ダイハツ:開発をスピードアップし、市場の変化に素早く対応
軽自動車で培った低燃費・低コスト技術を海外のコンパクトカーに展開
2013/07/30
- 要 約
- ダイハツ:2013年度軽市場は、年度後半に上振れし、200~210万台規模を予測
- 激しい燃費競争:2013年8月に、燃費33.4km/Lのミライースを発売
- 九州にエンジンの開発・生産一体体制を構築、開発をスピードアップ
- インドネシア:2013年8月下旬~9月初旬にダイハツ・アイラ(AYLA)を発売
- マレーシア:新完成車工場、新AT工場を建設、競争力を強化
- 連結決算:2013年度は、売上高、利益とも微増の計画
要 約
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2012年12月発売のダイハツ・ムーヴ (その時点でハイトワゴントップの燃費29.0km/Lを達成) |
ダイハツの2012年度決算は、軽自動車販売が過去最高の65.3万台となり、2期連続の増収(売上高1兆7,649億円)、4期連続の営業増益(営業利益1,330億円)、3期連続の純損益増で、売上高、各段階の利益とも過去最高となった。
2013年度は、売上高、各段階の利益全て拡大し、過去最高業績を更新する見込みだが、軽自動車市場の競合の激化から、売上高(1兆8,000億円)、営業利益(1,350億円)とも微増にとどまるとしている。
ダイハツは、軽自動車市場で2006年度からシェアトップを維持している。しかし、ホンダのN BOXの投入、日産・三菱共同開発車の発売等で軽市場では競争の激しさが増している。
なかでも燃費の競争が激化しており、ダイハツは福岡県にエンジンの開発拠点を設置し、エンジンの生産と開発を一体化してエンジン開発期間を短縮、さらには車両の開発をスピードアップする構想。
また、国内の軽自動車で培った低燃費・低コスト生産の技術を、国内の各車種やインドネシア、マレーシアでのコンパクトカー開発・生産に横展開するとしている。
インドネシアでは、インドネシア政府のLCGC(Low cost green car)政策に関する大統領令等行政手続きが進行中で、8月下旬から9月初旬にダイハツ・アイラ(AYLA)を発売する予定としている(姉妹車トヨタ・アギア(AGYA)もダイハツが生産する)。
マレーシアでは、マレーシアのTPP参加をにらみ、新完成車工場とAT工場を建設して、現地子会社プロドゥア社の競争力を高めるとしている。
ダイハツの経営戦略:改革路線を発展・進化
技術開発 | ミライース・ムーヴで培った技術を、インドネシアで生産するアイラ(AYLA)や国内各車種に展開する。 ・低燃費・低価格をさらに発展、進化させる。 ・新たな商品魅力を創造⇒新規需要の創造(燃費、利便性、楽しさ等多様な商品を投入。 |
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生産 | ダイハツ九州の低コスト生産ノウハウを、インドネシアADM社(Astra Daihatsu Motor)・マレーシアのプロドゥア社に展開する。 ・低コスト・高効率・高品質を実現し、かつ「現地化の最も進んだ工場」を立ち上げる。 |
資料:ダイハツ2012年度決算説明プレゼンテーション資料
関連レポート:2012年の軽自動車市場は200万台水準、乗用車でのシェアは34%(2012年11月掲載)
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