Fordの中国事業: 2013年販売は46%増、2014年1-2月も59%増と急拡大中

2015年完成車160万台/エンジン140万基年産体制へ

2014/03/12

要 約


 以下は、Fordの中国における、新車販売最新動向、2015年までの現地生産モデル導入計画、完成車及びエンジンの最新生産体制、合弁会社別・モデル別販売実績と計画をまとめた。

関連レポート:


快進撃を続けるFordの中国新車販売

Fordの中国生産車の新車販売推移  Fordの中国における2013年の新車販売は、史上最多の91.3万台 (輸入車2.7万台を除く) となった。前年比伸び率は45.8%で、中国全需の13.9% を大きく上回った。

 セダン・ハッチバックでは、Focus (福克斯) の販売が新型と旧型を合わせて2013年には40.4万台に達し、VWのJetta (捷達) やGMのLavida (朗逸) を抑えて、2012年に続いて首位になっている。

 また、2014年1~2月累計の同新車販売は16.8万台で前年同期比59%増と販売増加の勢いが増している。


 Fordは、2014年の同新車販売目標を104万台超と発表しているが、1~2月の販売の勢いを考慮すると、120~130万台の販売も可能のように思われる。2014年は、2013年に市場投入した新型Fiesta (嘉年華)、新型Ecosport (翼搏)、新型Mondeo (蒙迪欧) の販売が通年で貢献することに加えて、中国独自モデルのEscortやグローバル小型MPVのS-MAXも投入される。更に、Fordは、2014年3月から2015年までに、新型ライトビークル合計7車種以上を現地工場で新たに生産する計画も明らかにしている。


 こうした販売の急増に対応するために、生産能力の整備も着々と行っている。中国合弁工場の年産能力は、2014年3月時点の100万台規模から、2015年には、2014年後半以降の重慶第3工場ならびに杭州新工場の稼動などにより最大160万台、近い将来には190万台に拡大する計画も予定している。また、エンジンについては、詳細な中長期的な計画は明らかにされていないが、2015年に140万基規模 (現行138万基) に拡大する。


Fordの中国新車販売台数

(台)
新車販売
2012年 2013年 2014年
(計画)
前年比
Ford 中国総合計
(出荷ベース、輸入込み)
634,070

939,548

48.2%

1,040,000超

◇輸入車合計 8,108 26,856 231.2% --
◇現地製モデル合計 625,962 912,692 45.8% 1,040,000
ブランド別/車型別 Ford/乗用車 475,678 746,736 57.0% --
Volvo/乗用車 7,453 3,735 -49.9% 6,000
JMC/SUV・軽型商用車 142,831 161,829 13.3% --
遠威/重型トラック - 392 -
メーカー別/
車型別
▽長安Ford合計 (*注) 425,954 682,686 60.3% 790,000
車型別 セダン/ハッチバック 424,154 525,817 24.0% --
MPV 1,800 1,298 -27.9%
SUV - 155,571 -
▽江鈴汽車股份合計 200,008 230,006 15.0% 250,000
車型別 SUV 12,264 15,095 23.1% --
軽型バス (Transit) 57,177 67,785 18.6%
重型トラック - 392 -
軽型トラック 68,540 79,936 16.6%
ほか、Pickup 62,027 66,798 7.7%

(*注) 長安Fordの重慶工場で、Volvo ブランド車を受託生産している。

 

 



Fordの中国における最新モデル投入状況 (2012~2015年)

 Fordは2011年4月、上海モーターショーの会場で、2011年4月から2015年までに、中国市場に最新型完成車15車種を導入する、所謂"中国「1515戦略」"を発表した。これらの新モデル投入計画に沿って、中国乗用車市場において、A/Bセグメントのセダン/ハッチバック、CセグメントのSUV、MPVを含む広いライトビークル分野への参入を実行している。

