GoogleのAndroid Automotive OS、2020年からOEM3社が採用
TU Automotive Japan 2019 におけるSBD Automotiveの講演から
2019/12/20
- 要約
- 車のスマートフォン化が進む
- CASEなどのトレンドとTech Giantsの参入
- Tech Giantsが開発したOSと従来からの車向けOS:それぞれのメリット・デメリット
- OEMがなすべきことと、してはいけないこと
- 参考:GoogleがAndroid Automotive OSを導入
要約
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Android Automotive OSを世界で初めて採用するVolvo Carsの「Polestar 2」(出典:Volvo Cars) |
本レポートは、TU Automotive Japan 2019(2019年10月開催)における、SBD Automotive Japanスペシャリスト 大塚真大氏による「ソフトウェアによる自動車産業の侵食とその対抗策とは!」と題した講演の概略を報告する。
講演では、初めにGoogleなどのTech Giantsのソフトウェアが自動車産業に参入してきている状況と背景を解説した。
Googleなどがソフトウェアの力により革命的な変化を起こしており、このまま進行すると車がコモディティ化し、ブランド価値が下がる恐れはあるが、OEMは顧客との接点を大切にし、ブランドを守り、ブランド固有のUX(ユーザーエクスペリエンス)実現を追求するべきであるとしている。
さらに、Tech Giantsに対抗する自動車産業がしがちな失敗例を紹介した。また、OEMがなすべきこととしてはいけないことを整理して示した。総じて顧客を中心に考えることが最重要であり、また「カスタマイズする能力」と「(地図などを)アップデートする能力」を高め、顧客ニーズに応えることが収入を最大化するキーになると述べて講演を締めくくった。
なお、Googleが開発したAndroid Automotive OSは、Volvo Carsが2020年に導入、さらにルノー・日産・三菱とGMは2021年に導入する。Google Assistantにより、HVACを含む車両装備の操作を行うことも可能になるなど、Googleのソフトウェアが、車のシステムにさらに深く関与してくることになる。レポート末尾に、その概要を掲載した。
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