欧州6社 2013年実績と2014年見通し:VWは世界販売1,000万台へ

ドイツ3社は2013年に販売記録更新、PSA、ルノーは回復の兆し

2014/03/28

要 約

欧州6社販売台数比較 本レポートでは、欧州の主要自動車メーカー6社の2013年通期の業績、2014年市場見通しと目標と戦略について報告をする。

 欧州の主要自動車メーカー6社、PSA、Renault、FCA、VW、BMW,Daimlerの2013年の合計販売台数は2,382.6万台と前年より3.4%増加した。PSAのみ前年より4.9%減の281.9万台となったが、他のメーカーは全て前年の販売台数を上回った。ドイツ3社はそれぞれ、世界販売台数の記録を更新した。BMWが9年連続で、プレミアムカー市場でトップとなったが、しかし最大の市場である米国ではBMWを抜き、Mercedes Benzが1位となった。

 業績面で見ると、Daimlerの純利益は前年比27.7%増の87.2億ユーロ、BMWは4.5%増の53.4億ユーロとなった。VWグループの純利益は前年より58.2%減の91.5億ユーロと大幅に減少したが、2012年の純利益にPorsche買収に伴う評価益などが含まれるためである。Fiatは2014年1月にChryslerを完全買収し、Fiat Chrysler Automobiles (FCA)を設立した。FCAは2013年の純利益が19.5億ユーロとなったが、Chrysler分を除外すると9.1億ユーロの赤字。Renaultの純利益はフランス工場の人員削減経費とイラン市場撤退の影響から、59.4%減の6.95億ユーロとなった。唯一赤字であったPSAの純損失は前年と比較して、モデルラインアップの充実・改善やコスト削減の結果、半減し23.2億ユーロとなった。

 各社は2014年の自動車市場について、欧州は経済の回復とともに、持ち直していくと見通している。欧州域外市場では北米やBRICs市場での需要が増加するものの、増加は若干弱まるとしている。

 また、レポート末尾にLMC Automotive社による2017年までのフランス生産予測も掲載した。
 
関連レポート:
FCA:フィアットがクライスラーを完全買収 (2014年3月掲載)
Daimler乗用車部門:新モデル好調で2013年通年は記録更新を見込む (2013年11月掲載)
BMW:2013年は過去最高の販売台数を見込む (2013年10月掲載)
VW:2013年上半期の新車販売は480万台 (2013年7月掲載)
PSA:欧州依存からの脱却を目指し、新興市場へ展開 (2013年6月掲載)
FIAT:2016年までに欧州市場で収支均衡の達成を狙う (2013年5月掲載)
Renault:2013年は自動車部門の黒字化を目指す (2013年4月掲載)

欧州6社の2014年世界自動車市場見通し:

PSA 2014年は欧州市場での需要が2%、中国市場が10%成長する一方、ラテンアメリカ市場は2%縮小する。
Renault 2014年は、欧州市場が安定しはじめると予想。新興国市場は中国の成長を予測しているが、短期では不確定要素があるとしている。
FCA NAFTA市場では米国・カナダでの販売は上向くが、前年よりも増加率は低い。ラテンアメリカ市場ではブラジルが成長するが、アルゼンチンは輸入規制により変化率で2桁台、販売が減少するとしている。アジア・大洋州市場では中国やインドでの需要増で販売台数増加を見込むが、日本市場での販売減を懸念している。欧州・中近東・アフリカ市場では需要が、イタリアで3%、ドイツで4%増加すると見込み、欧州(EU27カ国とEFTA諸国)全体で見ると0.5%増加と前年からほとんど変化がないと予想。
VW 2014年の世界乗用車需要について、西欧では多少回復し、ドイツ市場での販売規模も回復するとしている。中欧・東欧は前年を少し上回る程度に収まると予測。北米では増加傾向が若干弱まり、また南米は前年と同程度と見込む。アジア/太平洋地域では成長が続くが勢いは前年より低いとしている。
BMW 2014年の世界乗用車市場の需要は4.7%増加し、米国は3.6%増、中国は10.1%増、欧州でも、ドイツが1.4%増、フランスが2.8%増、イタリアが8.7%増など、市場回復が見込まれる。日本市場は増税の影響から、13.4%減少を予想。ブラジルが3.3%増、インドが2.0%増と予測されている。
Daimler 2014年の乗用車需要は前年比4~5%増加する。米国で需要増、西欧で回復を見込む。新興国市場では、中国以外では需要減少を予想している。2014年の中型・大型トラックについては、NAFTA市場で最大10%の需要拡大を見込む。欧州ではEuro6排ガス規制の影響により減少するが、欧州経済の回復度により需要増を見込むので、減少分を一定量補うとしている。

