LMC Automotive 欧州自動車市場の展望

　当レポートは、弊社と提携関係にある英調査会社 LMC Automotive による2017年3月16日付けのウェブセミナー（Webinar）「European Industry Update」のプレゼンテーションスライドをマークラインズが翻訳したものです。LMC Automotive社は自動車・パワートレイン分野の市場予測サービスを専門に提供しております(製品の詳細はこちらをご覧下さい)。

グローバルヘッドライン

短期展望

欧州ライトビークル販売（季節調整済み年率換算販売）の推移（ロシア除く）

欧州ライトビークル販売: 2017年

ロシアライトビークル販売台数（季節調整済み年率換算販売）の推移

ロシアライトビークル生産台数の増減率推移

欧州ライトビークル生産台数増減率の推移　(ロシア除く)

欧州における主要グループの在庫状況

主要グループのフランス/スペイン/イタリア市場への依存度

短期展望 : 輸出

欧州からの自動車輸出台数（北米、南米、アジア向）の推移

短期展望: OEM

2017年の欧州生産に影響を与える重要モデル

主要メーカーの欧州生産台数（2017年予測-2016年実績比較）

中長期展望 – ベースシナリオ

欧州全体のライトビークル販売台数予測推移

中期展望

PSA-Opel/Vauxhallの欧州市場シェア推移

リスク

欧州主要グループの欧州から米国への輸出データ

中期展望

主要OEMの欧州生産台数比較（22年予測vs16年実績）

欧州全体のライトビークル生産台数推移

・欧州自動車市場は2016年に伸び率がやや鈍化したものの、最近の政治面の不確実性を勘案すると堅調と言える。

・短期的には、金融危機前の水準まで未だに販売が回復していない国で市場が引き続き拡大し、欧州市場全体の牽引役になると期待される。先進国市場の延びは停滞するが、ロシア市場には底打ちの兆しが見える。

・欧州生産は、引き続き同地域の新車需要の増減に応じて推移するが、特に販売増が続くイタリアやスペインで高いシェアを持つメーカーが生産を拡大させる可能性あり。

・欧州からの輸出は、メーカーの現地生産への切り替えと、輸出先市場の鈍化が重しとなり横ばい傾向。ただ、欧州を新たに車両供給拠点とする動きや欧州からの輸出先国の一部拡大もあり、輸出も再成長が期待される。

・中期的にも、欧州生産にとって最大の増減要因は引き続き欧州市場のパフォーマンスとなる。Brexitは明確なリスクだが、ロシア市場の回復はプラス要因（速度は緩やかだが） 。

・グローバル貿易体制への脅威は高まっており、欧州からの輸出台数の大きいメーカーはリスクにさらされている。