FIAT:2016年までに欧州市場で収支均衡の達成を狙う

生産体制の見直しとAlfa Romeo、Maseratiの製品展開

2013/05/31

要 約

Fiat-Chryslerの地域別卸売販売台数 FIATは2015年~2016年の間に、欧州市場での収支均衡の達成を目指し、高収益を望めるハイエンド市場向けのモデル展開、生産体制の整備を行う。

 欧州市場での収益率を向上を狙い、また欧州工場の生産能力を最大限に発揮するために、イタリア国内ではAlfa RomeoやMaseratiを生産し、プレミアム/ラグジュアリーブランドとして展開。米国市場や成長を見込むアジア・太平洋市場向けの輸出モデルの生産を拡大する。

 より人件費が安いセルビア、ポーランドなどではFIATブランドの500シリーズなどの低価格車、コンパクト車の生産を行う。

 欧州域外では、2014年に年産20万台を目標にブラジルに新工場を建築する。メキシコではFIAT 500のポーランドへの生産移管に伴い、米国市場向けのChryslerブランド車の生産を拡大する。インド・中国では現地生産・販売体制の整備を行う。
 FIAT-Chryslerの2012年の世界販売台数は前年比6.1%増の420万9,000台となったが、2013年1~3月の販売台数の合計は、101.7万台と前年同期比0.2%減となった。FIATはChryslerを含む2013年のグループ全体の卸売台数は430万~450万台、2014年はグループ全体で460~480万台を計画している。
  LMC Automotive社は、2013年のFIAT(Chryslerを除く)の世界販売台数は前年比4.3%減の195万台になると予測している。同社は、FIATの販売台数減少はFIATブランド自身が要因だとしている。一方、2014年は前年比2.4%増と販売台数が好転、2016年には273万台まで販売が伸びると予想している。

 
関連レポート:
欧州6社:域外市場への進出とコスト削減を目指す(2013年3月掲載)
デトロイトモーターショー 2013 (1) (2013年2月掲載)



FIATの戦略:ブランド戦略と各市場での動き

 2012年、FIATは、Chryslerを除く単独の業績を見ると、2009年以来の赤字を計上した。FIATは欧州市場で、2015年~2016年までに収支均衡を目指すとしている。欧州域外市場ではラインアップの拡充、販売網の整備を行う。また同社は生産体制を再編し、イタリア国内では付加価値の高い車種や、北米・アジア/太平洋市場向けのモデルを生産、イタリア国外では小型セグメント車・低価格車の生産を増やす。2013年7月にはChryslerの完全子会社化を目指し、生産規模の拡大による製品コストの低減を見込む。

FIATの方針:

目標 ・2015年~2016年までに欧州市場で収支均衡達成を目指す。
ブランド
方針
FIAT ・FIATブランドは500とPandaを主力とし、今後の製品をその派生とする。
Maserati ・製品のラインアップを充実させ、5万~15万ユーロと今までより幅広い価格帯で提供する。
・2015年までに世界販売台数を、年50,000台規模(2012年:6,000台)に拡大する。
・2012年~2014年の期間に10億ユーロを投資する。(3分の1は2012年に投資した。)
Alfa Romeo ・パフォーマンス、スタイル、スポーティさを提供するセダン・クーペに注力する。
・他プレミアムブランドと競える価格に設定にする。
・北米/欧州市場での展開に焦点を当てつつ、成長の見込みが大きいアジア・太平洋市場にも注力する。
・2016年までに世界販売台数300,000台以上(2012年:101,000台)を目指す。
・2012年~2014年の期間に10億ユーロを投資する。
Jeep ・Jeepブランドを見直し、インド・欧州などの国際市場に合わせた製品を販売する
欧州市場での戦略 ・欧州での生産能力の15%を、Alfa Romeo、MaseratiやJeepの新小型SUVなどの、国際市場向けの製品生産に割当てる。
(欧州の工場稼働率:
*年間235日・1日16時間稼働したときの稼働率を100%として:
 2012年 → 70% 2016年目標 → 110%
*年間280日・3シフト制で稼働したときの稼働率を100%として:
 2012年 → 45% 2016年目標 → 70%
・欧州での生産台数200万台を目指す。(2012年:125万台)
・小型商用車の強い基盤を維持する。
・イタリア国内で付加価値の高い車種を生産する。
・イタリア国内から、北米向けの輸出を増やしながら稼働率の向上を図る。
・イタリア国外では小型セグメントの生産に注力する。
その他
市場での
動き
北米 ・2012年~2016年の間に、新モデルとモデルチェンジ50車種を発表する。
南米 ・商品構成を拡大しつつ、収益率を高く保つ。またPernambuco工場を、長期的に年産20万~25万台規模へ拡大する。(2012年の、ブラジル国内のFIATの生産は82万6,000台)
アジア・太平洋 ・中国では現行の2倍の数の販売店を2013年までに整備する。
・インドでは、販売分野におけるTataとの提携を見直し、独立した販売ネットワークを構築・拡大する。

