PSA:欧州での販売増とコスト削減により業績改善
経営計画 "Back in the Race" の成果が追い風に
2016/01/08
- 要 約
- 経営計画 "Back in the Race" は予定を先行して進展
- 欧州:需要増に伴い増産・生産モデル追加の動き
- 中国:東風汽車と次世代プラットフォームを共同開発
- その他の市場: モロッコ、イラン、カザフスタン、ブラジルの動き
- PSAの販売台数:2015年1-9月は1.0%減の216万台
- PSAの業績:2015年1-6月は純利益5.71億ユーロで黒字化
- LMC Automotive 生産予測:PSAのライトビークル世界生産は2019年に392万台へ
- (参考) PSAのモデル別販売台数
要 約
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2014年4月から新経営計画を実施
PSAは2010年から販売台数が減少を続け、2012年には50.08億ユーロの純損失を計上。その後も赤字が続いたため、2014年4月に新経営計画 "Back in the Race" を導入した。ブランドの差別化や適切な価格設定、生産・調達コストや販管費等のコスト削減、各地域での収益拡大等を進めている。
経営計画の目標達成は確実
同計画の目標は、2015~2017年に累積営業フリーキャッシュフローを20億ユーロ創出 (2015年1-6月には27.82億ユーロを創出)、自動車部門の営業利益率を2018年には2%、2019~2023年には5%とすることである。
PSAの経営陣は2015年第3四半期の決算発表時に、同計画は予定を先行して進展しており、目標達成は確実であるとしている。
2015年1-9月の販売は1%減の216万台、売上高は6%増の413億ユーロ
PSAの2015年1-9月の世界販売台数は前年同期比1.0%減の216.3万台。欧州の販売は伸びたが、中国や中南米、ロシアを含むユーラシア等の新興国市場が減少した。同期の売上高は5.8%増の412.94億ユーロ、うち自動車部門は3.3%増の274.61億ユーロ。2015年上期の純利益は5.71億ユーロとなり、黒字に転じた(前年同期は1.14億ユーロの赤字)。PSAは、欧州市場の回復と為替差益に加え、コスト削減や新車投入効果が利益を押し上げたとしている。
2015年第4四半期に発表されたLMC Automotive社の予測によると、PSAの世界のライトビークル販売は、2016年に前年比0.2%増の318万台となる見込み。その後、販売は拡大を続け、2019年には2016年比17.2%増の373万台となる見通し。
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