GMの中国事業: 2015年国内生産目標は431万台
上海GM/上汽GM五菱 モデルをエジプト/インドで 2012年に生産開始、南米で合弁生産計画
2012/10/31
- 要 約
- 国内完成車生産体制: 2012年末の270万台規模から、2014年400万台規模に引き上げ
- 海外生産体制: エジプト/インド・GM工場でCKD生産、南米でも合弁工場を計画
- 国内エンジン生産体制: 瀋陽/武漢/柳州/青島で新工場建設、2014年末330万基規模へ
- (参考)
要 約
GMは、中国市場を北米市場に次ぐ主要戦略市場と位置づけており、ChevroletなどのGMのブランドと、五菱などの現地ブランドで販売している。2012年1~9月の販売実績 (輸出を含む工場出荷ベース) は211.98万台と前年同期比12.24%増となっており、中国市場で最大のシェアを占めている。
GMは、2012年の中国における完成車の生産・販売目標 (海外CKD生産・販売を含む) を前年比8%強増の274.7万台と控え目に設定していたが、3年後の2015年は、2011年実績 (約254万台)のほぼ2倍となる 500万台販売を目指す。
国内合弁工場の生産能力は、2012年10月時点の 259万台強から2013年末までに274万台強、2015年以降に 440万台以上に順次拡大していく計画。さらに、上海工場拡張や西部/海外CKD新工場建設などを通じて生産体制を増強する。
これに併せて、エンジン生産能力も、2012年10月時点の 222万基から2012年末に 257万基、2014年末に 334万基、更に、2015年以降は357万基規模以上に増強する計画である。
上海汽車グループとは提携し、共同でインド/エジプトをはじめとする新興国市場に進出している。2012年からは、上海GMと上汽GM五菱のモデルを海外の関連工場でKD生産を行う。更に、上汽GM五菱は、南米など新興国で合弁工場建設も計画している。
以下は、GM の中国における最新の中期事業計画と、国内外における完成車およびエンジン生産体制の拡張などに関する最新動向である。
関連レポート:
GM:2011年の純利益は過去最高の76億ドル (2012年3月掲載)
北京モーターショー2012 (4):日米欧韓台乗用車メーカー16社の展示取材 (2012年6月掲載)
GM の中国における中期事業計画 (事業方針/生産・販売目標/モデル計画)
概要 | |||
---|---|---|---|
事業方針 | 自動車電動化 (Vehicle Electrification) 推進と新セグメントの開拓 | ||
・新型モデル投入は、省エネ型/エコ型に注力 ・中国政府/現地企業/学界と提携し、中国市場に特化した自動車電動化ソリューションを提供 ・SUVや高級車Cadillac高級車、宝駿ブランド中型乗用車/軽型商用車等、現在の未開拓分野の販売を強化 ・上海汽車集団との合弁研究開発センター、泛亜汽車技術中心 (Pan Asia Technical Automotive Center:略称"PATAC") における技術開発を強化、GM のグローバル研究開発ネットワークに融合させる |
|||
上海汽車集団 (SAIC) との提携を強化 | |||
・高性能エンジン/新エネルギー車分野の技術を共有 ・新興市場を共同で開拓 |
|||
上海GM グループ: ・内燃機関を用いたパワートレインの改良 ・EV/HV など新エネルギー車の開発/導入/量産化の推進 中国汽車技術研究中心 (China Automotive Technology and Research Center:略称"CATARC") とVolt の試験運行/中国の電動車基準制定などで提携へ ・水素エネルギー技術を推進して最終的にゼロエミッション実現を目指す ・インドGM工場で Chevrolet Sail のCKD ライセンス生産を開始 |
|||
上汽GM五菱: ・今後、中国の東部地域市場を主とした微型車事業を、中西部地域市場に広げていく ・微型車/小型乗用車に加え、宝駿 630 発売を皮切りに低価格中型乗用車市場に参入 ・海外事業にも注力。インドなどでのCKD生産事業と、コロンビアを候補地として合弁KD工場建設計画 |
|||
第一汽車集団 (FAW) との提携、軽型商用車市場へ共同参入 | |||
・フレーム構造ボディを採用した軽型商用車市場で、中国と世界で首位を目指す。共同開発・生産・販売の対象はSUV/MPV/軽型トラック/Pickup/軽型バス及びその関連部品分野 ・解放ブランドと GM ブランドの 2 ブランドで販売 |
|||
一汽 GM: ・2013年 (12月期) の経営黒字化を目指す ・軽型バン/軽型バスはハイエンドモデルのみ投入 ・GMC/GM の軽型商用車モデル及び技術を導入 ・GM のグローバル販売網を活用、世界軽型商用車市場へ積極的に参入 |
|||
生産目標 (中国国内) |
・2015年: 431万台 (内訳) 上海 GM グループ合計 200万台、上汽 GM 五菱 200万台、一汽 GM 31万台 |
||
販売目標 (輸入販売・輸出を含む) |
・2015年: 500万台 (内訳) 上海GMグループ合計 200万台、上汽GM五菱 200万台、一汽GM 31万台、輸入車など 69万台 |
||
モデル計画 | ▽GM中国全体(上海GM中心に): ・2011年(4月)からの今後5年間に、GMおよびその中国合弁会社が、合計60車種超について、新型車投入やモデルチェンジを行う。SUV モデルの投入を更に強化 |
||
<Buickブランド> 約12車種 (中国でのハイエンド車イメージを強化) <Chevroletブランド> 15車種の投入により、エコノミータイプの小型車、中級乗用車 (2/3box) をすべてカバーし、ラインアップ拡大を図る。うち、沃藍達(Volt) レンジエクステンダーEV、世界戦略車邁鋭宝 (Malibu)は2012年投入済 <Cadillacブランド> 上海GM金橋工場で2012年末から Cadillac XTS を生産。2013年からATS 2013型 を輸入販売。更に、上海で専用工場建設を計画中。 |
|||
▽上汽GM五菱: ・現行の宝駿630(1.5/1.8L)に加え、今後合計8車種の宝駿ブランドモデルのラインナップを構築していく -GP50プラットフォーム・・・セダン/ハッチバック/SUV/MPV -GP30プラットフォーム・・・セダン/ハッチバック (2013年発売)/SUV -ガンマⅡプラットフォーム・・・宝駿 楽馳 (発売済み) ・宝駿ブランド車の海外生産も計画中 |
出典:GM 中国/GM プレスリリース、各種報道
無料会員登録により、期間限定で続きをお読みいただけます。