Fordの中国 "1515戦略" に掲げた新モデル投入状況

▽長安Ford (重慶/杭州市工場)
モデル 現地生産
時期 (予定)
詳細
新型 Focus
(福克斯)
2012年4月  コンパクト乗用車。標準販売価格 (メーカー希望小売価格に相当) は11.99万~16.99万元。
Kuga
(翼虎)
2013年1月  コンパクトSUV (米国名:エスケープ)。標準販売価格は19.38万~27.58万元。
新型 Fiesta
(嘉年華)
2013年3月  マイナーチェンジをした、Bセグメントのグローバルモデル。標準価格は7.99万~11.69万元。 変速機は、6速PowerShift DCT に切り替えた。1.5L 4気筒エンジンを搭載。2014年2月、5ドアハッチバック仕様モデルに1.0L ターボ付3気筒GTDi EcoBoostエンジンが追加された。
Ecosport
(翼搏)
2013年3月  小型SUV。1.0L 3気筒 EcoBoostターボ付エンジン/1.5L 4気筒エンジンを搭載。標準販売価格は9.48万~12.78万元。
新型 Mondeo
(蒙迪欧)
2013年8月  フルモデルチェンジしたMondeoの最新モデル (中型乗用車)。標準販売価格は18.99万~27.59万元。 新しいプラットフォームを採用。1.5L(ターボ付)/2.0L GTDi のEcoBoostエンジンと、6速ATを組み合わせる。
Escort
(中国語登録
仮称"福睿斯")
2014年  Focusクラシックモデルの代替モデルと位置付けられたコンパクトセダン。販売予定価格は9万元から。VW Lavida/Boraも主な競合車種。
 なお、Focusクラシックモデルをベースにした、合弁会社独自の新ブランド車の開発が進められている報道がある。
新型 S-MAX
(麦柯斯)
2014年  コンパクトMPV。長安Fordの重慶工場で生産。販売予定価格は19万~25万元。
新型 Edge
(鋭界)
2015年1月
以降
 中型SUV。生産工場は杭州工場が有力。早ければ2014年後半からテスト生産を開始する予定。(2013年3月から輸入販売、標準価格29.28万~42.98万元。)
KA
(Start concept)
2015年  Start コンセプトカーをベースにして、開発した通勤など向け微型ハッチバック (ボディサイズは Fiesta より小さい)。メーカー標準価格は約 5万~7万元。
 排気量1.0L GTDi 3気筒 EcoBoost ガソリンエンジン、または、1.0L 自然吸気型エンジンと、5速MT/マニュアルモード付4速AT の搭載を検討中。
Taurus
(金牛星;
製品コード
"D568")
2015年後半  Fordのフラグシップモデル (新型Mondeoより上級の位置づけ)。早ければ2015年第3四半期から、長安Fordの杭州新工場で生産開始。初年度2.7万台、2016年以降年10万台以上の生産販売を計画。
 FordのCD4プラットフォームをベースに開発。動力システムは排気量2.0L EcoBoostターボ付仕様、または3.5L V6仕様のエンジンと、マニュアルモード付の6速ATを組み合わせる。
▽江鈴汽車股份 (江西省工場)
モデル 現地生産
時期 (予定)
詳細
Ford U375
(製品コード/
プロジェクト
コード"J08")
2015年上半期  トヨタ「Prado」が主な競合車種とされる、大きいサイズSUV (ボディの全長は約5,000mm)。但し、タイモデル「Ford Everest」をベースにした中型SUVであるとの報道もある。江西省の小藍工場に既存SUV「馭勝」と同じラインで生産。販売予定価格は27万~45万元。
 排気量3.5L 直噴型/ターボ付 2.0L EcoBoostガソリンエンジン、またはPUMAシリーズディーゼルエンジンを搭載。エアサスペンション、ESPシステムなどを装備。
Ford V362
(製品コード)
2015年  次世代 Transitと位置付ける、2+2+3座席仕様のFord大型 MPV (但し、Ford Tourneo Customとの報道もある)。江鈴汽車股份の江西省の小藍工場で生産。EcoBoost エンジンを搭載。販売予定価格は18万元から。
▽輸入販売車 (現地生産時期は不明)
モデル 現地生産
時期 (予定)
詳細
Fiesta ST 2013年3月  Fiestaのスポーツ仕様モデル。標準販売価格は18.59万元。
Focus ST 2013年3月  Focusのスポーツ仕様モデル。標準販売価格は25.98万~26.58万元。
Explorer 2013年3月  大型サイズSUV (輸入車の中国名称は探索者、探険者)。標準販売価格は48.98万~53.98万元。

