Ford:2021年にドライバーレス車を量産し、ライドシェアリングに投入
モビリティ・サービスのビジネスモデルを確立し、新たな収益源に
2016/12/27
- 要約
- Ford:中長期の成長戦略を発表、電動化、自動運転、モビリティに注力
- 電動化:2020年までに45億ドルを投資、13の新型車を投入
- 自動運転車:2021年にレベル4の自動運転車を量産し、ライドシェアリングに投入
- Ford Smart Mobility LLCを設立し、モビリティ・サービス事業に参入
- 大都市でのシャトルとバイクシェアリングに進出
- LMC Automotive販売予測:Fordの主要56カ国での販売は、2019年に652万台
要約
Fordは、2016年9月に「中長期の成長計画」を発表した。コアビジネス(乗用車、トラック)を強化するとともに、電動化、自動運転、モビリティ・サービスの新分野に積極的に進出する。本レポートは、Fordの新分野への参入計画を紹介する。
Fordによると、「車の所有から、所有とシェアリングが共存する社会」への変化が急速に進行している。Fordは、それに応えて、「車とモビリティの会社(an auto and a mobility company)」になる構想で、これまでのように「車を何台販売するか」だけではなく、「どのようなモビリティ・サービスを提供するか」が重要になる。伝統的な車の市場規模は世界で2.3兆ドル(1ドル=115円で換算して265兆円)だが、モビリティ・サービスなどFordがまだ参入していない市場規模は5.4兆ドル(620兆円)あり、今後の重要な収益源になると見込んでいる。モビリティ・サービスは、車を中心にバイク(電動アシスト自転車)からシャトル(乗車定員10人以下のミニバスのオンデマンド運行)、バスまでカバーしていく方針。
技術面では、電動化と自動運転を強化する。電動化の技術進歩とコスト低減により、2030年には内燃エンジン車、HV、ZEV(Zero emission vehicle)が市場をほぼ3分割すると予測している。
自動運転については、2021年にSAE基準レベル4(一定地域内での完全自動運転)のドライバーレス車を年10万台程度生産し、ライドシェアリングに投入する計画。ライドシェアリングで最大のコストであるドライバーの経費がゼロになるので、大きな影響が予想されている。Fordは、2030年に、米国自動車販売の20%が自動運転車になると予測している。
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Ford Fusion Hybridベースの自動運転テスト車両(写真:Ford) |
同テスト車両が、降雪中にテスト走行している(写真:Ford) |
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