注:FIATが、Chrysler株の残り41.5%を取得する為の資金、最大100億ドルを銀行団から調達することで協議に入っていると5月末に報道された。FIATはすでにChrysler株式の58.5%保有しており、残りはVEBA(全米自動車労組医療保険基金)が保有している。FIATは、VEBAから7月までに株式買収を望んでいる。また、後退する欧州の販売・売り上げを補い、生産規模の拡大で製品単位当たりのコスト減少を見込む。

 



欧州と欧州域外市場での生産体制の見直し

EMEA(欧州)市場での動き:

イタリア:Maserati、Alfa Romeoの新モデルや新型Jeepのイタリア国内生産を行う

 FIATはイタリア国内工場の稼働率を向上させ、高収益を見込めるMaseratiブランド、Alfa Romeoブランドを展開する。また、Chryslerと共有するプラットフォームをベースとしたモデルの生産も行う。

イタリア国内生産を
見直し
 2012年10月、FIATは労組代表と会合し、イタリア国内の生産を維持、国内拠点の閉鎖は行わない方針を示した。
Melfi工場で
新型Jeep・
FIAT 500Xを生産
 2012年12月、FIATはMelfi工場の拡張にChryslerと折半して10億ユーロを投資。2014年初頭よりJeepブランドの新小型SUVと、FIAT 500Xを生産すると発表した。同工場は溶接ロボットなど最新技術を数多く投入。同一の組立ライン上で4つのモデルを混流生産することが可能で、1日あたりの生産能力は3シフトで最大1,600台となる。
Grugliasco工場、
Maseratiの
新モデルを生産
 Grugliasco工場では、2013年4月29日に第2シフトがMaseratiの新モデルQuattroporte生産のために追加されると報道された。高級4ドアセダン、Ghibliは2013年夏に生産開始予定。2014年には米国のDetroit、 Jefferson North工場で生産予定だったSUV Levanteを生産する。
Mirafiori工場  Mirafiori工場では、Alfa-Romeo Mitoの生産に加えて、アッパーセグメントの乗用車を投入してグローバル市場で販売する計画。
Cassino工場  Cassino工場では、アメリカ市場向けにChryslerとの共有プラットフォームをベースに開発する新モデル(FIAT Compact US Wideプラットフォームをベースに開発していると報道されている)を投入する計画。
Modena工場  2013年3月のジュネーヴ・モーターショーで公開され、2013年6月に発売が予定されているAlfa Romeo 4Cを生産する。

 

セルビア:500L、500Xなどの生産体制を整える

Kragujevac
工場で
500Lを生産
 2013年3月、FIAT 500Lの受注好調と、6月に500Lの米国販売開始のため、セルビアKragujevac工場の出荷台数は2013年に11万台~15万台を見込むと報道された。FIATはセルビア政府との合弁会社への投資を継続し、従業員数を600人増員して2,500人とする計画。FIATはクロスオーバー版の500L Trekkingを2013年6月に投入予定。また、3列シート7人乗り版の500XLもシリーズに追加される。
 同工場は主に東欧に生産した車両を出荷している。セルビア・ロシア間の関税撤廃が実現する可能性があり。FIATは関税が廃止され、ロシアでの500Lの販売が開始されたら更に、同工場での生産量が増えるとしている。
 FIATは2012年4月にKragujevac工場の改修を終えた。工場設備やインフラなどに2010年から、工場の拡張の完了まで合計10億Euroを投資した。同工場のフル稼働時の年産能力は20万台。