(*注) このほか、杭州新工場は、2015年以降、Lincolnブランド「MKX」「MKZ」などの上級乗用車も生産。2013年12月に発表されたFord Mustang 6代目の輸入販売も開始すると報じられている。
また、2014年後半から、高級小型SUVのLincoln 「MKC」の中国での輸入販売を開始するとの報道もある。

 

 



完成車の生産能力は2015年160万台、中期的に190万台の構想

 Fordは、乗用車生産を重慶の2工場と南京工場で行ってきたが、マツダとの合弁解消に伴い、南京から撤退し、同じ華東地域に位置する浙江省で立ち上げる杭州工場と、新設する第3工場を含め3つの重慶工場という新しい乗用車4工場生産体制になる。2015年1月の稼働が予定される杭州工場は、稼働当初の年産能力25万台から今後2期建設を経て最大50万台に拡張できる。

 中国現地完成車の年産能力は、乗用車を中心にして、軽型・大型商用車を合わせて、2014年2月末時点100万台 (最大104万台) で、2015年は160万台規模、中期的に190万台に拡大する構想である。

Fordの中国完成車生産体制の最新状況

(1,000台)
中国合弁会社(車型) 生産実績 計画 年産能力
2012年 2013年 2014年 2014年
2月末時点
拡張後(計画年)
長安福特汽車
(長安Ford)

*注:Volvo受託生産を含む。

493.5



684.5



790



570



870~920
(2014年後半) →1,120~1,170 (2015年)
→1,420以上 (将来)
重慶工場 Sedan/hatchback 491.4 525.4 (内数)
Kuga 144、
Volvo S80 6
第1工場 270、
第2工場 300、
第3工場 (建設中、2014年後半から
稼働の予定)
第1工場 270、
第2工場 300、
第3工場 300~
350(2014年後半)
→ N/A (将来)
MPV 1.9 1.2
SUV (2WD) 0.3 157.8
杭州工場 上級モデル
も生産の予定
(2014年2月時点建設中、2015年稼働予定) 250 (2015年)
→ 500 (将来2期建設経て)
江鈴汽車股份 *202.0 *235.9 *250以上 *430
Max. *470
*440超 (2015年)
→*470超 (将来)
江西工場 Ford Transit *57.3 *70.7 N/A 南昌旧工場:
*120
小藍(新)工場:
*300
N/A
JMC 軽型トラック *69.7 *80.7
JMC SUV/Pickup *75.0 *84.3
太原工場 重型トラック
(江鈴重型汽車)
- 遠威ブランド
*0.2
(*178台)
N/A
(2012年発表
計画台数は15)
*10
Max. *50
*20 (2015年)
→*50 (将来)
総合計
(Ford合弁工場)
*695.6 *920.4 *1,040以上 *1,000~
*1,040
*1,300~*1,390 (2014年後半) →*1,560超~
*1,610超(2015年)
→*1,890 (将来)

▽(参考) マツダの中国における完成車生産体制の最新状況

(1,000台)
中国合弁会社(車型) 生産実績 計画 年産能力
2012年 2013年 2014年 2014年
2月末時点
拡張後
(計画年)
長安馬自達汽車
(長安Mazda)
67.1

67.8

約100

220

300(~2017年)

南京工場 Sedan/hatchback 67.1 44.4 N/A 220 300(~2017年)
SUV (2WD) - 23.4
一汽轎車股份
注:Mazda車の受託工場。
102.4

119.4

約130

約200

約260以上

長春第1工場 Sedan/hatchback 100.5 113.5 N/A 約200 約260以上
MPV 1.9 5.9
合計 169.5 187.3 約230 約420 約660以上
(~2017年)

(注) *表記は、商用車を含む台数。一汽海馬汽車におけるMazda Premacy/Familyの受託生産のライセンス契約は、2007年12月に契約満期になった。

 

