SDV関連の特許出願動向
ECU通信、ネットワーク異常検知、半導体ヒューズ
要約
本レポートは、トヨタテクニカルディベロップメント株式会社(TTDC)が提供している「技術情報配信サービス-swimy」の特許情報をもとに、昨今の⾃動⾞業界を取り巻く技術トピックスに関するレポートをMarkLinesが作成した。TTDCは、知的財産(IP)事業と計測制御事業を展開。知的財産(IP)事業では世界の⾃動⾞開発に関する情報収集と解析を⾏い、研究企画のコンサルティングをはじめ、外国特許の出願や技術翻訳を実施している。
近年、自動車業界では「SDV(Software Defined Vehicle)」の登場によって大きな変革期を迎えている。SDVとは、クラウドと通信し、ソフトウェアのアップデート(OTA)によって車両機能を継続的に進化させるようなソフトウェアを中心とした自動車を指している。
日本政府は「2030年・2035年に日系SDVのグローバルシェア3割」の政策目標を掲げており、国内企業によるSDV開発の加速を後押ししている。そこで、日本国内で2020年以降に公開された特許情報に基づいて技術動向を調査した。
出典:経済産業省 「モビリティDX戦略」
https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/mono/automobile/jido_soko/pdf/mobilitydxsenryaku2025.pdf
2020年~2021年は特許出願件数が年間450件と多いが、2022年以降は減少傾向にある。また、各社ごとの特許出願件数を見ると、トヨタ自動車、本田技研工業、住友電装の順で多く出願している。2020年から2022年にかけて、特許出願件数上位6社は継続的に多く出願しているが、一方で2023年にはこれらの企業すべてで出願件数が減少している。開発アイテム別では「ECUメモリ構成に応じたOTA更新最適化システム」、「冗長化電源による自動運転車の安全退避システム」、「プラグアンドプレイ対応の次世代車載ネットワーク」、「汎用自動運転キットのための車両制御インターフェース」が多く、技術分野では「ソフトアップデート」「電源」「ネットワーク異常検知」などの分野で技術開発が行われていることが分かる。
技術情報配信サービス-swimy URL:https://thinktank.toyota-td.jp/pub/list
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