 

ポーランド:1500人の人員削減を行うが、新型FIAT500を生産予定

1500人縮小  2012年12月、FIATはポーランドTychy工場の人員を、Pandaの生産をイタリアPomigliano工場への移管にともなって1500人削減した。イタリア政府や労組の反発、イタリア国内での生産を優先する方針のため、ポーランドの人件費はイタリア国内よりも低いにもかかわらず、生産縮小をした。Tychy工場ではFIAT 500やプラットフォームを共有するFord Ka、その他にLancia Ypsilonが生産されている。これら3モデルの販売不振により、3シフト制から2シフト制に縮小し、人員削減を余儀なくされたとしている。
新型FIAT500生産を
メキシコから移管
 2013年2月、FIATは新型 FIAT500の生産をメキシコのToluca工場からTychy工場へ移管すると報道された。新型 FIAT500は2015年にリリースし、輸出される。

 

その他の市場での動き

ブラジル:150億レアルの投資で工場及びグループ全体の強化を実施

ブラジルに
150億レアルを投資
 2013年5月、FIATはブラジル国内で2013年~2016年にかけて、総額150億レアルを新規に投資する方針を明らかにした。150億レアルは、FIATの自動車工場の拡張、トラック生産のIveco社、農業機械のCNH 社、自動車パーツやサービス部門のMagneti Marelli 社並びにTeksid社などに広く投資される。これに伴いブラジル国内で、FIATグループでの直接雇用7,700人と、サプライヤーを中心とする間接雇用1万2,000人の増加が見込まれる。
 FIATにとって、ブラジル市場はイタリア以上の規模で、2013年1月~4月までの新車販売は24万8,412台、市場シェア22.5%。FIATグループは現在ブラジル国内で5万人雇用しており、主力のBetim工場は1万9,200人となっている。
 ペルナンブコ州ではGoiana新工場を建築中で、2014年から年20万台の生産規模になる予定。

 

メキシコ:生産体制とモデルの変更

新型FIAT 500生産
拠点変更に伴い、
Chryslerブランド車の
生産を増加
 2013年2月、新型 FIAT 500の生産はポーランドTychy工場で行われると報道された。北米・南米・中国向けのFIAT 500は、メキシコToluca工場で5年間生産されていた。変更に伴い発生した同工場の余剰生産能力は、Chryslerブランドの主力モデルの生産に割り当てられる。
(注:2012年の、同工場でのFIATブランドの生産台数は81,878台、Dodgeブランドは178,716台。)
Saltillo工場を北米
での小型商用車の
中核生産拠点へ
 2012年11月に、FIAT-Chryslerは大型バンDucatoを生産するため、Saltillo工場に10億ドルを投資する計画が報じられた。2012年1月に同工場を北米での小型商用車の中核生産拠点として拡張する計画を発表していた。

 

インド:Tataとの提携を見直し。販売ネットワークの再設定を行う

Tataとの販売提携を
見直し
 2013年3月、FIATとTataの合弁会社FIAT Group Automobiles India (FGAIPL)はインド国内での販売業務の提携を終了した。両社の提携は2006年3月に始まり、FIATブランドのインドでの販売はTataが行っていた。両社の乗用車やエンジン、トランスミッションの生産に関する提携は継続する。4月からインド国内の販売業務を、Mercurio Pallia Logistics (MPL)に移管。MPLはイタリア、Gruppo Mercurio SPAとインド、Pallia Transport Co.の折半出資合弁会社。
 FIATは2013~2014年度末までに、販売店数を50店舗から112店舗に倍増させる計画。2012年まではTata Motorsのディーラー176店舗で販売していた。
モデル投入計画  FIATはインド国内市場シェアを2012年の0.5%から2013年に1%、2016年までに5%に引き上げる目標を掲げる。2013年末までにJeep CherokeeとJeep Wranglerの2車種とLinea Classicを投入、2014年に新型Grande Puntoと新型Lineaを投入予定。2015年には小型SUVを現地生産・販売する計画。
 2012年12月に発表したインドでの事業強化計画では、2~3年内にモデルチェンジを含む、FIAT及びJeepブランドの新型車、合計9モデルの投入を発表した。

