BorgWarner BERU Systems GmbH 2008年12月期の動向

ハイライト

業績 (単位:百万ユーロ)
  2008年
12月期
2007年
12月期
増減率
(%)
要因
全社
売上高 409.4 439.1 (6.8) 1)
営業利益 (28.3) 30.9 - -

要因
1)
-売上高は2007年の439.9百万ユーロから6.9%減少し409百万ユーロ。これは下半期の自動車業界の不況が主原因。また、前年度実施した価格値引きの継続を余儀なくされたことも売上高減の要因となった。2008年の値引き相当額は9.2百万ユーロに及んだ。さらに、2008年12月初頭に同社のフランス子会社がBorgWarnerに譲渡されたことで連結対象から外されたこともマイナス要因として挙げられる。

-2008年のOE事業の売上げは265.4百万ユーロ。これは、前年度の295.1百万ユーロに比べて10.1%の減少。減少の主たる要因は自動車業界の不況によるもの。そのほか、タイヤ空気圧監視システムの廉価版を市場導入したことや、ディーゼル用コールドスタート部品の販売不振もOE事業売上げの減少の要因となった。一方、PTC補助ヒーティングシステムの売上は増加。

-グループ全体の売上のうち64.9%がOE事業によるもの(前年67.1%)。


受注
-2008年は、厳しい事業環境により、受注は前年度の442.4百万ユーロから370.6百万ユーロに減少。2008年12月末時点の受注残も前年12月末の202百万ユーロから163.2百万ユーロに減少した。

TSS(タイヤ空気圧監視システム)
-BMWから米国輸出向けのBMW全車に、TSSを受注。また他の欧州メーカーからも引き合いがあった。その他、米国ではLearと事業提携を結びFordとHyundaiのモデル向けにもTSSを供給。


PTC補助ヒーティングシステム
-標準装備用としてはPTC補助ヒーティングシステムをすでに供給しているが、2008年は、初めて電気自動車用として欧州のカーメーカーから受注。この電気自動車は米国輸出向けのモデルであるが、近い将来、欧州市場にも投入される予定。


スパークプラグ
-Citroen C4、C4 Picasso用のプラチナスパークプラグを受注。供給するのは、Bi-Hex技術を使ったM12スパークプラグで、低温環境下において、すばやい始動性を確保できるのが特徴。(2008年5月26日付プレスリリースより)

プレッシャーセンサーグロープラグ(PSG)
-「VW Jetta」の2.0Lディーゼルエンジン用のプレッシャーセンサーグロープラグを受注(2008年半ばより米国にて販売予定)VWのTDI新型エンジン向けPSGは、Ludwigsburg(本社)工場で製造する。(2008年7月18日付プレスリリースより)

開発動向

研究開発費 (単位:百万ユーロ)
 

2008年12月期

2007年12月期
全社 19.6 13.4


研究開発体制
-ドイツの研究開発施設では、200名を超える研究員が将来の新製品の研究・開発に従事。

-2008年の研究開発分野における投資額は売上高の4.8%。(前年度:3.1%)


研究開発拠点
-2007年春、拡張した研究開発センター(FEZ)が正式にオープンした。 今回、5百万ユーロを投じて行った拡張の目玉は、冷却室に設置された新型の全輪ダイナモメーターで、この冷却室では-40℃までの低温でテストを実施できる。


製品開発
ディーゼル用コールドスタートテクノロジー部門
-圧力センサーグロープラグ(PSG)のフル生産を開始。PSG燃焼過程を直接コントロールすることでディーゼルエンジンが排出する汚染物質を削減するというもの。PSGを搭載することで、将来規制が予定されている粒子状物質や窒素酸化物の排出基準を満たすことが可能となる。2009年度にはセラミックグロープラグの導入も予定されている。この新タイプのグロープラグは高温到達時間を早める効果があり、エンジン始動を円滑にすることにより汚染物質削減に貢献する。

イグニッションテクノロジー部門
-チタン電極を採用したスパークプラグを2008年度に立ち上げた。チタンスパークプラグのポーリーVトップの電極は耐燃焼性 の高いニッケルチタン合金でつくられている。チタン電極は中央電極部にあるテーパープラチナイグニッションポイントと相まって、燃料利用効率が最適なイグニッション性能を長期間維持することが可能。

エレクトリック・センサー部門
-第3世代TSS(タイヤ空気圧監視システム)は運転手が個々ののタイヤの空気圧を簡単に視認できながら規制をクリアするコストの最適化をめざしている。空気圧検知技術の開発における今後の優先順位はシステムの高水準な集中化によるコスト削減。

-将来的には顧客からの要望があり次第取り組む、バッテリーフリーシステムの開発も計画している。

-高温センサー(HTS)はガソリンとディーゼルエンジンから出る排出ガスの後処理を目的として開発したもので、排ガス再循環システム、酸化触媒、微粒子フィルター、NOx除去システムなどの検知に適している。また、排気システムの各種測定機器に加え、ターボチャージャーまわりに装着する機器についてもBorgWarner 社の一事業部であるTurbo & Emissions Systems部門と共同で研究が進められている。

設備投資

設備投資額 (単位:百万ユーロ)
  2008年12月期 2007年12月期
ドイツ 26.2 34.3
その他欧州 2.9 4.6
北米 0.02 0.6
アジア 0.4 0.6
その他 0 0
合計 29.5 40.2