Fordの乗用車合弁事業、長安汽車集団と折半出資の長安Ford に再編

 Fordと長安汽車集団及びマツダの3社合弁の乗用車生産会社「長安福特馬自達汽車有限公司」(長安Ford-Mazda) を2社に分立して存続する計画が、2012年11月に、関係する政府機関から承認を受けた。
 分立によって再編した存続会社 (現地生産法人) 2社は、重慶拠点を母体にした、Fordと長安汽車集団が折半出資する「長安福特汽車有限公司」 (長安Ford) と、南京拠点を母体にした、マツダと長安汽車集団が折半出資する「長安馬自達汽車有限公司」(長安Mazda) 。
 長安Ford は Fordブランド、長安Mazda は Mazdaブランドの関連業務に特化して従事する。なお、同3社の南京にあるエンジン生産の合弁会社、「長安福特馬自達発動機有限公司」(長安Ford-Mazdaエンジン)は、現行のままで存続する。

 

▽長安Ford-Mazda再編前後の関連図:

長安Ford-Mazda再編前後の関連図

 

▽長安Fordの重慶工場拡張: 第3工場建設で総年産能力92万台に拡大へ
 長安Ford-Mazda (現・長安Ford) は、重慶での第3乗用車工場の建設に、2012年8月着工。2014年後半に工場稼働する予定。
 同工場建設への投資総額は6億米ドルで、年産能力は当初30~35万台。稼働後は、重慶にある既存の第1工場(年産能力27万台)と、第2工場 (30万台) と合わせて、重慶での乗用車年産能力を最大92万台へ引上げられる見通し。
長安Fordの重慶併設 R&Dセンター拡張について
 長安Fordは2012年8月、重慶での第3乗用車工場建設に併せて、重慶にある前・長安Ford-Mazdaの併設R&Dセンターの拡張建設に着工した。投資額など詳細は明らかにされていない。
 なお、Fordは2014年3月、江蘇省の南京に、単独出資するエンジニアリングR&Dセンター「福特汽車工程研究(南京)有限公司 (Ford Motor Research & Engineering (Nanjing) Co., Ltd.) に約1億米ドルの追加投資を行うと発表。従業員数を現行より 50%以上増にして、2,000名まで増員すると同時に、同(南京)R&Dセンターから100km離れたところに、テストコースの追加建設も実施する。
長安Ford の重慶工場における、Volvo車受託生産を継続
 長安汽車集団とFordは、Ford傘下であった、Volvoの「S40」「S80」の長安Ford重慶工場における受託生産について、Volvo 「S40」は2015年まで、「S80」 (中国仕様はロングホイールベースモデル 「S80L」) は2018年まで継続される。
 長安Fordは2014年のVolvoモデル(「S80L」) の生産販売目標を6,000台としている (2013年実績は3,735台であった)。 なお、2012年初から年2万台規模で、長安Fordの重慶工場 (前・長安Ford-Mazda) における、「S60」 (「S80」と同じのプラットフォーム"P2"採用) の受託生産も計画していた。吉利控股集団のVolvo買収が原因で中止された経緯もある。
(参考1) 吉利控股集団傘下のVolvo Car 中国プロジェクト最新動向
 Volvo Car の中国における開発/生産体制などの事業構築は順調で、すべての計画プロジェクトの政府による承認は2014年1月時点すべて取得済みと、親会社の吉利控股集団が2014年3月1日に明らかにした。
 承認された主なプロジェクトは、成都完成車工場、大慶 (黒龍江省) 完成車工場、張家口 (河北省) エンジン工場および上海研究開発センターの建設を含む。
(参考2) 長安Mazdaについての最新動向
 マツダは、2012年11月末にFordとの共同合弁事業から独立。2013年1月には、長安汽車股份と折半出資する新しい合弁会社、「長安馬自達汽車有限公司:長安Mazda」(江蘇省南京市) を設立した。
 同社の乗用車工場の年産能力は、2014年2月時点22万台。現行のMazda 2/Mazda 3/CX-5に加えて、2014年半ばに、フルモデルチェンジした新型「Mazda3」(日本名:アクセラ/中国名:Axela昂克賽拉) の生産販売を開始する。

 

