Magna International 2009年12月期の動向

ハイライト

業績

(単位:百万ドル)
  2009年
12月期
2008年
12月期
増減率
(%)
要因
全社
売上高 17,367 23,704 (26.7)  
営業利益 (511) 328 - -
部品売上高
北米 7,515 10,938 (31.3) 1)
欧州 5,857 7,089 (17.4) 2)
その他地域 676 515 31.3 3)

要因
1)
-減少は、1台あたりの平均売上高が1%増加したものの、北米の自動車生産量が32%縮小したことによる。

-1台あたりの平均売上高が872ドルと前年の867ドルに比べ、5ドル、1%の増加。主な要因は以下の通り。
下記車種を含む2008年またはそれ以降の新プログラムの開始。
-Ford F-Series、Lincoln Mark LT
-Chevrolet Traverse
-Chevrolet Equinox、GMC Terrain
-Chevrolet Camaro
下記車種を含む良好な生産(産業全体の生産量と相対的に)や一部のプログラムにおける同社製品の搭載率の増加。
-Ford Escape、Mercury Mariner、Mazda Tribute
-Ford Fusion、Mercury Milan、Lincoln MKZ
下記を含む2008年またはそれ以降に完了した買収。
-Plastech Engineered Products Inc.の外装事業(Plastech)の大部分。
-Meridian
-Ogihara America Corporation(Ogihara)のアラバマ州にあるスタンピング・組立部品拠点。
2008年またはそれ以降に着手した買収事業。

-以下の要因が一部相殺。
下記車種を含む低調な生産(産業全体の生産量と相対的に)や一部のプログラムにおける同社製品の搭載率の減少。
-Chevrolet Cobalt
-Dodge Grand Caravan、Chrysler Town & Country、Volkswagen Routan
-Chrysler 300、300C、Dodge Charger
-Buick Enclave、GMC Acadia
下記車種を含む2008年またはそれ以降に生産終了したプログラム。
-Saturn Vue、Aura、Outlook
-Chevrolet Trailblazer、GMC Envoy
-Pontiac G5、G6、Solstice、Sky、GT
カナダドルの対米ドル安による米ドル換算売上高の減少。
2008年またはそれ以降の顧客への値引。


2)
-減少は、1台あたりの平均売上高がドルベースでは2%増加したものの、欧州の自動車生産量が19%縮小したことによる。

-1台あたりの平均売上高が495ドルと前年の486ドルに比べ、9ドル、2%の増加。主な要因は以下の通り。
下記車種を含む2008年またはそれ以降の新プログラムの開始。
-Audi Q5
-Volkswagen Golf
-Porsche Panamera
-Opel/Vauxhall Insignia
-BMW One/Cooper Convertible
-Audi A5 Cabrio、Sportback
Cadenceを含む2008年またはそれ以降に完了した買収。

-以下の要因により一部相殺。
下記車種を含む低調な生産(産業全体の生産量と相対的に)や一部のプログラムにおける同社製品の搭載率の減少。
-Mercedes-Benz C-Class
-Porsche Cayenne、Volkswagen Touareg
-Volkswagen Transporter
-BMW X3
-Ford Transit
-Opel/Vauxhall Vivaro、Nissan Primastar、Renault Trafic
-Opel Astra
-Audi Q7
-Honda Civic
ユーロや英ポンドの対米ドル安による米ドル換算売上高の減少。
2008年またはそれ以降におこなった拠点売却。
2008年またはそれ以降の顧客への値引。


3)
-その他地域での売上高は、676百万ドルと前年の515百万ドルに比べ、161百万ドル、31%の増加。主な要因は以下の通り。
中国やブラジルでの生産や一部のプログラムにおける同社製品の搭載率の増加。
中国や日本での2008年またはそれ以降の新プログラムの開始。
中国人民元の対米ドル高による米ドル換算売上高の増加。

-以下の要因により一部相殺。
ブラジルレアル、韓国ウォン、南アフリカランドの対米ドル安による米ドル換算売上高の減少。
南アフリカでの生産や一部のプログラムにおける同社製品の搭載率の減少。



受注

-2009年のプレスリリースによる主な受注は以下の通り。
メーカー・モデル 搭載部品
Ford「Flex」 シート
Audi「A4」 カーペット
Audi「A4 Cabriolet」 インストルメントパネルアッセンブリー、インナードアパネル
Daimler「Mercedes-Benz SLS AMG」 アルミ製ボディ、ガルウィングドア、フード、デッキリッド
GM フレームアッセンブリー
日産「370Z Roadster」 ソフトトップ式ルーフ



合弁事業

-オーストリアのMagna Powertrain AGは、韓国のWIAと合弁会社を設立し、電子制御4WDカップリング事業に進出する。新会社「WIA MAGNA Powertrain」の資本金は11百万米ドルで、両社が50%ずつ出資。2009年3月より、忠清南道の牙山(Asan)市に工場建設を開始する。 2010年に量産を開始し、同年末までに年間60万台規模の生産能力を備える見込み。(2009年1月24日付プレスリリースより)

-Magna ElectronicsとドイツのSemikronは、折半出資により新会社を設立すると発表。電気自動車およびハイブリッド車向けのパワーエレクトロニクスを生産する。(2009年6月22日付プレスリリースより)

-Magna SeatingとKrishna Groupは、折半出資によりインドに新会社を設立すると発表。Pune地域の自動車メーカー向けに、シートシステムとシート機構部品を供給する目的。こ の合弁会社「MSKH Seating System」はMagna Seatingにとって初のインド拠点で、今後12ヶ月以内の生産開始を目指す。(2009年8月7日プレスリリースより)



企業買収

-Decoma Internationalは、Cadence Innovation s.r.o.(Cadence Europe)を買収することで合意。Cadence Europeは、バンパー、インストルメントパネル、ラジエーターグリル、ドアパネルなど、自動車の内外装樹脂部品・システムを供給している。生産拠点は 4ヶ所あり、チェコに3ヶ所と合弁による拠点がハンガリーに1ヶ所。(2009年2月10日付プレスリリースより)

開発動向

研究開発拠点

-2009年、National Research Council of Canada (NRC)とMagna-NRC Composite Centre of Excellenceを設立することで提携。センターでは、従来のプラスチック部品よりも高強度で軽量な熱可塑性プラスチック複合材の研究開発を行う。 2010年夏、開設予定。


技術提携

-電気自動車に本格参入すると発表。米フォードモーターと共同開発し、2011年に市場投入する計画。同社はモーターなどのパワートレーンおよびバッテ リーモジュールの主要コンポーネントを供給する。今後はこうした実績を生かしながら、新規ニーズが見込まれる次世代環境対応車用ユニットの拡販を目指 す。(2009年1月17日付日刊自動車新聞より)

-Magna ElectronicsとスイスのBRUSA Elektronik AGは、電気自動車およびハイブリッド車向けの部品・システムを共同開発することで合意。(2009年3月4日付プレスリリースより)

設備投資

設備投資額

(単位:百万ドル)
  2009年12月期 2008年12月期 2007年12月期
全社 629 739 741