電気自動車(BEV/PHV/FCV)販売月報 2024年9月
9月の電気自動車販売台数は前年同月比32.5%増の150.8万台(主要12ヵ国+北欧3ヵ国)
2024/10/25
- 電気自動車(BEV/PHV/FCV)のシェア
- 各国の電気自動車シェアと推移
- 主要メーカーの電気自動車販売台数推移とパワートレイン別販売構成比
- 主要12ヵ国の乗用車販売動向(電気自動車だけではなく、内燃機関など全てのパワートレインを含む)
電気自動車(BEV/PHV/FCV)のシェア
本レポートは、世界自動車販売台数(注1)の約83%をカバーする主要12カ国に北欧3カ国(注2)を加えた計15カ国の新車販売台数(マークラインズ集計データ、商用車を除く、推計値を含む。)を対象にグローバル市場における電気自動車(BEV/PHV/FCV)の動向を分析する。
主要12カ国:中国、米国、日本、インド、ドイツ、フランス、ブラジル、英国、韓国、カナダ、イタリア、タイ
北欧3カ国:ノルウェー、スウェーデン、フィンランド
電気自動車の世界販売に占めるこれら15カ国の割合は約90%。
(注1)2024年10月21日集計
過去の台数データの一部に修正が入りました。
一部のデータには推計値が含まれます。
中国の販売台数(出荷台数)は輸出台数を除く集計値となります。
(注2)北欧諸国の電動化率が高い理由
1. 国民の元々の環境意識が高い
2. 水力、風力等、再生可能エネルギーによる電力比率が高い(潤沢な再生可能エネルギーを電気自動車に使うという意識)
3. 補助金、税制面でのインセンティブ、充電インフラ整備などの手厚い政策
4. 電気自動車のモデルラインナップが多い
主要12カ国とノルウェー、スウェーデン、フィンランドの北欧3カ国(計15カ国)における9月の電気自動車販売台数は150.8万台だった。前年同月比で32.5%増と大きく伸び、前月比でも19.1%増加した。9月の電気自動車シェアは27.6%で、前年同月比では7.6ポイント増、前月から1.8ポイント増加した。2カ月連続で過去最高を更新している。1~9月の電気自動車累計販売台数は、前年同期比23.2%増の1,010.5万台で、自動車販売台数全体に占めるシェアは22.4%となった。
HVの9月の販売台数は前年同月比で4.3%増、前月比では9.6%増の42.0万台だった。シェアは前月から0.1ポイント減の7.7%となった。1~9月のHV累計販売台数は350.8万台、前年同期比で14.6%増加し、自動車販売台数全体に占めるシェアは7.8%だった。
9月は中国と英国で電気自動車の販売台数が過去最高を記録した。中国では自動車市場の需要が旺盛なシーズンに入り、新モデルの発売や買い替え支援策が消費を促したことで、新エネルギー車(NEV)の販売も好調だった。英国では3月と9月にナンバープレートの年度切り替えがあり、例年新車販売が増加する。メーカーによる大幅な値引き販売に牽引され、EV登録台数が増加した。
米国通商代表部(USTR)は対中国関税案の最終修正を9月13日に発表、9月27日から、EVやリチウムイオン電池など、様々な輸入品目に対して追加関税が適用された。カナダも10月1日から中国製EVに追加関税を課すとし、ブラジルでも中国製EVに対する輸入関税の見直しが発表されている。欧州委員会は10月4日、中国から輸入されるEVに相殺関税を課すという提案に対し、EU加盟国から必要な支持を得たと発表した。中国はこれらの措置に対し、WTOへの提訴や、相手国との協議を行っている。中国の自動車輸出は増加しているが、主に伸びているのは内燃機関車(ICE)であり、EVの輸出台数は横ばいが続く。中国メーカーのEVを取り巻く環境は引き続き注視していく必要がある。
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