資料:各社プレスリリース、Annual Report

欧州6社の業績概要

(100万ユーロ、世界販売は1,000台)
2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2012~
2013年
変化率
PSA 世界販売 3,260 3,188 3,602 3,549 2,965 2,819
(4.9%)
売上高 54,356 48,417 56,061 59,912 55,446 54,090
(2.4%)
営業利益 550 (689) 1,796 1,315 (560) (177)
純利益 (363) (1,161) 1,134 588 (5,008) (2,317)
Renault 世界販売 2,382 2,309 2,627 2,723 2,549 2,628
3.1%
売上高 37,791 33,712 38,971 42,628 40,720 40,932
0.5%
営業利益 326 (396) 1,099 1,091 782 1,242
58.8%
純利益 599 (3,068) 3,490 2,139 1,712 695
(59.4%)
FCA 世界販売 2,153 2,152 2,082 3,966 4,209 4,330
2.9%
売上高 - 32,684 35,880 59,559 83,957 86,816
3.4%
営業利益 - 736 1,112 2,392 3,541 3,394
(4.2%)
純利益 - (345) 222 1,651 896 1,951
117.7%
VW 世界販売 6,257 6,336 7,203 8,265 9,276 9,731
4.9%
売上高 113,808 105,187 126,875 159,337 192,676 197,007
2.2%
営業利益 6,333 1,855 7,141 11,271 11,498 11,671
1.5%
純利益 4,688 911 7,226 15,799 21,884 9,145
(58.2%)
BMW 世界販売 1,436 1,286 1,461 1,669 1,845 1,964
6.4%
売上高 53,197 50,681 60,477 68,821 76,848 76,058
(1.0%)
営業利益 921 289 5,111 8,018 8,275 7,986
(3.5%)
純利益 330 210 3,224 4,907 5,111 5,340
4.5%
Daimler 世界販売 2,073 1,551 1,895 2,111 2,198 2,354
7.1%
売上高 98,469 78,924 97,761 106,540 114,297 117,982
3.2%
営業利益 2,730 (1,513) 7,274 8,755 8,820 10,815
22.6%
純利益 1,414 (2,644) 4,674 6,029 6,830 8,720
27.7%
6社合計 世界販売 17,561 16,822 18,871 22,283 23,042 23,826
3.4%
売上高 - 349,605 416,025 496,797 563,944 572,885
1.6%
営業利益 - 282 23,533 32,842 32,356 34,931
8.0%
純利益 - (6,097) 19,970 31,113 31,425 23,534
(25.1%)

資料:各社の決算発表資料
(注) 1. 「(  )」内の数値はマイナス値を表す。



PSA: 2013年は赤字を半減、新戦略を発表し経営改善へ

 PSAグループの2013年のCKD車を含む世界販売台数は前年比4.9%減の281.9万台となった。販売台数減少の大きな要因は、欧州市場での販売減とイランへのCKDキット輸出停止で、欧州は前年比で7.3%減の162.9万台、CKD輸出は99.3%減少の1000台。一方、中国市場では26.0%増の55.7万台と、Peugeot 3008、301やCitroen C4Lなどが好調で増加。欧州域外の販売比率は2012年の38%から、2013年は42%に拡大した。
  2013年の売上高は、2012年比で2.4%減の540億9000万ユーロで、うち自動車部門が4.8%減の364億6100万ユーロとなった。営業利益は赤字を68.4%縮小して、1億7700万ユーロ、うち自動車部門は10億4200万ユーロと前年から30.3%縮小した。純損失は半減し、23億1700万ユーロに減少した。
  また、2014年3月、PSAは東風汽車と資本提携した。PSAは30億ユーロの増資を行い、東風汽車と仏政府はそれぞれ8億ユーロを出資して、PSAの株式をそれぞれが14%取得することになり、Peugeot創業家の株式保有率と同等になった。PSAと東風汽車、両社の合弁会社である神龍汽車(Dongfeng-Peugeot-Citroen Automobile、DPCA)で2020年までに年150万台生産や、中国国内に研究開発センターの設立、販売体制強化などを実施する。

