Getrag 2005年-2008年の動向

ハイライト

受注
-三菱自Colt及びSmart ForFourの共用アーキテクチャー(プラットフォーム)向けにマニュアル及びオートメーテッドマニュアルトランスミッションを開発支援し、生産を行う。(2005年2月発表)

-2007年7月、三菱自動車と自動変速マニュアルトランスミッション(AMT)「ツインクラッチSST」を共同開発。2007年秋発売する「Lancer Evolution X (Ten)」から採用される。燃費は三菱自動車の5速AT比20%改善。

-2007年12月、三菱自動車は「Galant Fortis」にGetrag Ford Transmissionsと共同開発した自動変速マニュアルトランスミッション「ツインクラッチSST」を搭載する新グレードを設定すると発表。


合弁事業
-2007年1月、Jingling Motors Company Group (江鈴汽車集団公司:JMCG)とトランスミッション、トランスミッション部品生産工場として設立した合弁会社、Getrag (Jiangxi) Transmission Co. Ltd.が正式に操業を開始。Getrag (Jiangxi) Transmission Co. Ltd.に対する出資比率は同社が66.7%。JMCGが残り33.3%の株式を所有、合わせて約2,200人の従業員を有する3生産工場 (Nanchang、Ganzhou、Yudu) が合弁会社の事業に組み込まれた。新会社はNanchangに本社を置く。 当初は年間にトランスミッション30万個、トランスミッション部品110万セットを、主として中国市場向けに生産する。生産品目は目下JMCGとGetrag Corporate Group双方の製品で構成されている。

-ChryslerとPowerShiftRトランスミッションの開発、生産、供給を行うことで、正式に合意。提携はChryslerの北米事業が対象。両社は合弁で、インディアナ州のTiptonに最新鋭のトランスミッション工場を新設。投資額は約455百万ドル。(2008年4月2日付プレスリリースより)


リストラクチュアリング
-ドイツ国内事業の再編について発表。Ludwigsburg工場の見直しが軸となる。同拠点での生産の大半を、NeuensteinおよびRosenberg工場に移管。一方、エンジンタイミングギアの加工業務をLudwigsburgに集約し、部品加工に特化した中核拠点とする。また、コスト構造の改善のため、Ludwigsburg工場は同地域のより小規模な施設に移転。移転先に勤務する111名を除いた生産部門の余剰人員215名は、必要に応じてリストラする。なお、Untergruppenbach拠点では130名を削減することが決定している。(2009年1月21日付プレスリリースより)


売却
-2006年7月、Hoerbiger Holding AGの子会社であるHoerbiger Antriebstechnik Holding GmbHへGetrag SynchronTecknik GmbH (シンクロシステム及びシンクロ部品の開発・製造) を売却すること発表。両社は2006年6月末、売却に関する覚書に調印。


米国子会社の米連邦破産法11条申請
-GETRAG Transmission Manufacturing LLC(GTM LLC)は、Chapter 11(連邦破産法第11条)の適用を申請したと発表。同社のティプトン工場(インディアナ州)が対象。GTM LLCは、クライスラーへのデュアル・クラッチ・トランスミッション供給を目的として、同工場の建設を進めていた。最近になり両社間で合意していたティプトン新工場建設およびデュアル・クラッチ・トランスミッション生産に関する契約をクライスラー側が撤回したことから、破産法第11条の適用を申請した。申請の対象はティプトン工場のみで、同社およびGetrag Transmissions Corporationが保有する、その他の米国拠点は含まれない。(2008年11月17日付プレスリリースより)

開発動向

技術提携
-2006年6月、Bosch社とハイブリッド・システムの共同開発に合意。両社は、パラレル・ハイブリッド・システムのデュアル・クラッチ・トランスミッションとエレクトリカル・ファイナル・ドライブ・ユニットに関連する部分の開発からマーケティングまで協働することになる。

-2006年1月、Dana社との戦略的協力関係を拡大を発表。今後両社は、電子制御リミテッドスリップデフおよび電子トルクカップリングの共同開発を推進する。合意条件では、先進トルク伝達装置開発のため、両社の技術者が米国、欧州双方で研究を行なうことになっている。この電子駆動デバイスは、Dana社のアクスルとGetragのアクスル、トランスアクスル及び動力伝達ユニットに使用され、最終的にライトトラックおよび乗用車プラットフォーム双方に搭載される。


製品開発
TWINSterAWDシステム
-TWINSterAWDシステムは、二つの独立した電子制御クラッチを内蔵するという点が最大の特徴。 同クラッチは、コンパクト設計で、アンギュラードライブまたはパワーテイクオフユニット(PTU)のハウジング内の動力近くに設置されており、それぞれが独立してトルクを前輪に伝達する。(各々の前輪がトルクを別々に伝達される)一方で、アンギュラードライブはプロペラシャフトを通じて、リアアクスルにメイントルクを伝達する。よって、フロントアクスルデフが不要になる。同社はこのシステムをボルボのAWD車、フィアットPanda4×4、及び米国のAWD数車種、クロスオーバー車に供給。(2004年12月発表)

-2007年9月、同社は IAA国際モーターショーに最新のパワーシフトトランスミッション製品群を出品。同社製のデュアル・クラッチ・トランスミッションは、高性能、低トルク仕様で、他の最新型オートマチックトランスミッションに比べ、燃費面で少なくとも4-8%優れている。展示された製品群で注目は乾式デュアル・クラッチ・トランスミッション技術をベースに開発した業界初のハイブリッド・システム、デュアル・クラッチ・トランスミッション。

設備投資

海外投資
<スロバキア>
-2005年2月、スロバキア経済省とGetragの子会社であるケルンのGetrag Ford Transmissions GmbHは、東スロバキアのKechnecに近いKosice地区に新しい工場を建設する契約に調印した。Getrag Ford Transmissionsは、新型トランスミッション技術の最新鋭工場を建設するため、スロバキアに約3億ユーロを投ずる。従業員数は750人で、売上は3億ユーロから4億ユーロが見込まれる。

-2007年11月、東スロバキアのKechnec工業団地内に工場を開設。同工場では、PowerShift(パワーシフト)トランスミッション及び二輪車用トランスミッションを生産。スロバキア新工場は、同社の新型デュアル・クラッチ・トランスミッション技術であるPowerShiftトランスミッションの生産を手掛ける初の拠点となる。当初の年産能力は、PowerShiftトランスミッション11万基、二輪車用トランスミッション10万基を見込んでおり、450人を雇用する。 2010年までにPowerShiftトランスミッションの年産能力を22万基まで引き上げる計画。

<メキシコ>
-同社とGetrag Ford Transmissionsは500百万ドルを投じ、メキシコに新会社Getrag Transmission Manufacturing de Mexico S.A. de C.V.を設立。メキシコシティから北西約300キロにあるIrapuatoに建設する最新鋭トランスミッション工場を運営する。約1,200人体制で年35万基程度の乾式デュアル・クラッチ・トランスミッションを生産。2009年後半ないし2010年前半から稼動開始の予定。(2008年6月3日付プレスリリースより)