加した。同様に、組み立て式カムシャフトの需要も前年度の水準を大きく上回った。

-コンポジットカムシャフト製品部門では、一連の既存製品の追加生産が開始されたことにより、対応する売上が増加。

-シリンダーヘッド、エンジンブロックおよび完成品エンジン製品部門の売上は、新規製品の生産開始および既存製品の需要が高まった結果、前年度の水準を上回った。
・この売上増には、主要顧客の販売数量が好調に推移したことが寄与した。

-バルブ生産拠点では、欧州市場での既存バルブ製品に対する需要増加の恩恵を享受した。
・2件の新規買収も売上の大幅増に寄与。
・近年アルゼンチンのバルブ工場を同社グループのネットワークに組み込んだことで、特に商用車用バルブ部門において、同グループの地位を大きく向上させた。

-中国に過半数出資の合弁事業を新設したことで、成長市場であるアジアにおいて極めて有利なスタート位置に立つことができた。

6) <気体マネージメントシステム>
-事業の伸長は、2007年6月にSiemens VDOのインテークモジュール事業とエアフィルター事業を買収したことが主な要因。この買収により、同製品ラインの世界的なプレゼンスが強化され、売上が対前年度比で増加した。

・事業の進展状況は世界各地域によって異なる。為替の変動によって、アジアでの日本円および韓国ウォン建ての売上の伸長並びに、北米生産拠点のユーロ建ての売上の伸長が制限された。アジアでは、為替レートの影響を織り込んだ、実質的な成長を達成することができた。外貨為替レートを考慮した欧州および北米の売上伸長率も、Siemens VDOから買収したインテークモジュール事業およびエアフィルター事業をはるかに上回った。

-欧州の売上増は、英国で拠点を新たに追加したことが主な要因。 オーストリアおよび英国の既存の工場での大幅な売上増分を合わせると、前年度比で減少した治具の売上減および、予測を下回ったフランスの事業の売上を相殺して余りあるものとなった。

-NAFTA地域では、Siemens VDOの気体マネージメント事業を買収し、新たにカナダとメキシコの拠点が追加された結果大きな影響を受け、同地域の売上は前年度比でほぼ倍増した。買収した生産拠点は、同地域での顧客ポートフォリオのバランスにも実質的に寄与している。

-日本では、為替レートの影響によりユーロ建ての売上高は減少したが、この減少分のほとんどが、主に商用車事業での販売数量増加によって相殺された。
・アジア地域では、中国が最も高い伸張を示した。中国の売上は前年比で増加。これはSiemens VDOのインテークモジュール事業およびエアフィルター事業セグメントの買収と、部門全体の売上が増加したことによる。
・新たに買収した事業は上海の既存拠点と長春の新拠点に統合。さらに、天津の生産拠点のインテークモジュール事業および広州の生産拠点のエアフィルター事業が同部門の大幅な売上増に寄与した。

7) <液体マネージメントシステム>
-同製品ラインの売上は前年度比で5%増加。

-欧州での売上が増加したのは販売数量が増加したことと、オイルフィルターモジュールおよびオイルパンモジュールの生産を開始したことが要因。 グループ内では、補修用市場製品部門との売上も増加。

-北米では、2006年にBehrから買収した活性炭キャニスター事業での生産増加および燃料フィルターモジュール事業での生産開始により、売上は前年比で増加した。

-南米の売上は低迷。 燃料フィルターの売上増加分は、主要顧客向け製品の生産打ち切りによって相殺された。

-日本では、オイルフィルターモジュールの売上は増加したものの、国内需要の低迷と為替差損により、ユーロ建ての売上は対前年度比で減少。 生産を新たに気体マネージメントシステム製品ラインと液体マネージメントシステム製品ラインに分散したことにより、韓国事業を初めて組み込んだ結果、同製品ラインの売上は前年度比で増加した。
・上海の新工場における増産も売上増に寄与。