PSAの地域別世界販売台数

(1,000台)
2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2012年~
2013年
変化率
欧州 2,231 2,159 2,195 2,063 1,758 1,629 (7.3%)
ロシア 59 41 56 75 78 61 (21.8%)
ラテンアメリカ 263 232 294 326 283 303 7.1%
中国 179 272 376 404 442 557 26.0%
その他 219 142 204 224 259 268 3.5%
完成車合計 2,952 2,845 3,125 3,092 2,820 2,818 (0.1%)
Total CKD 309 342 477 458 145 1 (99.3%)
世界販売 3,260 3,188 3,602 3,549 2,965 2,819 (4.9%)

資料:PSA Full Year Results各年版
(注)1. 2012年2月よりイランへのCKDキット輸出中止。
2.「(  )」内の数値はマイナス値を表す。

 

PSAの連結業績

(100万ユーロ)
2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2012年~
2013年差
売上高 54,356 48,417 56,061 59,912 55,446 54,090 (2.4%)
内自動車部門 41,643 38,265 41,405 42,710 38,299 36,461 (4.8%)
営業利益 550 (689) 1,796 1,315 (560) (177)
内自動車部門 (225) (1,257) 621 (92) (1,496) (1,042)
純利益 (363) (1,161) 1,134 588 (5,008) (2,317)
資料:PSA Full Year Results各年版
(注) (  )」内の数値はマイナス値を表す。

 

PSAの目標と経営戦略「Back in the Race」(2014年2月発表)

経営目標 "Back in the Race" ・2014年は、2016年までのフリーキャッシュフローの黒字化を目指して経営体制を整える。(以前は2015年までにフリーキャッシュフローの収支均衡を2015年と設定していた。)
4つの戦略 1)各ブランドの区別の明確化、適切な価格設定:
  ⇒DS-Lineを独立したプレミアムブランドとしての確立を促進し、またPeugeot, Citroen, DS-Lineの3ブランドの適切な価格設定をする。
2)モデル戦略の強化
  ⇒最も利益を期待できる市場セグメントへ向けたモデル開発や展開を行う。また、グローバルに開発・設備投資を行う。
3)グローバル展開:欧州域外での収益拡大を目指す
  ⇒ロシア・中南米・中国向けのラインアップをより現地向けにして、展開する。
  ⇒「ポストBRICs」市場の開発を進め、域外での販売を強化する。
4)欧州の強化
  ⇒部品供給など、コスト削減を進めて、固定費を削減する。
  ⇒東欧の生産拠点を強化して、競合性を高める。
注:2014年4月に投資家向けに詳細を発表予定



Renault:経営計画を更新、2017年までに売上高500億ユーロを目指す

 Renaultの2013年の世界販売台数は、前年比3.1%増の262.8万台。ブランド別にみるとRenaultブランドが前年比0.4%増の213.1万台、Renault-Samsungが1.5%増の6.7万台と、前年からあまり変化が無いが、DaciaブランドはDusterやLogan、Sanderoなどの好評から19.4%増の43万台となった。
  市場別に見ると、Europe市場では新型ClioやCapturが貢献し、前年比2.4%増の130.2万台と好調だった。Americas市場ではClio、Duster、Sanderoが人気で前年比3.5%増の46.7万台となった。Asia-Pacific市場では、インド・韓国などで販売が伸び、イラン以外での合計で、2012年比で28.9%増加したが、2012年7月からのイランでの販売停止の影響により、7.8%減の23.8万台となった。
  2013年の決算は、売上高が前年比0.5%増の409億3200万ユーロ、営業利益が58.8%増の12億4,200万ユーロで、営業利益はDaciaブランドの販売増とコスト削減により、増加したとしている。純利益が59.4%減の6億9,500万ユーロとなり、大幅減はフランス国内での大規模リストラの費用や、イラン市場からの撤退費用などが含まれるため。また、2013年の純利益(Net Income)には日産からの持分利益、14億9,800万ユーロが含まれる。

Renault のブランド別/地域別世界販売台数

(1,000台)
2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2012年~
2013年
変化率
Renault 2,019 1,861 2,116 2,261 2,123 2,131
0.4%
Dacia 258 311 350 343 360 430
19.4%
Renault-Samsung 104 136 162 118 66 67
1.5%
Worldwide 2,382 2,309 2,627 2,723 2,549 2,628
3.1%
Europe 1,508 1,530 1,644 1,550 1,271 1,302
2.4%
Eurasia 130 80 106 171 208 232
11.5%
Americas 255 228 317 397 451 467
3.5%
Euromed-Africa 489 471 560 346 361 389
7.8%
Asia-Pacific 259 258 238
(7.8%)
資料:Renault earnings report 各年版
(注) 1. Lada ブランドは含まない。
2. Europe は西欧+中欧。Euromed は、東欧 (ルーマニア, ブルガリア等), トルコ, 北アフリカ。Eurasia はロシアと CIS諸国。Asia-Africa はオセアニア・中近東を含む。
3. (  )」内の数値はマイナス値を表す。