 

中国:FIATとChrysler、広州汽車集団とJeepの現地生産で提携

広州汽車集団
との合弁事業:
中国での現地生産
 2013年1月、FIAT-Chrysler、広州汽車集団と中国事業における提携拡大について枠組み協議書を締結した。3社はFIATと広州汽車集団の合弁会社である広汽FIATで、Jeepブランド車の現地生産を決定した。広汽FIATで生産されたJeepブランドのモデルは、中国市場にのみ投入するという。また、2014年下半期に生産開始予定と報道されている。
 2012年9月には初の中国現地生産車であるFIAT Viaggio (菲翔)を販売開始した。Viaggioの部品の90%以上が現地調達されている。
 広汽FIATの長沙工場の年産能力は、2012年に完成車14万台。2014年には30~33万台、2015年には50万台を目指す。

 

 



FIATのモデル計画:FIAT 500の派生と高級車市場向け製品展開

 FIATはPandaや、500X等のChryslerとプラットフォームを共有するモデルを展開する一方、ラグジュアリー市場向けの商品ラインアップをMaseratiとAlfa Romeoブランドで充実させる。

FIATブランド

 FIATは500とPandaを主力モデルと定めて、今後の製品をその派生モデルとする。500シリーズはPuntoのプラットフォームを使用した500LやChryslerと共有する「Small US Wide プラットフォーム」を用いた500Xを投入する。

ブランド モデル 発売時期 概要
FIAT 新型 Panda 2012年2月  全長3,650mm×全幅1,640mm×全高1,550mmで前バージョンより一回り大きい、欧州での人気小型車の3代目となるモデル。生産はポーランドの Tychy工場からイタリアの Pomigliano工場に移管。欧州以外の40カ国でも販売する。
500L 2012年9月  500シリーズの派生であるが、よりサイズの大きいPuntoのプラットフォームを使用したモデル。2列シート/5人乗りが設定される。5人乗りモデルは米国でも発売。セルビア、Kragujevac工場で生産する。
500e 2013年4月  2012年のロサンゼルス・モーターショーで市販モデルを発表したFIAT 500のEVバージョン。カリフォルニア州のみで販売をする。
500XL 2013年末  3列シート7人乗りのMPV。通常の500Lの全長を、約200mm延長し、2シート追加した仕様となる。
500X 2014年前半  Jeepの新小型SUV(コードネーム:B-SUV)と、FIAT/Chryslerの「FIAT Small US Wideプラットフォーム」を共有するクロスオーバーモデル。イタリアMelfi工場で生産予定。

 

Alfa Romeoブランド

 FIATはAlfa Romeoブランドをプレミアム市場に向けて展開する。。現行販売しているモデル(Mito, Giulietta)では世界市場の5%のみに展開しているが、北米市場に1995年の撤退以来の復帰・欧州市場と成長を見込むアジア・太平洋市場に展開するなど、幅広いセグメントに拡大する。2016年までに年30万台の販売を目指し、世界市場の32%で販売するとしている。

ブランド モデル 発売時期 概要
Alfa Romeo 4C 2013年6月  全長3989mm x 全幅2000mm x 全高1180mmの、2シーター小型ミッドシップスポーツカー。2013年のジュネーヴ・モーターショーで市販モデルが発表された。限定モデルのlaunch editionが6月発売予定。通常モデルは2015年を予定している。
Giulia 2014年  Giuliettaのプラットフォームを更新したものをベースとする新型で、159の後継となる中型車。セダンとステーションワゴンが設定予定。
新型 Spider 2015年  次期Mazdaロードスター(MX-5 Miata)とプラットフォームを共有する 2ドアオープンカー。2013年1月18日に、Mazdaは同モデルをMazdaの本社工場で2015年より生産すると発表した。