▽長安Fordの杭州新工場: 2015年稼働へ
 Fordと長安汽車集団は2012年8月、重慶3工場に続く、中国で4番目となる乗用車工場の建設に浙江省の杭州市で着工した。2015年初に稼働する予定。
 同工場建設への総投資額は75億元/11.6億米ドル (うち、1期約49億元/7.6億米ドル)。プレス/溶接/塗装/組立て生産施設を含む。年産能力は、1期25万台で、2期建設を経て50万台に引上げる計画。
 杭州工場は、Fordの中高級車に採用されている「CD4」プラットフォーム採用車種 (Lincoln MKX/MKZを含む) を導入し、Mondeo及びTaurusを含む上級車種も生産する予定。工場敷地面積は140万㎡で、今後、追加建設を計画しているエンジン/変速機を含む中核部品の、敷地面積66.7万㎡を有する工場予定地も確保されている。

 

ライトビークル合弁事業強化、合弁会社にも2%増資

 また、Fordは、軽型バス (Ford Transit)/SUV/Pickupなどのライトビークルを生産している、30%出資していた江鈴汽車股份を通じて、中国におけるライトビークル事業を強化する。2015年をめどに、江西省南昌市の小藍合弁工場に、次世代「Transit」や大型サイズSUVなどの現地生産を開始する。
 Fordは、2013年の1月から11月にかけて、ライトビークル事業強化に併せて、合弁会社「江鈴汽車股份」への増資を実施。江鈴汽車股份への出資比率を、これまでの 30%から 32%に増資した。

 

重型商用車事業参入: 山西省太原市で重型トラック生産体制構築

▽江鈴汽車股份: 山西省の重型トラックメーカーを完全子会社に
 Fordが32%出資する江鈴汽車股份は、2013年1月に、中国兵器装備集団及び長安汽車集団が所有していた、山西省 (太原市経済技術開発区) の重型トラックメーカー、「太原長安重型汽車有限公司」 (太原長安) の株式100%を2.7億元で買収して、完全子会社に再編した。これにより、Fordは、中国で重型商用車事業にも参入することになった。
 これに伴い、太原長安の正式会社名は、「江鈴重型汽車有限公司」(江鈴重型、英語表記はJMC Heavy Duty Vehicle Co., Ltd.: JMCH) に改称された。
 前・太原長安の保有していた太原完成車工場は、敷地面積 50万㎡。併設R&Dセンター (敷地面積2,800㎡)/組立工場 (同1.68万㎡)/プレス工場 (同1.2万㎡)/フレーム組立工場 (1.46万㎡)を含む。年産能力は重型トラック (1直) 1.5万台、最大5万台であった。2012年に策定した会社の3年間中期事業計画では、2012年に完成車販売1.5万台/売上高30億元超/中国重型トラックメーカー上位10社入り、2015年には売上高150億元超/同上位5社入りとしていた。但し、2013年の重型トラックの販売実績はわずか392台 (生産は178台)。
▽太原市の完成車工場を改良拡張中
 江鈴汽車股份は、合計約3.62億元投資を実施し、2013年7月に江鈴重型汽車の太原完成車工場 (太原市経済技術開発区) の改良・拡張建設に着工。2015年上半期をめどに完工する予定。完工後の同完成車工場の年産能力は2直2万台の計画。新工場は、プレス/車体/塗装/組立及び物流などの補完施設を含む。
 江鈴汽車股份は、これに加えて、太原市経済技術開発区に新しい工場用地を購入して、エンジン工場も建設する。今後数年間にかけて、江鈴重型の年産能力体制を、完成車5万台、大型エンジン5万基に拡張する計画。

 

 



エンジンの現行年産能力は140万基弱

 Fordは、2011年4月から2015年までに、新型15車種を市場導入する所謂Ford中国事業「1515戦略」の一環として、新型エンジン及び変速機合計約20機種を導入する予定。これに併せて、エンジン/変速機などのパワートレイン体制の整備を加速している。

 現地工場でのエンジン年産能力は、現行140万基弱で、今後の拡張計画が明らかにされていない。但し、杭州にある乗用車新工場の隣接地に、新しいエンジン工場、ならびに変速機などの中核部品工場の予定地が確保されている。

Fordの中国におけるエンジン工場の年産体制

(1,000基)
エンジン工場 主な生産機種 生産実績 年産能力 備考
2012年 2013年 2014年
2月末
時点
拡張後
(計画年)
長安Ford-Mazdaエンジン
(現地独立法人)
SKYACTIV-G/BZ/
新型I4/Sigmaシリーズ
289.8