 

Renaultの連結業績

(100万ユーロ)
2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2012年~
2013年
変化率
売上高 37,791 33,712 38,971 42,628 40,720 40,932 0.5%
営業利益 326 (396) 1,099 1,091 782 1,242 58.8%
純利益 599 (3,068) 3,490 2,139 1,712 695 (59.4%)
資料:Renault earnings report 各年版
(注) (  )」内の数値はマイナス値を表す。

 

Renaultの目標と戦略

2014年目標 Renaultは販売台数増加と売上高の増加、自動車部門の営業利益の向上と、フリーキャッシュフローの黒字を維持する。(2013年は8億2,700万ユーロ)
Renault、日産、4つの機能を統合   2014年3月、Renaultは4月より、日産と研究・開発、生産、部品調達、人事の4分野を統合する計画開始を発表した。2016年まで年間43億ユーロの相乗効果によるコスト減を目標としている。(2012年は26億9千万ユーロ)
研究開発 コモン・モジュール・ファミリー(CMF)開発、先行開発、パワートレーン開発(EVを含む)、システム開発、実験施設および実験機能を統合など。
生産技術・物流 グローバル生産戦略(ソーシングを含む)、生産工程技術、生産管理およびサプライ・チェーン・マネジメントを対象とする。
部品調達 統合することにより、更に大規模で購買を行い、コスト削減などのシナジー効果増大を見込む。
人事機能 グローバル事業の各社共通の人事方針を含め、共通のプロセスを導入する。
経営計画「Drive The Change」の更新 ・2017年までに売上高500億ユーロ達成を目指す。(2013年:409.3億ユーロ)
・営業利益率5%以上、プラスのフリーキャッシュフロー毎年維持を目標とする。
・2016年までにグループとアライアンス内の8割の車両でプラットフォームを共有し、各車両の65%がモジュール化された部品で構成される。(現行は約35%)
・BRICsで2016年までに、部品現地調達率を80%に引き上げる。
・2016年までに、欧州の工場稼働率をRenaultとアライアンス、提携企業の生産で100%を目指す。
・新興国市場向けのエントリーモデルのAセグメント車の導入、新型TwingoとTrafic Vanの2014年秋の投入、新型Espaceや、Megane、Scenicのほか、B~DセグメントのSUVの投入など、幅広く車両ラインアップを更新する。

 



FCA (Fiat Chrysler Automobiles):FiatがChryslerを完全買収、2013年は433万台販売

2013年のFCAの世界販売台数は前年比2.0%増の433万台となった。北米ではJeep Grand CherokeeやRam 1500 Pickup Truckなどが好評で前年比5.8%増の223.8万台。アジア/太平洋では、Jeepブランドの好調や、中国国内で生産されている、Fiat Viaggioの販売好調で58.3%増の16.3万台となった。前年比3.3%減で97.9万台の欧州/その他と3.0%減の南米の減少分を北米、アジア/太平洋で相殺した。
  2013年の売上高は前年比3.4%増の868.2億ユーロ、営業利益は生産コストの増大や設備投資の影響から、4.2%減の33.9億ユーロ、純利益は約2.2倍の19.5億ユーロとなったが、Fiat単独での純利益は9.1億ユーロの赤字と、Chryslerが大きく補っている。

FCAの地域別世界販売台数

(1000台)
2011年 2012年 2013年 2012年~
2013年
変化率
2014年
計画
北米 1,783 2,115 2,238
5.8%
~2,400
欧州/その他 1,180 1,012 979
(3.3%)
~1,000
南米 929 979 950
(3.0%)
900~1,000
アジア/太平洋 74 103 163
58.3%
~200
合計 3,966 4,209 4,330
2.9%
4,500~4,600
資料:Fiat Group Annual Report各年版
(注) 1. 2011年の販売台数にはChrysler社の1月からの販売台数が含まれる。
2. (  )」内の数値はマイナス値を表す。

 

