Fordの商品戦略:新型F-150は、燃費、牽引力など総合的に性能を向上
高性能車を拡充、Lincolnブランドを強化し2020年30万台販売を目指す
2015/10/27
- 要 約
- F-150:燃費に加え、牽引力、ハンドリングなどの性能を総合的に向上
- 高性能車を拡充:Fordブランドのイメージアップと台当たり利益増を図る
- ライトトラック系車種を拡充、中型ピックアップトラックRanger復活も検討
- Lincolnブランドの強化に25億ドルを投資、2020年に世界30万台販売を目指す
- 2015年第2四半期は15年ぶりの高利益、年後半はさらに増益を見込む
- 資料編
- LMC Automotive 生産予測:Fordの2018年世界生産台数は677万台へ
要 約
![]() FordのGTスーパーカー(2016年に発売予定) |
本レポートは、ライトトラックと高性能車を拡充し、Lincolnブランド強化を目指す、Fordの商品戦略について報告する。
Fordは、もともとライトトラック比率が高いが(2011年以降66%超)、米国経済の回復と原油価格低下によるライトトラック販売への追い風があり、収益性が高いライトトラックを強化している。
2014年秋に投入した新型F-150に、量販車初のアルミニウムボディーを採用し燃費を向上。また、ハイテン材を多く使用する強固なフレームにより、牽引力を引き上げた。今後次期型Super Duty、大型SUV Ford Expedition/Lincoln Navigatorにも展開する。
2012年に北米での販売を終了した中型ピックアップトラックRangerの復活と、Rangerをベースとするbody-on-frame構造の新型SUV投入を検討している。これらの車種は、Michigan Assembly工場での生産となる見込み。同工場は、数年前に大幅改造し、生産車種をそれまでのF-150などのライトトラックから小型乗用車のFocus、C-Maxに変更したばかりだが、再度改造しライトトラックを生産することになる。
高性能車については、2015~2020年に12車種を投入する計画で、2015~2016年にはFord Mustang Shelby GT 350、Focus RS、Ford GT、F-150ベースの高性能車Raptorを投入、Fordブランドのイメ-ジアップと収益の拡大を目指す。
Lincolnブランドは、20年にもわたり半ば放置されていたが、5年間で25億ドル(技術開発費など関連費用を含めると総額50億ドル)を投資してラインアップを抜本的に強化する計画。2016年にフラグシップの高級大型セダンContinentalを復活させる。同ブランドを2014年から中国市場にも投入し、中国での拡販を見込み、2020年に2014年比3倍の世界30万台販売を目指す。
Fordは、ここ2年間の積極的な新型車投入(F-150、Mustang、Edgeなど)が成果を生み、2015年第2四半期に、税前利益は29億ドル、純利益19億ドルの四半期として15年ぶりの高水準の利益を達成した。
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