389.7

430

N/A

 長安Fordと、長安Mazdaともにエンジンを納入。
  (内数) SKYACTIV-Gシリーズ N/A N/A 120 N/A -
長安Ford重慶
第1併設エンジン工場
2.0L、2.3Lモデル等 195.9 283.0 350 N/A -
長安Ford重慶
第2併設エンジン工場
1.5L Sigma のTi-VCT/GTDi,
1.0L Fox GTDi
400 (拡張計画
あり)
 2013年10月正式に稼働。
長安Ford杭州
併設工場
N/A (工場建設予定地が確保されており、建設着工時期は未定)
江鈴汽車股份
小藍エンジン工場
2.0L I4 GTDi エンジン
を含む SUV/軽型車向け。
(2015年から「J15」追加)
205 239 200 N/A  2015年から、2.0Lターボ付EcoBoostエンジンも追加導入へ。
江鈴重型汽車
太原併設エンジン工場
Fordトルコ合弁会社モデル
「J17」等(重型トラック向け)
(2013年7月建設に着工、
2015年稼働の予定)
20(2015年)
→50(将来)
 新しいエンジン工場
合計 690.6 912.0 1,380 1,400超
(2015年)
→1,450超
(将来)

 

重慶市で、長安Fordに併設するパワートレイン工場の生産体制強化

▽新しい重慶 (第2) 併設エンジン工場: 2013年6月に稼働
 長安Fordの新しい重慶エンジン工場 (北部新区礼嘉工業園) は、2013年6月に稼働し、排気量1.5L Ti-VCT (最大出力81kW)と、ターボ付 1.0L 直噴型 (92kW) エンジンの生産を開始した。同工場のエンジン年産能力は稼働当初40万基で、今後は75万基に拡張する。 工場建設への投資総額は5億米ドルで、工場の敷地面積は40万㎡超、建屋面積は16.5万㎡。
▽重慶変速機工場: 2014年内に稼働へ
 長安Fordは、2011年9月に重慶(北碚新区) に着工した、Ford初 の中国変速機工場 (併設) が2014年内に完工し、生産を開始する予定。2013年末までという当初の計画よりやや遅れている。同工場建設への投資総額は3.5億米ドルで、初期の年産能力は最大40万基の計画。主に、Fordの省エネタイプの6速ATを生産する。

南京エンジン合弁会社: マツダSKYACTIV 新型エンジンも導入

 Fordとマツダおよび長安汽車集団との3社合弁の南京エンジン工場、「南京長安福特馬自達発動機」(長安Ford-Mazdaエンジン) は、完成車事業と異なり、これまでの合弁生産体制が継続されている。
 同工場のエンジン年産能力は2014年2月時点、すでに、稼働当初の35万基から43万基に引上げられている。うち、マツダの主力機種でエコタイプの「SKYACTIV」シリーズの生産能力は12万基に整備されている。この他、BZ/i4シリーズのガソリンエンジンも生産されている。

江鈴汽車股份: Ford技術の軽型/重型エンジンを追加導入

▽小藍エンジン工場: 2015年上半期「J15」ガソリンエンジンライセンス生産へ
 江鈴汽車股份は2013年9月、Fordのガソリンエンジン「J15」のライセンス生産について、自社の理事会決定を得たと発表した。2015年上半期から、江鈴汽車股份の小藍エンジン工場 (JMC Engine Plant) で生産する。稼働当初の年産規模(能力)は5万基。同エンジン導入の総投資額は1.97億元。ライセンス有効期間は6年間 (2015年から) 。
▽山西エンジン工場: 改良・拡張建設、Fordのトルコ合弁会社機種導入へ
 江鈴汽車股份の全額出資子会社になっている、江鈴重型 (JMCH) は2013年5月、太原市経済技術開発区に、敷地面積 11.9万㎡の新しい工場用地を購入し、新たに重型商用車向けエンジンの工場建設に着工した。2015年下半期をめどに稼働する予定。エンジン年産能力は稼働当初1万基。
 同工場建設への総投資額は約5億元。新工場は、シリンダーブロック、シリンダーヘッド、機械加工及びエンジン組立ての生産施設を含む。
 また、江鈴汽車股份は、これに併せて、江鈴重型の新しい重型商用車用ディーゼルエンジン「J17」の導入を決め、生産体制構築の準備も進めている。2013年4月は、Fordのトルコ合弁会社と同社がもつライセンスを使用して、中国本土における、「J17」大型エンジンを生産、使用、ならびに特定地域へ輸出する契約を結んだ。
 同エンジン導入の初期の技術使用ライセンス料は100万ユーロ。これに加えて、今後、搭載された機種1台当たり、150~190ユーロのライセンス料が発生する。ラインセンス有効期限は12年間。