FCAの連結業績

(100万ユーロ)
2009年 2010年 2011年 2012年 2013年

2012年~
2013年
変化率

2014年
(目標)
売上高 32,684 35,880 59,559 83,957 86,816 3.4% ~93,000
営業利益 736 1,112 2,392 3,541 3,394 (4.2%) 3,600~4000
利益率
(営業利益/売上高)
2.3% 3.1% 4.0% 4.2% 3.9% (0.2%pts)
純利益 (345) 222 1,651 896 1,951 117.7% 600~800
資料:Fiat Group Annual Report各年版、
(注) 1. (  )」内の数値はマイナス値を表す。
2. Chryslerの業績は2011年6月分から含まれる。

 

FCAの目標と方針:

2014年の目標 ・FCAは2014年の売上高を約930億ユーロ(7%増)、営業利益を約36~40億ユーロ、純利益を約6~8億ユーロを目標としている。
新モデル投入

・米国ではミシガン州 Sterling Heights 工場で生産するChrysler 200 を2014年上半期に投入。
・中国ではFiat Viaggioのハッチバック版、Fiat Ottimoを2014年前半に投入予定。また、2014年末にJeep Cherokeeを投入する。
・欧州では2014年後半にFiat 500Xを投入予定。

Chryslerの
株式追加取得
 Fiatは、2014年1月にChrysler株の残り41.5%をVEBA(全米自動車労組の退職者医療基金)より取得し、43.5億ドルを支払った。Chrysler買収後の新しい会社名を「Fiat Chrysler Automobiles(FCA)」として、オランダに登録。イギリスを納税居住地に決定した。





VW:2014年は1,000万台販売を見込む

 2013年のVWの販売台数は過去最高の、前年比4.9%増の973.1万台を達成した。ブランド別に見るとVWが3.4%増の593.2万台、Audiが8.1%増の157.5万台、SEATが10.6%増の35.5万台。一方、Skodaブランドは1.9%減の92.1万台となった。Skodaの販売台数の減少について、2013年上半期に、人気モデルであるOctaviaがモデルチェンジ前の影響から販売台数が減少、また市場不振の影響により減少したとしている。その他のブランドにはPorsche、Bentley、Lamborghini、Bugattiが含まれ、前年の2.5倍弱の17万5000台となった。

市場別に見ると、中国が西欧の販売台数を超え、前年比16.2%増の327万台を販売している。西欧市場は前年とほぼ同水準で、0.3%減の308万3000台となった。一方、南米市場では、シェアが19.5%から、2013年は17.0%に落ち込み、台数では8.2%減の99万3000台に落ち込んでいる。

2013年の業績は、売上高が前年比で2.2%増の1970億700万ユーロ、営業利益が1.5%増加の116億7100万ユーロとなり、過去最高を達成している。一方、税引き前利益は51.2%減の124億2,800万、税引き後利益は58.2%減少の91億4,500万ユーロと大幅に減少したが、2012年の業績には、Porsche買収に伴う評価益123億ユーロが含まれていたため。

VW地域別/ブランド別販売台数

(1,000台)
2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 変化率
VW ブランド 3,668 3,954 4,503 5,091 5,738 5,932 3.4%
Audi ブランド 1,003 950 1,092 1,304 1,457 1,575 8.1%
Skoda ブランド 675 684 763 879 939 921 (1.9%)
SEAT ブランド 368 337 340 350 321 355 10.6%
その他ブランド 10 6 6 8 70 175 150.0%
商用車 502 362 436 529 550 552 0.4%
Scania 31 43 64 80 67 81 20.9%
MAN - - - 25 134 140 4.5%
世界販売 6,257 6,336 7,203 8,265 9,276 9,731 4.9%
西欧 2,989 2,918 2,903 3,168 3,092 3,083 (0.3%)
中東欧 560 385 430 563 672 668 (0.6%)
北米 503 468 550 668 843 891 5.7%
南米 803 826 908 963 1,082 993 (8.2%)
アジア/大洋州 148 150 221 316 365 376 3.0%
中国 1,024 1,401 1,925 2,260 2,815 3,271 16.2%
その他地域 228 189 268 327 407 449 10.3%
資料:VW Annual Report 各年版
(注) 1. その他ブランドは Bentley, Lamborghini, Bugatti, Porsche。"商用車" はすべて VW ブランドで、MAN、Scania を含まない。
2. MANの台数を2011年11月9日分から含む。
3. Porscheの台数は2012年8月分から、「その他」に含む。
4. (  )」内の数値はマイナス値を表す。

 

