ホンダ:世界6極での開発・生産の路線を修正、グローバルモデルを強化

2030年をめどに販売台数の2/3を電動車両へ

2016/05/10

要約

2017 Accord Hybrid
第2世代2モーターハイブリッドシステムを搭載する
2017 Accord Hybrid(米国仕様)(写真:米国ホンダ)

 ホンダは2016年2月に行った社長会見で、さらなる体質強化に向けて、「グローバル6極体制」において抜本的な改革が必要と考え取組みを開始したと発表した。

 開発においては、「6極体制」で生れた地域専用車がかなりの成果を生んだが、開発工数の増加が負担になっているとして、再度グローバルモデルを強化する方針。また開発における役割・責任を明確にするよう組織変更を行った。

 生産体制では、「需要地で生産する」方針を一部修正して世界で補完し合う体制とし、2014年度に国内生産の3.4%(3万台)まで減少した日本からの輸出比率を1~2割に高める計画。国内のフレキシブルな生産体制を活用し、国内工場のマザー機能の維持も図る。

 さらにCO2削減に向け電動化技術の導入を強化し、2030年を目途に販売台数の3分の2を電動車両に置換える。ゼロエミッションのFCV(Fuel cell vehicle)とEV(Electric vehicle)で15%程度、HV(Hybrid vehicle)とPHV(Plug-in hybrid vehicle)で50%以上とする方針。特にPHVを今後の電動化の中心と定めた。

 ホンダは2016~2017年に数多くの電動化車両を投入する。2016年3月にクラリティフューエルセル(FCV)のリース販売を開始。同年中に、1モーターHVのフリード、刷新した2モーターハイブリッドシステムを搭載するオデッセイと新型アコード、3モーターHVのNSXとAcura MDXを投入する。米国では、2016年後半にクラリティフューエルセルを発売し、また同FCVとプラットフォームを共有するEVとPHVを2017年に投入する。

 ホンダは、2012年に発表した世界販売600万台の計画は白紙に戻し、規模を追うよりもホンダらしい商品づくりを優先させる方針。結果として、販売台数増につながると期待している。

ホンダ:開発と生産の路線を修正

2012年~これまで修正後
世界6極同時開発 地域のニーズに合わせたモデルの開発を重視 再度グローバルモデルを強化
生産体制 需要地での現地生産を徹底し、
各地域で生産と販売を完結させる
現地生産の原則を維持しつつも、
地域間の補完関係を再構築
販売目標 2016年度に世界600万台販売 規模の拡大よりも商品力アップを重視

 

関連レポート:

・多様化する電動化(下):日産は60kWh電池を開発しEV走行距離を延長、ホンダ:2モーターHVシステムは効率を最大化、新型NSXは「瞬時の反応」を訴求(2016年2月)
・FCV(燃料電池車)の開発動向と課題(2016年4月)

 

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