スズキ:インドで300万台販売を目指し、東南アジアでも現地生産強化
次世代軽量プラットフォーム、マイルドハイブリッドモデル投入
2014/09/29
- 要 約
- 事業戦略:コストを追及した、小さな車の「地産地消」を進めていく
- 技術戦略:次世代軽量プラットフォーム、ディーゼルエンジンとハイブリッドも自主開発
- インド事業戦略:300万台をめざし、Gujarat新工場建設発表も難航
- インド:政権交代後の景気回復期待を背景に、2014年4-6月の販売台数は12.6%増の30.0万台
- 世界戦略車:小型車セレリオ、ワゴンR、中型セダンAlivio、クロスオーバー S-CROSSなど
- 日本市場: 2013年度販売は過去最高の72.8万台
- 2014年度の世界販売見通し:インドを中心にアジアで増加し、過去最高の276万台へ
- 2014年度業績見通し:営業利益は過去最高の1,880億円を狙う
- LMC Automotive 生産予測:スズキの2017年の生産台数は314万台見込み
要 約
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インド、東南アジアが戦略拠点
スズキは、2013年度に過去最高の販売台数・営業利益を計上し、2014年までの中期目標を1年前倒しでほぼ達成した。VWのとの提携が不調に終わった中、スズキは、自社の優位性がある小さな車に注力し、更なる発展を狙う。特に、最大シェアを握るインド市場、発展が期待される東南アジアがその戦略の拠点となる。
技術戦略を発表
四輪車の技術戦略を2014年4月に発表。次世代軽量プラットフォームを開発し、2014年内に投入予定。また今まで外部調達に頼ってきたディーゼルエンジンも自社開発。
マイルドハイブリッドシステムを搭載した軽自動車を、日本で2014年8月に発売済み。コストを追求しながら、環境性能を高める独自の技術で、商品力を向上していく。
インドでは長期的300万台販売を目指す
インドでは、現地合弁会社マルチ・スズキは、長期的に300万台の販売を目指す方針を発表。SUVやMPVなどを新たに発売して、モデルラインナップを拡大していく。
生産能力を強化するために、2017年稼働のGujarat新工場の建設を2014年1月に発表。しかし、同工場の建設はマルチ・スズキの出資ではなく、スズキ単独出資で行われる。
2014年度の見通し
2014年度の販売は前年度比1.7%増の275.6万台と過去最高を更新する見通し。消費税増税前の駆け込み需要の反動減の影響で日本での販売は減少するが、インドを中心にアジア販売は前年度比5.8%増の169万台となる見込み。連結業績見通しは、売上高が微増の3兆円、営業利益は過去最高を僅かに更新する1,880億円を目指す。
LMC Automotive社によれば、2014年のスズキのライトヴィークル生産台数は前年比5.0%増の269万台となり、2017年には2013年比22.5%増の314万台となる見込み。
なお、VWとの資本・業務提携の包括契約解除をめぐる国際仲裁裁判所での係争は、2014年9月時点でまだ解決していない。年内に一定の結論が出るとも報じられている。
関連レポート
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北京モーターショー2014 スズキの展示 (2014年5月)