 

Maseratiブランド

 Maseratiブランドは、ラグジュアリー市場向け製品のラインアップを充実させ、幅広い価格帯を用意する。2015年までに年5万台の販売を目指す。

ブランド モデル 発売時期 概要
Maserati 新型
Quattroporte
2013年前半  2013年1月、デトロイトモーターショーで発表されたフラッグシップセダン。全長5262mm x 1948mm x 1481mm。Audi A8やBMW 7などのラグジュアリーセグメントで競う。現行モデルと比較して、価格帯が拡大され、約8万ユーロ~15万ユーロに設定。
新型 Ghibli 2013年前半  2013年4月、上海モーターショーにて発表。同社のQuattroporteより小型なモデルとなる、4ドア高級セダン。マセラティの量産車としては初めて、ディーゼルエンジン搭載車が設定される。BMW 5シリーズ等のセグメントに分類される。Maseratiブランドの中では比較的低く設定され、エントリーモデルと位置付けられる。約5.6万ユーロ~7.8万ユーロ。
Levante 2014年  高級SUVの新型車。Levanteは2011年フランクフルト・モーターショーで発表したコンセプトカーKubangの量産モデル。ChryslerのJeep Grand Cherokeeとプラットフォームを共有する。価格帯は幅広く約6.2万ユーロから12万ユーロのモデルが展開予定。

 

 



FIAT-Chryslerの業績

 2012年の、FIAT-Chryslerの販売台数は北米、南米、アジア太平洋市場が増加して、前年比6.1%増の420万9,000台となった。売上高は前年比41.0%増の839億5,700万ユーロ、営業利益は前年比で59.4%増の38億1,400万ユーロ、純利益は14億1,100万ユーロ、市場不振が続く欧州の減少分を北米市場とアジア・太平洋市場が相殺した。(注:Chryslerの売上高と利益は2011年6月分から含まれる。)

 しかし、FIAT単独の数値で見ると、売上高は4.9%減の355億6,600万ユーロ。営業利益は前年比66.1%減の3億5,500万ユーロ、純利益は2009年以来の赤字となり、6億2,100万ユーロとなった。


 2013年1~3月の販売台数の合計は、前年同期比0.2%減の101.7万台で、FIATは、北米市場では第2四半期に発売予定の2014年型Jeep Cherokeeに関連する設備準備のため、生産数減少。欧州ではイギリス以外の市場不振のため台数が減少する。一方、南米ではSienaやGrand Sienaなどのモデル好調や、ブラジル政府が実施していた、2012年5月からの自動車に対する工業製品税(IPI)の減免策が、2013年末まで延長されたことにより販売台数が増加、アジア/太平洋市場では中国・オーストラリアでのJeepブランドの好調、中国での現地生産モデルFIAT Viaggioの好調により増加したとしている。


 2013年1~3月期では、売上高が前年同期比2.3%減の197億5,700万ユーロ、営業利益が23.3%減少の6億1,800万ユーロ、純利益が88.2%減の3,100万ユーロとなっている。EBITを見ると北米が前年同期比36.0%減、南米市場が46.0%減と落ち込んでいる。北米市場では、前述した新モデルの設備準備のための生産数減少のため販売台数が減少したため、南米市場では為替の影響、生産する製品構成が、高コストに終わったことが要因としている。

 

FIAT-Chrysler の地域別世界卸売販売台数

(1000台)
2011年 2012年 2012年/
2011年
変化率
2012年
Q1
2013年
Q1
2013年Q1/
2012年Q1
変化率
2013年計画
欧州 1,180 1,012 (14.2%) 260 245 (5.8%) ~1,000
北米 1,783 2,115 18.6% 519 510 (1.7%) ~2,200
南米 929 979 5.4% 215 230 7.0% ~1,000
アジア/太平洋 74 103 39.2% 25 32 28.0% ~200
合計 3,966 4,209 6.1% 1,019 1,017 (0.2%) 4,300~4,500