合弁事業
2007年11月、MAHLE GmbHがIndia Pistons Ltd.との間で、エンジン用ピストン生産で折半出資の合弁会社「MAHLE India Pistons Ltd」を設立することで合意。新会社では主に、インド国内市場供給用のガソリン/ディーゼルエンジン用ピストンの生産を行う予定。急速に拡大しているインドの自動車市場では、「Euro IV」をはじめ、今後導入されるより厳しい排ガス規制に適合する製品・技術開発が急務となっていることから、次世代ディーゼルエンジン用にオイル冷却ギャラリーを装備した新型ピストンの生産も行う計画。インドChennai近郊にあるIndia Pistonsの既存工場内に生産施設を構え、当初は年約320万本のピストン生産を行い、3年間で生産能力を倍増する計画という。08年における従業員数は約300人、売上げ約2,500万ユーロを見込む。(2007年11月29日付プレスリリースより)


企業買収
-2007年3月、Danaのエンジン部品部門を買収した。Danaのエンジン部品部門は、39ヶ所の拠点を保有し、Perfect Circle(R)、 Clevite(R)、およびGlacier Vandervell(R)ブランドのピストンリング、エンジンベアリング、シリンダーライナーおよびカムシャフトを生産。2005年度の部門売上高は約670百万ドルで、総従業員数は、世界10ヶ国の拠点を合わせて、約5,000名。

-2007年3月、メキシコの子会社MAHLE Metal Leve S.Aが、アルゼンチン・サンタフェ州Rafaelaを本拠とするEdivalを買収したと発表。この買収により、生産工場をはじめ、管理・統括拠点、営業拠点、開発拠点を含めたEdivalの全事業部門を傘下とした。1953年創業のEdivalは、OEM、アフターマーケット、レーシング、航空産業といった複数市場向けに、主として内燃エンジン用バルブ、バルブ・ガイド、バルブ・シート・インサートを製造。2006年における年間売上高は40百万ドル強となる見込み。従業員数は約800名。(3月21日付けプレスリリースより)

-2007年6月、子会社MAHLE Industries, Inc.は、メキシコのGrupo Condumex, S.A. de C.V.から、
Promotora de Industrias Mechanicas, S.A. de C.V.(以下、Promec)の株式51%を取得することで合意。Promec社は、Sealed Power Mexicana, S.A. de C.V. 及びSealed Power Autopartes, S.A. de C.V.を傘下に持ち、総従業員数約1,100名、メキシコ(Aguascalientes、 Naucalpan、Ramos Arizpe、ならびにSanta Catarina)に合わせて4ヵ所の生産拠点を保有し、売上高は6,700万ドル(2006年実績)。(2007年6月22日付プレスリリースより)

-2007年6月、Siemens AGの一事業部門であるSiemens VDO(SVDO)のエアインテークモジュール、およびエアフィルター事業買収を完了。これにより、同社は、Siemens VDOのカナダ、メキシコ、英国並びに中国におけるエアインテークモジュール事業およびエアフィルター事業拠点をその傘下におくことになる。
・SVDOの当該事業部門売上高は2006年度で約3億ユーロ、従業員数は約1,000名にのぼる。主力製品は、乗用車向けガソリン/ディーゼルエンジン用インテークモジュールおよびエアフィルター。(2007年6月5日付プレスリリースより)

開発動向

研究開発体制
-研究開発は下記7拠点、技術員は合計約2,000人
Stuttgart (ドイツ)
Northampton (英国)
Farmington Hills (米国、デトロイト近郊)
Novi (米国、デトロイト近郊)
Sao Paulo(ブラジル)
東京 (日本)
上海(2005年設立、2006年稼動予定)


研究開発費

  2006年度  2005年度 2004年度
合計 242 219 N.A.