VWグループの連結業績

(100万ユーロ)
2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 変化率
売上高 113,808 105,187 126,875 159,337 192,676 197,007 2.2%
営業利益 6,333 1,855 7,141 11,271 11,498 11,671 1.5%
税引き前利益 6,608 1,261 8,994 18,926 25,487 12,428 (51.2%)
税引き後利益 4,688 911 7,226 15,799 21,884 9,145 (58.2%)
資料:VW Annual Report 各年版
(注) 1. Revenue と Profit には、Financial Service 部門を含む。
2. Porscheを2012年8月1日から、MANを2011年11月から連結。
3. 2010~2012年の税引き前利益には、Porscheの株式に関するプット/コールオプションの再評価などによる特別利益を含む
4. (  )」内の数値はマイナス値を表す。

 

VWの2014年計画

2014年計画 ・売上高は、為替変動などの影響を考慮し、前年比3%前後増を見込む。
・世界販売台数は年間1,000万台到達を見込む
・Return on Sales (RoS)については5.5%~6.5%の範囲になると予測している。
・2014年~2015年で、新型Pasaat、Audi A4, Q7、Porsche Macan、PHV版のPorsche Cayenne、Skoda Fabia、Skoda Superb、SEAT Ibizaなど、合計100の新規・更新モデルを投入する。

 

 



BMW:2014年は販売台数・営業利益共に前年超えを見込む

 BMW groupの2013年の世界販売台数は、前年同期比6.4%増の196.4万台となり、過去最高の販売台数を達成した。各ブランドで販売記録を更新し、BMWブランドではBMW X1や3 Series、5 Seriesなどが好評で、前年比7.5%増の165.5万台。MINIブランドでは1.2%増の30.5万台、Rolls-Royceブランドでは3,600台となった。

市場別に見ると、2013年のアジアでの販売台数は初めて50万台を超え、前年比17.3%増の57.9万台を達成した。その内中国は米国の販売台数を抜いて19.7%増の39.2万台と大きく増加し、BMWの最大市場となった。米州は9.1%増の46.4万台で内米国は8.1%増の37.7万台。本国ドイツでは25.9万台と前年より9.8%減少している。

BMWグループの2013年の業績は、売上高は為替の影響などにより、前年より1.0%減の760億5800万ユーロ、営業利益(EBIT)は新技術への投資や設備投資の影響から、3.5%減の79億8600万ユーロ。純利益は4.5%増の53億4000万ユーロとなった。

BMW のブランド別/地域別世界販売台数

(台)
2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2012年~
2013年
変化率
BMW 1,202,239 1,068,770 1,224,280 1,380,384 1,540,085 1,655,138
7.5%
MINI 232,425 216,538 234,175 285,060 301,526 305,030
1.2%
Rolls-Royce 1,212 1,002 2,711 3,538 3,575 3,630
1.5%
Total 1,435,876 1,286,310 1,461,166 1,668,982 1,845,186 1,963,798
6.4%
Germany 280,900 267,500 267,200 285,300 287,400 259,200
(9.8%)
United Kingdom 151,500 137,100 154,800 167,500 174,500 189,100
8.4%
Rest of Europe 432,200 357,300 369,200 405,600 403,500 411,200
1.9%
Americas 355,400 294,200 329,700 380,300 425,300 463,800
9.1%
内USA 303,600 242,100 266,600 306,300 348,500 376,600 8.1%
Asia 165,700 183,200 286,300 375,500 493,400 578,700
17.3%
内China 65,900 90,600 183,328 233,630 327,300 391,700 19.7%
Others 50,200 47,000 54,000 54,800 61,100 61,800
1.1%
資料:Annual Report 各年版
注1. 「(  )」内の数値はマイナス値を表す。

 

BMWの連結業績

(100万ユーロ)
2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2012年~
2013年
変化率
生産台数 (台) 1,439,918 1,258,417 1,461,253 1,738,160 1,861,826 2,006,366
7.8%
売上高 53,197 50,681 60,477 68,821 76,848 76,058
(1.0%)
EBIT 921 289 5,111 8,018 8,275 7,986
(3.5%)
税前利益 351 413 4,836 7,383 7,803 7,913
1.4%
純利益 330 210 3,224 4,907 5,111 5,340
4.5%
資料:Annual Report 各年版
注1. 「(  )」内の数値はマイナス値を表す。

 