資料:FIAT 2012 Full Year and Fourth Quarter Results, 2012 Annual Report
(注) 2011年の販売台数にはChrysler社の1月からの販売台数が含まれる。

 

FIAT-Chryslerの連結業績

(注)Chryslerの業績は2011年6月分から含む。
(100万ユーロ)
2010年 2011年 2012年 2012年
/2011年
変化率
2012年
1-3月
2013年
1-3月
2013年
/2012年
変化率
FIAT (Chrysler
を含まない)
(Chrysler
を含む)
(Chrysler
を含まない)
(Chrysler
を含む)
(Chrysler
を含まない)
(Chrysler
を含む)
(Chrysler
を含まない)
(Chrysler
を含む)
(Chrysler
を含まない)
(Chrysler
を含む)
(Chrysler
を含まない)
(Chrysler
を含む)
Net
revenues
35,880 37,382 59,559 35,566 83,957 (4.9%) 41.0% 8,685 20,221 8,557 19,757 (1.5%) (2.3%)
Trading
profit
1112 1,047 2,392 355 3,814 (66.1%) 59.4% (10) 806 25 618 (23.3%)
Trading
margin
3.1% 2.8% 4.0% 1.0% 4.5% (1.80ppt) 0.54ppt 4.0% 0.3% 3.1% (0.86ppt)
EBIT 1106 2,266 3,467 204 3,677 (91.0%) 6.1% 8 835 65 603 712.5% (27.8%)
EBITDA 3292 4,501 6,825 2,321 7,811 (48.4%) 14.4% 546 1,869 622 1,654 13.9% (11.5%)
Profit
before
taxes
706 1,470 2,185 (621) 2,036 (6.8%) (157) 403 (135) 160 14.0% (60.3%)
Profit/loss
for the
year
222 1,006 1,651 (1,041) 1,411 (14.5%) (276) 262 (235) 31 14.9% (88.2%)
R&D
expenditure
1,284 1,411 2,175 1,464 3,295 3.8% 51.5% 263 462 263 486 0.0% 5.2%

資料:FIAT 2012 Full Year and Fourth Quarter Results, 2012 Annual Report, Interim Report 1Q 2013

 

FIAT-Chrysler部門別のNet Revenues

(注)Chryslerの業績は2011年6月分から含む。
(100万ユーロ)
2011年 2012年 2012年
/2011年
変化率
2012年
Q1
2013年
Q1
2013年Q1
/2012年Q1
変化率
欧州 19,591 17,800 (9.1%) 4,508 4,350 (3.5%)
北米 19,830 43,521 119.5% 10,375 10,012 (3.5%)
南米 10,562 11,062 4.7% 2,587 2,468 (4.6%)
アジア・太平洋 1,513 3,128 106.7% 714 968 35.6%
Luxury and Performance Brands
(Ferrari, Maserati)
2,699 2,898 7.4% 660 684 3.6%
Components
(Magneti Marelli, Teksid, Comau)
8,122 8,030 (1.1%) 2,015 1,936 (3.9%)
その他 1,068 979 (8.3%) 217 227 4.6%
調整 (3,826) (3,461) 9.5% (855) (888) 3.9%
合計 59,559 83,957 41.0% 20,221 19,757 (2.3%)

 

FIAT-Chrysler部門別のEBIT

(100万ユーロ)
2011年 2012年 2012年
/2011年
変化率
2012年
Q1
2013年
Q1
2013年Q1
/2012年Q1
変化率
欧州 (941) (738) (21.6%) (170) (111) 34.7%
北米 1,087 2,741 152.2% 625 400 (36.0%)
南米 1,331 1,032 (22.5%) 235 127 (46.0%)
アジア/太平洋 63 255 304.8% 85 98 15.3%
Luxury and Performance Brands
(Ferrari, Maserati)
358 392 9.5% 71 76 7.0%
Components
(Magneti Marelli, Teksid, Comau)
(110) 167 (251.8%) 35 35 0.0%
その他 (108) (149) 38.0% (36) (27) (25.0%)
調整 1,787 (23) (101.3%) (10) 5 (150.0%)
合計 3,467 3,677 6.1% 835 603 (27.8%)

