日産の中国事業: 2015年ライトビークル販売は、輸入車を含めて200万台以上

大連で新乗用車工場を建設、2014年からInfinitiを現地生産へ

2013/04/01

要 約

 日産は、2013年1月に、中国の合弁会社「東風汽車有限公司」(DFL)の中型・大型商用車部門を分離し、乗用車とLCV (小型商用車) のライトビークル (Light Vehicle) 事業に集約する方針を明らかにした。

 日産は、2013年3月にも、中期経営計画で示していた2015年DFLのライトビークル 200万台以上 (輸入車を含む) の販売目標を堅持することを表明。さらに、2014年からはInfinitiブランド高級車の現地生産を開始するとも発表した。また、2007年に一部を除いて中断していた日産ブランド車の輸入販売事業も2011年末から再開し、現地生産車と高級車輸入販売ならびに高級車現地生産化の相乗効果で中国市場シェアの拡大を図る。


 日産は2015年にライトビークル200万台以上を中国で販売する目標の実現に向け、既存工場の拡張と共に新しい合弁工場を建設し、年産能力を2013年3月時点の約138万台規模から、2014年までに198万台規模、さらに210万台規模に拡大するとしている。

 また、パワートレインについては、DFLの乗用車部門である東風日産乗用車の160万基に、東風汽車股份の中型・大型ディーゼルを含む30万基超と合わせて、2015年まで190万基超に生産体制を拡大する目標を発表した。さらに、広東省の広州(花都区)では、2013年完成に向けて燃費型手動変速機の工場建設を進めている。


 また、日産のパートナーであるRenaultは、東風汽車公司と湖北省の武漢市に、年産30万台 (1期15万台) 規模の乗用車工場を建設することで合意しており、2015年後半以降の稼働を目指して、政府承認を申請している。


 なお、2013年1月のLMC Automotiveの予測によれば、日産の中国におけるライトビークル販売は、2013年には5%減少し約72万8,000台になるとしている。同社は、「中国の反日感情は日産ブランドの2012年の販売に悪影響を与え、この傾向は2013年に入っても継続するだろう。LMC Automotive は、この問題は2014年以降に沈静化し、日産の販売が再び伸び始める」と予想している。

日産-ルノグループと東風汽車グループの関係図


 

 関連レポート中国自動車各社の2013年販売計画:乗用車は1,800万台超、商用車は330万台超 (2013年3月19日掲載)

このレポートは有料会員限定です。 残り 5 章
無料会員登録により、期間限定で続きをお読みいただけます。