製品開発
代替燃料
-代替燃料に関する広範囲に及ぶ燃焼試験を、可変設計の単気筒エンジンを使用して実施している。 これにより、さまざまな燃料アルコールの混合気をあらゆるエンジン状態でテストし、冷温始動特性、点火動作および排ガスなどについて確認することが可能となる。
・同社のエンジニアリングサービス部門であり、高性能エンジンの開発・生産を長年行ってきたMAHLE Powertrainのエンジニアが、顧客との連携のもと代替燃料システム用途のプロジェクトに集中的に取り組んでいる。 代替燃料を使用する場合、燃料フィルターやオイルフィルターにも影響を及ぼすため、代替燃料の使用状態に適応させなくてはならないのは燃料フィルターの媒体だけではないことが明確になった。 エンジンオイル内のバイオディーゼルの堆積物によって高温時に極めて刺激の強い化合物が生成され、フィルター媒体はこの化合物に直接さらされる。 流体マネージメントシステム部門では早くからこのような化合物対策の必要性を認識しており、すでにこの化合物に対する耐性を発揮する製品開発に着手している。


新しい燃焼制御技術
-2007年11月、ガソリンターボエンジンで低燃費と高出力を両立する燃焼制御を確立。加給圧の高いガソリンターボでは限られがちだったEGRの活用領域を広げ燃焼温度を抑える手法で、通常はリーン燃焼で、全負荷時には理論空燃比での運転を可能にした。燃焼温度のコントロールに使用されていたガソリン冷却、つまり濃厚な空燃比での運転が不要になるため、燃費が改善できる。次世代環境技術として日系メーカーなどに提案し、新規受注に結びつける。(2007年11月28日付日刊自動車新聞より)


完全可変バルブトレーン(Fully variable valve train)
-同システムは燃料消費を減らし、性能とガソリンエンジンの全負荷域にわたってトルクを向上させる最も有望な技術の1つ。この技術は、すでに量産製品で使用されているMAHLE CamInCam(R)技術をさらに改良したもので、可変タイミングを用いた効果的なエンジン制御が可能になる。
・新しいバルブトレーン技術では、専用に開発されたロッカーアームパッケージと組み合わせることで、ストローク、インテークバルブおよびエキゾーストバルブの開放タイミング並びに開放時間において完全な可変性を達成し、スロットルフリーの負荷制御 への基礎を確立した。
・同社は、この技術を部分負荷域で使用する、CAI(自動制御点火)燃焼工程の開発も進めている。 この技術により、最大15%の燃料を節約することができる。


摩擦の最小化

-同社では、極めて精度の高い計測能力を備えた特別設計のエンジンベンチを使用して体系的な試験運転を実施し、摩擦に影響を与える要因をシステム全体とシステムの個々の構成部品の両面から特定している。
・同時に、試験は「ティアダウン」プロセスを使用して行なわれる。このプロセスでは、個々のエンジン構成部品があらかじめ定められた順序で取り外され、残ったユニットの摩擦損失が測定される。 この手法により、個々のピストンパラメータおよびピストンリングパラメータの影響を調査したり、これらがエンジン内の摩擦損失に与える影響を選択的に解析することができる。
・この種の試験は、軽量化対策を摩擦損失の観点で具体的に評価する場合にも使用できる。ピストンピンおよびリング用のDLC(ダイヤモンドライクカーボン)コーティングやピストンリング(トップリングおよびオイルリング)用のPVD(物理蒸着法)コーティングなどもクランク機構内の摩擦損失の低減に寄与する。 さらに、摩耗特性も大幅に改善される。
・燃料消費を低減するための最適化アプローチでは、関係するカムシャフト、コネクティングロッド、クランクシャフトのローラーベアリング を調査する。 同社の軽量バルブは、バルブトレーンの摩擦損失を低減するだけでなく、過給機搭載のガソリンエンジンのリーン状態での作動時における内部冷却で卓抜した特性を発揮することから、このバルブについてもさらに開発が進められている。

