Kolbenschmidt 2009年12月期の動向

ハイライト

業績

(単位:百万ユーロ)
  2009年
12月期
2008年
12月期
増減率(%) 要因
売上高 1,522 2,055 (26) 1)
金利税引前利益(EBIT) (187) 62 - -

 

要因

1)
-2009年12月期の売上高は1,522百万ユーロ。前年に比べ533百万ユーロ、マイナス26%の減少。自動車業界を襲った世界不況が主な減少要因。 また減少率は、同社自動車部門が事業を展開する中核3市場で自動車生産量の減少率26%と一致する。しかし、この減少幅は四半期で見ると期間中に着実に縮 小。すなわち、第1四半期では41%の減少率であったがこれが第2四半期では34%、第3四半期では21%に改善。さらに第4四半期では1%のプラスに転 じた。但し、前年同期の売上はすでに経済危機の影響を受けて低水準であったことを考慮する必要がある。

 

受注

-国内市場と海外市場の不況のダメージもあり、2009年決算期の時点における受注残は1,496百万ユーロ。(前年は2,057百万ユーロ)。

開発動向

研究開発費

(単位:百万ユーロ)
  2009年12月期 2008年12月期 2007年12月期
合計 113 138 126

研究開発活動

-2009年12月期の研究開発活動は、自動車産業が継続的に直面している課題や状況に大きく影響を受けた。取組み課題としては、CO2排出の抑制、 Euro 5 and Euro 6等排出ガス規制の強化、最新の製造技術の導入や製品の最適化を通じた部品コストの削減、無鉛ベアリングなどエコ製品への高まる要求に対する対応など。

技術提携

-2009年1月、KS Kolbenschmidtと旭テックの子会社Metaldyneは、パワーシリンダーシステムの開発とマーケティングを共同で行うことで合意。今回の提 携に資本提携は含まれず、両社は対等な立場で互いの独立性を保つ。(2009年1月29日付プレスリリースより)

製品開発

エアポンプと二次的エアバルブ製品
-超低排出ガス車(SULEV)や準ゼロエミッション車(PZEV)といった将来の米国排出ガス規制をクリアするための高性能システムに対する需要増が見 込まれる。こうした需要に対応する目的でPierburg部門が開発した二次的エアポンプとバルブ製品はさらに性能が向上。特に、サイドチャンネルポンプ の開発による二次的エアポンプとバルブ製品はレスポンスタイムの向上と二次的エアシステムの騒音レベル削減を達成。こうした規制をクリアする車両の排出ガ スは現在の平均的新車に比べて90%減。

アクチュエーター:第四世代モジュラーシステム
- アクチュエーター製品分野でPierburg部門は第四世代モジュラーシステムを開発。このシステムはコスト効率が高く、スロットルと制御バルブを包含す る高品質なコンセプトでインテークマニホールドと電子制御の排出ガスフラップのアクチュエーターなどを提供。この製品コンセプトは乗・商どちらの車両にも 適応する。とりわけ、無接点型の低コストECOセンサー技術は特筆される。スペースを最適化したスワールフラップ製品についてはすでに量産体制に入ってい る。アクチュエーターキットについては、活況を呈するターボチャージャー製品市場への足がかりを視野にいれて、その適応範囲を広げている。

CWA電動クーラントポンプ
-開発の重要課題のひとつとして400W可変式を含むCWA電動クーラントポンプがあげられる。このシステムの第三世代製品は2011年には量産体制に入 りドイツの大手自動車メーカーの4気筒と6気筒エンジンの冷却用部品として採用が予定されている。製品が2倍の出力を有していても部品装着スペースの変更 を必要としないことが、この製品開発の特筆する点。

設備投資

設備投資額

(単位:百万ユーロ)
  2009年12月期 2008年12月期 2007年12月期
合計 70 146 148

-国内外の自動車業界を襲った世界的経済不況の影響を受け、2009年12月期の設備投資額は計画を見直して70百万ユーロ。かかる困難な状況ではあるが、未来志向のプロジェクトと必要な工場施設更新のための投資は実施。

国内投資

-ドイツでは電動式エア変換バルブの生産能力を増強、また新規アクチュエータとクーラーのプロジェクトに投資の大部分を充当。

-ドイツのPierburgポンプ技術部門の投資対象:電動式クーラントポンプの顧客対応のための製造工場の買収や水循環ポンプの生産量拡大対策。

-ドイツの工場のKS Pistons部門の投資は個々の製品特性を改良。これには、追跡可能仕様(データマトリックス)と新型工具などが含まれる。

KS Plain Bearing部門
-KS Plain Bearing部門では、滑り軸受けの清浄度レベルに関する取引相手先の要求が増えてきたためこれに応える目的の生産工程改善を実施。また、機械加工工程とベルトキャスターを使用した初期鋳造工程を入れ替え、さらに複数の機械加工用設備を購入。

KSアルミ技術部門
-NeckarsulmのKSアルミ技術部門ではシリンダーヘッドの生産施設を集約。重力ダイカスト行程では鋳造加工機械と工具を導入した。 その他、投資資金は生産性向上と品質改善を目的としたプロトタイプ生産工程と複数のプロジェクトに充当。

海外投資

<欧州>
-スペインとチェコでは、EGRクーラーモジュールの大口需要に対応する準備を開始。

-フランスの工場では水循環ポンプとバキュームポンプ生産ラインを2本追加。

-イタリアのLivorno工場では可変式オイルポンプの生産能力を増強。

-フランスではRenault/Nissan向けのピストン製造施設の技術的改善とFord向けピストン製造施設に加え機械加工の変更を実施して生産レイアウトの最適化に努める。

-チェコのTrmice工場では、Jaguar向けピストンの生産ライン拡張が主な内容。

<米国>
-米国の投資資金はEGRシステムの生産量拡大に充当。

-米国ではスチールピストンの生産ライン拡張。

<インド>
-インドの生産工場では新規生産立ち上げを円滑に行う目的で投資を実施。