 

 



(参考)

モデル別など、Ford/マツダの中国自動車販売台数詳細

(台)
新車販売
2012年 2013年 2014年(計画)
前年比
Ford 中国総合計 (出荷ベース、輸入込み) 634,070 939,548 48.2% 1,040,000超
◇輸入車合計 8,108 26,856 231.2% N/A
◇現地製モデル合計 625,962 912,692 45.8% 1,040,000
▽長安Ford合計 425,954 682,686 60.3% 790,000


セダン/
ハッチ
バック
Mondeo致勝 2.0L 50,933 18,554 -63.6% N/A
Mondeo致勝 2.3L 17,401 15,058 -13.5%
新型Mondeo新致勝 1.5L - 8,846 -
新型Mondeo新致勝 2.0L - 26,901 -
Focus 2box1.8L 86,741 93,741 8.1%
Focus 2box2.0L 663 0 -100.0%
Focus 3box1.8L 66,664 63,084 -5.4%
Focus 3box2.0L 113 0 -100.0%
新型Focus 1.6L 133,482 238,317 78.5%
新型Focus 2.0L 8,697 8,498 -2.3%
新型Fiesta 2box 1.3L 204 510 150.0%
新型Fiesta 2box 1.5L 34,581 32,711 -5.4%
新型Fiesta 3box 1.3L 464 0 -100%
新型Fiesta 3box 1.5L 16,758 15,862 -5.3%
Volvo S40 1,804 0 -100% 6,000
Volvo S80 2.0L 5,379 3,110 -42.2%
Volvo S80 2.5L 0 8 -
Volvo S80 3.0L 270 617 128.5%
MPV S-MAX 1,800 1,298 -27.9% N/A
SUV 翼虎 (Kuga) - 95,891 - 144,000
翼搏 (Ecosport) - 59,680 - N/A
ブランド別 Ford 418,501 678,951 62.2% N/A
Volvo 7,453 3,735 -49.9% 6,000
▽江鈴汽車股份合計 200,008 230,006 15.0% 250,000
ブランド別 Ford (Transit/軽型バス) 57,177 67,785 18.6% N/A
JMC (軽型トラック/Pickup/SUV) 142,831 161,829 13.3%
遠威 (重型トラック) - 392 -

(*注) 長安Fordの重慶工場で、Volvo ブランド車の受託生産が行われている。

(参考)▽マツダの中国乗用車販売
(台)
新車販売 (台)
2012年 2013年 2014年(計画)
前年比
◇Mazda 中国総合計
(出荷ベース、輸入を含まず)
172,732 184,298 6.7% N/A
(輸入込みは
23.8万台)




▽長安Mazda販売
(出荷ベース、輸入を含まず)
67,644 67,239 -0.6% N/A
長安Mazda
南京工場製
Mazda3 2box 1.6L 14,221 10,297 -27.6% (輸入込みは
10万台)
Mazda3 2box 2.0L 2,186 2,324 6.3%
Mazda3 3box 1.6L 46,885 29,603 -36.9%
Mazda3 3box 2.0L 1,303 1,112 -14.7%
Mazda2 2box 1.3L 317 182 -42.6%
Mazda2 2box 1.5L 1,747 770 -55.9%
Mazda2 3box 1.3L 71 83 16.9%
Mazda2 3box 1.5L 914 319 -65.1%
Mazda CX-5 - 22,549 -
▽一汽Mazda販売 (出荷ベース、輸入を含まず) 105,088 117,059 11.4% N/A
一汽轎車
工場製
Mazda6 2.0L 85,581 93,393 9.1% (輸入込みは
13.8万台)
新型Mazda6 2.0L 15,036 17,181 14.3%
新型Mazda6 2.5L 1,612 588 -63.5%
Mazda8 2,859 5,897 106.3%

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