BMW 2014年の計画

2014年目標と計画 ・2014年は世界販売台数の記録を更新し、販売台数200万台を超え、プレミアムカー市場で1位を維持する。また、営業利益についても前年を上回る。
・BMW 2 series coupe、BMW X3、X4、MINI、Rolls-Royce Ghost II など、新型・更新モデルを合計16種投入する。
・自動車部門の売上高は、新規モデルの投入により2014年後半より増加する。
・米国Spartanburg工場の生産能力増強を図る。(2012年の生産台数は30万台)
・ブラジル Araquari新工場を2014年秋に稼働。2億ユーロを投資して、年産3万台を目指す。
・2013年に生産能力を30万台に増強した中国では、40万台へ増強することを検討。
・オランダではVDL NedCarの工場で新型MINIの委託生産を2014年夏に開始する。

 



Daimler:新モデル投入効果で売上高・販売台数拡大を予想

 Daimlerの乗用車部門、Mercedes-Benz Carsの2013年世界販売は前年比で7.9%増の156.6万台と過去最高を記録した。地域別に見ると、西欧全体では前年より1.4%増加の64万台となった。ドイツでの販売台数は前年比3.5%減の28万台となったが、英国で前年比12.3%増の11.4万台、ベルギーで14.7%増の2.6万台などの販売好調で、ドイツの販売台数を補った。米国の販売台数は、本国であるドイツの販売台数を2年連続で超え、前年比6.3%増の31.9万台に拡大した。中国では前年より14.5%増の23.9万台が販売されている。DaimlerはAクラスやCLAクラスなど、コンパクトカーのラインアップ充実が販売増加の要因であるとしている。

Daimlerの2013年の業績を見ると、前年比で売上高が3.2%増の1,179億8,200万ユーロ、EBITが22.6%増の108億1,500万ユーロと過去最高の利益を達成した。乗用車部門のEBITを見ると、前年と比較して8.8%減の40億600万ユーロとなった。新モデルや新技術の開発、生産体制の強化と整備によるとしている。

Daimlerは2014年について、C-Classをはじめとする新モデル導入や新興国市場での生産・販売能力強化により、販売台数・売上高が共に拡大して行くと見通している。

Mercedes-Benz Cars の地域別販売台数 (卸売台数)

(台)
2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2012年~
2013年
変化率
西欧 733,233 623,489 635,798 625,168 631,423 640,162 1.4%
内ドイツ 332,472 297,756 292,895 290,658 289,923 279,894 (3.5%)
内ドイツを
除く西欧
400,761 325,733 342,903 334,510 341,500 360,268 5.5%
米国 251,160 202,955 220,454 250,355 299,741 318,507 6.3%
アジア 144,141 138,942 261,568 335,449 338,286 389,065 15.0%
内中国 48,620 67,451 159,974 223,059 208,494 238,727 14.5%
その他 144,479 128,519 159,007 170,444 182,119 217,829 19.6%
合計 1,273,013 1,093,905 1,276,827 1,381,416 1,451,569 1,565,563 7.9%
資料:Daimler Annual Report 各年版
注1. 「(  )」内の数値はマイナス値を表す。

 

Daimlerグループの連結業績

(100万ユーロ)
2008年 2009年 2010年 2011年 2012年

2013年

2012年~
2013年
変化率
生産台数 (1,000台) 2,150 1,456 1,941 2,137 2,195 2,384 8.6%
販売台数
(1,000台)
乗用車 1,273 1,094 1,277 1,381 1,452 1,566 7.9%
商用車 800 457 619 730 746 788 5.6%
Total 2,073 1,551 1,895 2,111 2,198 2,354 7.1%
売上高 乗用車 47,772 41,318 53,426 57,410 61,660 64,307 4.3%
商用車 42,859 28,813 36,394 42,348 44,388 44,947 1.3%
Total 98,469 78,924 97,761 106,540 114,297 117,982 3.2%
EBIT 乗用車 2,117 (500) 4,656 5,192 4,391 4,006 (8.8%)
商用車 368 (792) 1,998 2,873 2,023 2,392 18.2%
Total 2,730 (1,513) 7,274 8,755 8,820 10,815 22.6%
純利益 1,414 (2,644) 4,674 6,029 6,830 8,720 27.7%
資料:Daimler Annual Report 各年版
(注) 1. 乗用車は Mercedes-Benz Cars 部門、商用車は Daimler Trucks、Mercedes-Benz Vans、Daimler Busesの合計。生産台数は両部門合計。
2. 売上高 と EBIT (Earnings Before Interest and Taxes)の Total には Financial Services 部門を含む。
3. (  )」内の数値はマイナス値を表す。
4. 2013年のEBIT合計と純利益には、EADS株の再評価益と2013年4月の売却益による31億9,400万ユーロが含まれる。

