PSA:GMからOpelを買収、欧州市場のシェア17%で第2位へ

GM:Opel売却は英国のEU離脱が引き金に、成長分野へ投資を集中する戦略の一環

2017/05/12

要約

GM欧州事業のPSAへの売却に合意したPSA CEOのCarlos TavaresとGM CEOのMary Barra(写真:GM/PSA)
GM欧州事業のPSAへの売却に合意したPSA CEOのCarlos TavaresとGM CEOのMary Barra(写真:GM/PSA)

 PSAとGMは、2017年3月に、PSAがGMの欧州事業(Opel/Vauxhall、以下Opelと略称)を買収することで合意した。Opelを買収した新しいPSAは、世界販売430万台、欧州市場でシェア第2位(17.1%)に拡大する。プラットフォームの共有化や共同購買により、2026年までに年間17億ユーロのシナジー効果を生み出し、Opelの自動車部門営業利益率を2020年に2%、2026年までに6%に引き上げると発表した。またPSAは、本拠地である欧州事業を強化することで、世界の成長市場へさらに拡大していく方針。

 GMは2015年3月、16年間赤字が続いた欧州事業が、2016年には黒字化すると発表していた。しかし、2016年6月に英国が国民投票でEU離脱を選択したことが欧州事業売却の引き金となった。英国はOpelの国別最大市場で2016年に29万台を販売、また20万台を生産している。ポンドの下落により、英国で生産するための部品購入価格が上がり、欧州大陸から英国への輸出車の売上高がユーロ勘算で下落などしたため、Opelは2016年も2.57億ドルの赤字となった。今後EUを正式に離脱すると輸出入に関税がかかり、煩雑な通関手続きも発生する。

 一方、GMは、2014年1月にBarra CEO、Ammann Presidentの体制になった後、将来の見通しが立たない事業から撤退またはそこへの投資を縮小し、北米でのSUV/ピックアップトラック事業、中国事業や自動運転、新モビリティなどの成長分野に投資を集中する姿勢を鮮明にしている。既に、ロシア、タイ、インド、インドネシア、オーストラリアなどで投資を縮小している。今回の欧州事業の売却も、そうした規模より収益性を重視する戦略の一環として決定された。

 PSAとOpelは、それぞれ過剰生産能力を抱えており、今後の計画では、生産体制合理化のための工場閉鎖が焦点の一つとなる。英国の工場は、同国のEU離脱決定による採算上の困難があり、閉鎖の対象となる可能性が高いとされている。

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