ブラジル:新車購入支援策延長で2013年販売は400万台へ
アルゼンチン:輸入規制策が完成車・部品輸入に影響、2013年1-4月は回復基調
2013/06/06
- 要 約
- ブラジル:2013年1-4月の販売は8%増の116万台、生産は17%増の117万台
- ブラジル政府:輸入車に対する税率引き上げと、需要喚起のための減税措置
- ブラジルでのメーカー別販売台数
- ブラジル市場への新型車投入
- 上位4社 (Fiat, VW, GM Ford) の動向
- 他の欧州メーカー (Renault, PSA, BMW) の動向
- 現代自動車・中国メーカー (安徽江淮、奇瑞、北汽福田、哈飛、長安、陜西汽車) の動向
- 日本メーカー (トヨタ、日産、ホンダ) の動向
- アルゼンチン:ブラジルへの輸出が回復し、2013年1-4月の生産は拡大
- LMC Automotive 生産予測:ブラジルのブランド別生産予測
要 約
ブラジルとアルゼンチンでは、政府の保護主義的政策や複雑な税制措置により、自動車産業が影響を受けている。
2012年のブラジルでの新車販売は、景気低迷にもかかわらず過去最高の380万台。同年5月に政府が導入した新車購入時の減税措置が効を奏した。一方、生産台数は、前年比1.9%減の334万台に縮小した。
ブラジル自動車工業会 (ANFAVEA) は 2013年見通しについて、減税措置が年末まで延長され、年率3%のGDP成長率が見込まれることから、販売は前年比3.5~4.5%増の400万台弱、生産は同4.5%増の350万台程度 (2013年5月発表) と予測している (中大型商用車を含む)。
ブラジル政府は国内産業保護のため、2017年末までの間、輸入車に対する工業製品税 (IPI) 税率を引き上げると決定。また、2013~17年の新自動車政策では、製造工程の現地化や研究開発への投資を条件に 上記のIPI税率引き上げを減免するとし、ブラジル国内生産を促している。これに呼応してFiat、VW、GMなど既存メーカーの多くが生産能力を増強し、安徽江淮汽車や奇瑞汽車など多数の中国メーカーやBMWが新たに生産拠点を構築する。日本メーカーでは、トヨタが工場を新設して小型車Etiosを投入、日産は年産能力20万台の新工場でMarchとVersaの生産を計画、ホンダはブラジルでの研究開発を強化する。
アルゼンチンでの2012年販売は前年比 6.0%減の83.0万台、生産は7.8%減の76.4万台。政府の輸入規制策で輸入車販売は大きく減少。また、生産の落ち込みは、輸入規制策により部品調達が滞ったことと、最大の輸出先であるブラジルの上期の販売不振が要因。2013年1-4月は販売、生産とも増加に転じている。
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