 

Daimlerグループの2014年の見通し

2014年の見通し ・Mercedes-Benz Carsは、S-Classや新型C-Class sedanの他、GLAクラスをはじめとするコンパクトカーや、2014年後半に投入予定のC-Class wagonなどの投入により、販売台数が前年を超える見込み。
・Mercedes-Benz Vansは、新型Sprinter、新型Vito、新型V-ClassやCitanが貢献し、販売台数増加を見込む。また、北米、南米、中国市場で拡大していくとしている。
・Daimler Trucksでは2014年前半は需要減を見込むが、欧州市場が回復し販売台数が伸びて行くと予想。ブラジルでは販売台数は微減を予測。北米では昨年に続き、販売増を見込む。アジアでは、インドBharatBenzの新モデル導入の効果で販売が増加するとしている。
・Daimler BusesではGVW8トン以上のバスで、新モデル投入により販売台数増加を見込む。市場別ではブラジル、欧州で増加を見込む。
・売上高については、2013年に投入したモデルや、2014年に投入予定のモデルが販売を促進して、2014年は前年を上回ると予想。また、アジア、東欧、南米市場で伸びるとしている。EBITについては、Mercedes-Benz CarsとDaimler Trucksが前年を大きく上回る見込み。Daimler Busesは若干前年よりも上回り、Mercedes Benz Vansは前年と同水準としている。

 

 



LMC Automotive 生産予測:仏Light Vehicle生産予測

(LMC Automotive社、2014年2月)

フランス内のLight Vehicle生産台数 LMC Automotive社の2014年2月の予測によると、フランスでのLight vehicle生産台数は、2014年に前年比6.2%増の181万台に増加する。その後、2015年~2016年には170万台規模に下降するが、2017年には189万台へと拡大する。生産規模がやや回復しているように見られるが、2017年の生産量は、2011年の229万台と比較して、17.4%減少している。
販売グループ別に見ると、PSAとRenault-Nissanは2013年比で、2017年に生産台数が拡大する。PSAは3.6%増の94.8万台になる。Renault-NissanはFlins工場に、インドで生産していたNissan Micra(マーチ)を移管することにより、大幅に生産量が増加する。2013年と比較して、15.4万台増の64.2万台に増え、生産台数の内Nissan車は10.7%を占めている。
フランスでの生産は回復していくように見えるが、2011年と比較してPSAやRenault-Nissanは過去の生産台数には戻っていない。LMC Automotive社は「フランスの生産能力は現在45%しか稼働しておらず、またAulney工場が2014年に閉鎖するが、稼働率50%以上を達成するには生産拠点の更なる再編成が無くては難しい」とコメントしている。

LMC社によるフランスのLight vehicle生産予測

Sales Group Global Make 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017
Total 2,294,761 1,975,533 1,704,877 1,810,810 1,751,451 1,725,414 1,894,919
Daimler Group Mercedes-Benz 0 14,089 17,736 19,491 20,970 21,423 21,084
Smart 103,635 104,154 99,970 84,542 104,201 108,217 108,680
Daimler Group Total 103,635 118,243 117,706 104,033 125,171 129,640 129,764
Fiat Chrysler Automobiles Fiat 19,786 15,206 13,416 13,095 12,139 10,974 0
General Motors Group Opel 0 0 0 0 0 0 21,615
PSA Group Citroen 565,534 494,335 391,426 391,335 372,516 324,272 356,835
Peugeot 791,637 622,225 524,206 637,607 597,987 585,730 591,508
PSA Group Total 1,357,171 1,116,560 915,632 1,028,942 970,503 910,002 948,343
Renault-Nissan Group Nissan 0 0 0 6,184 9,055 25,789 69,125
Renault 646,308 531,022 487,249 495,300 479,648 506,192 572,400
Renault-Nissan Group Total 646,308 531,022 487,249 501,484 488,703 531,981 641,525
Toyota Group Toyota 167,861 194,483 170,855 163,237 154,916 142,798 153,653
Other Sovam 0 19 19 19 19 19 19
Source: LMC Automotive, Global Automotive Production Forecast, February 2014
(注) 1. データは、小型車(乗用車+車両総重量 6t以下の小型商用車)の数値
2. 本表の無断転載を禁じます。転載には LMC Automotive 社の許諾が必要となります。
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