設備投資

設備投資額
(単位:百万ユーロ) 2007年度 2006年度  2005年度
ピストン システム 78 75 87
シリンダー部品 69 47 54
バルブ トレイン システム 44 27 41
気体マネージメントシステム 37 35 35
液体マネージメントシステム 33 42 34

セグメント別

<ピストン システム>
-同製品ラインの設備投資額は78百万ユーロ、売上の5.5%で、前年度の高い設備投資率をわずかに上回った。
・新規顧客のプロジェクトが多数進行しているため、投資の大部分は能力拡張に関するもの。
・その他は、合理化、量産工程、および品質改良における諸施策の継続実施に関する投資が中心。
・欧州では、個々の工場における生産性向上が中心。その他の投資は、高い熱負荷耐性を備えるディーゼルピストンの生産などの、工程技術に関して実施。
・北米では、米国の商用車用ピストン製造工場の最適化が中心。
・アジア/太平洋地域では、タイの子会社および日本の工場(山形市、鶴岡市)での生産能力強化を実施。

<シリンダー部品>
-投資額は前年度より増加。 こ れは、新規買収事業並びに既存事業で投資が増加したことが要因。 -昨年度と同様、新規顧客のプロジェクトの立上り準備を中心に投資を実施。
・メキシコでは、コネクティングロッドの加工能力を増強し、素材部品の生産拠点建設によって同地域のプレゼンスが強化された。また、乗用車およびディーゼル商用車用ピストンリングおよびシリンダーライナーの生産能力が増強され、この投資では、これらの製品に対する需要が増加することを考慮して新技術を導入した。
・2006年に中国に設立したピストンリングの生産設備を拡張し、 製品ラインが拡充された。中国では、コネクティングロッド工場の建設を開始し、2008度から現地メーカーへ供給を開始する予定。
・さらに、すべての製造事業部で主に工程改良に関する投資を実施した。

<バルブトレーンシステム>
-同製品ラインでは、能力増強および合理化プロジェクトに多額の投資を行った。
・スイスでは、Grenchenの新工場建設に伴い、生産拠点の再構築が完了。
・ポーランドの生産拠点では、建屋拡張、素材生産、およびバルブおよびバルブガイドの機械加工能力の拡張に対して投資。
・カムシャフトに対する需要が高まり、特に北米市場向けのチルド鋳鉄製製品の需要が増大したため、ブラジルの鋳造工場を大幅に拡張。
・インドでは、拡張に伴う用地の取得および新建屋の建設の投資を実施。
・アルゼンチンおよび中国の工場からの増大するバルブの需要に対応するため、新たに買収したバルブ工場の能力を増強。

<気体マネジメントシステム>
-2007年度の投資額は37百万ユーロ、投資率は売上の4.2%で、原価償却費を上回った。
・アジアでは、引き続き中国の拠点を中心に 投資を実施。 新製品に対応するため、買収事業を既存の拠点に統合し、広州および上海の拠点の生産能力をさらに増強。
・欧州では、投資額の大部分がオーストリアの工場に向けられ、主に生産最適化並びに、立上り段階の新製品の生産に資金を充当。
・北米では、投資額は前年度より増加。これはSiemens VDOからインテークモジュールおよびエアフィルター事業部門から新規事業を買収したことにより、基盤が拡大したことによる。

<液体マネジメントシステム>
-同製品ラインの設備投資額は、前年度より大幅に減少。これは、2006年度に北米の活性炭キャニスターの生産施設拡張に伴って大規模な投資を実施したことによる。 2007年度の売上高に対する投資率は5%。
・欧州では、オイルフィルターモジュールの生産施設の拡張、オイルパンモジュールの生産施設の建設、およびオイルフィルターモジュールのプラスティックからの生産に焦点を当てて投資を実施。
・この他、ルーマニア、中国、韓国で新拠点のインフラ拡張に伴う投資を実施。