資料:FIAT 2012 Full Year and Fourth Quarter Results, 2012 Annual Report, Interim Report 1Q 2013

 

 



LMC Automotive 生産予測:FIAT:地域別/ブランド別生産予測

(LMC Automotive社、2013年4月)

 LMC Automotive社は2013年の、FIAT(Chryslerを除く)のlight vehicle生産台数は、2012年と比較して1.7%減の197万台になるとしている。一方、2014年には前年比1.8%の微増。2015年には前年比21.0%の大幅な増加を予想。中国、ポーランド、トルコの生産数増加が要因としている。


 ポーランドについてLMCは「ポーランドのTychy工場では2015年2月に予定されている新型500だけではなく、新型5ドア(モデル仮称:500+)を同年の9月に生産を始める。Tychy工場の3シフト時の、公式な生産能力は53万台だが、2009年には、休日や時間外稼働により60万台生産した。500+や2015年1月に生産開始予定の、Panda Classicという仮称のシティカーが追加は、Tychy工場がFIATで重要な役割を担う事を示している」と述べている。

FIAT:地域別/ブランド別生産予測 (LMC Automotive社)

(台)
COUNTRY GLOBAL MAKE 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016
Total 2,284,657 2,272,834 1,999,977 1,966,357 2,001,979 2,422,567 2,731,669
Argentina FIAT 96,059 113,468 73,863 67,046 108,677 112,397 108,200
Brazil FIAT 757,459 777,634 762,237 820,248 791,189 849,476 914,942
China FIAT 0 0 0 3,213 61,910 119,829 146,845
France FIAT 20,338 19,786 26,210 13,530 11,667 8,074 7,460
Lancia 1,561 0 0 0 0 0 0
France Sub-total 21,899 19,786 26,210 13,530 11,667 8,074 7,460
Hungary FIAT 16,048 14,427 8,868 8,564 5,127 0 0
India FIAT 23,113 18,395 16,748 12,337 14,351 35,500 50,556
Iran FIAT 411 0 0 0 0 0 0
Italy Alfa Romeo 134,093 136,139 92,371 70,505 54,730 66,158 106,790
Ferrari 6,573 7,195 7,121 7,214 7,678 7,403 7,552
FIAT 433,732 392,704 390,863 350,689 298,911 323,781 319,920
Lancia 88,239 70,537 27,168 9,461 8,565 4,756 0
Maserati 4,873 6,124 6,113 17,145 32,579 39,078 38,374
Italy Sub-total 667,510 612,699 523,636 455,014 402,463 441,176 472,636
Japan Alfa Romeo 0 0 0 0 0 11,720 15,152
Mexico FIAT 724 56,972 81,824 76,526 82,316 92,049 89,416
Poland FIAT 440,321 362,996 245,366 149,959 130,806 234,453 338,640
Lancia 207 37,560 48,524 47,938 48,467 45,924 41,211
Poland Sub-total 440,528 400,556 293,890 197,897 179,273 280,377 379,851
Russia FIAT 23,135 30,300 1,450 0 3,334 18,181 23,890
Serbia FIAT 15,056 7,996 25,425 133,193 155,401 160,800 161,865
Turkey FIAT 222,715 220,601 185,826 178,789 180,795 251,542 307,475
USA Alfa Romeo 0 0 0 0 5,476 41,446 53,381
Source:LMC Automotive "Global Automotive Production Forecast (April, 2013)"
(注) 1. データは、小型車(乗用車+車両総重量 6t以下の小型商用車)の数値。
2. 本表の無断転載を禁じます。転載には LMC Automotive 社の許諾が必要となります。
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