VWの中国事業 (1): 完成車とエンジンの生産能力増強計画
新工場建設と拡張で2018年までに年産400万台体制へ
2011/08/31
- 要 約
- 生産体制の増強を加速
要 約
中期計画 Strategy 2018で年間販売目標 1,000万台を掲げるVWは、最大の中国市場でこの4割に当たる400万台以上の生産を計画しており、2011~2015年の5年間で、中国事業に合計 106億Euroの投資を行う。
生産体制面では、既存の一汽VW成都工場と上海VW南京工場の能力拡大に加え、一汽VWが広東省に、上海VWが江蘇省にそれぞれ新工場を稼動予定である。2013年以降には更に上海VWが新疆または浙江省を候補地として新しい工場建設も計画している。
新車投入に関しては、HEV/EVを積極的に投入し、2018年には中国EV市場でのリーダーになることを目指している。
以下は、VW の中国における最新の中期事業計画、完成車およびエンジン生産体制の拡張などに関する最新動向である。
更に、VW の中国における中期販売事業計画、開発体制、モデル計画、販売体制等については、2011年 9月掲載予定の調査レポート 「VW の中国事業(2): 中期事業計画、開発体制、モデル計画」 に収録する。
VW グループの中国生産計画 (~2015年)
生産能力拡張・新車 投入に関する投資計画 |
2011~2015年の5年間、中国事業に合計 106億Euro追加投資 (内訳:年産能力拡張 60億Euro、新車投入等 46億Euro)。資金は中国合弁会社の純利益からまかなう。 | |
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生産目標 | 2011年 220万台、2013~2014年 300万台、2015年約 365万台 | |
・上海 VW (VW/Skoda ブランド): 2011年 120万台、2012年 130万台超、2015年 200万台 ・一汽 VW (VW/Audi ブランド): 2011年 100万台、2015年約165万台 |
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部品調達 | VW/Skoda 現地生産車種の部品調達は現地化を推進、最終的に100%の実現を目指す。 | |
環境対応 | 燃費向上・ 排気ガス低減へ の取り組み |
当面、搭載エンジンの小型化の推進、TSI 高性能エンジンと DSG (デュアルクラッチ仕様) 変速機を組み合わせる動力システムの搭載拡大を通じて、燃費向上と排気ガス低減を果たす。 |
環境対応車 への取り組み |
VWグループでの取り組み: ・アイドリングストップ機構/回生ブレーキ搭載モデル、HEV/PHEV、EV を順次投入して環境対応車事業を拡大。アイドリングストップ機構ならびに回生ブレーキについては、2015年末までにあらゆる中国販売車種に標準搭載。 |
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Audi の計画は以下。 ・2012年内に、アイドリングストップ機構ならびに回生ブレーキをあらゆる中国販売車種に標準搭載。 ・2013年以降はフルハイブリッド乗用車 2車種 (New A6L hybrid、Q5 2.0T hybrid) を順次投入。 ・2015年以降には EV モデルを投入。 |
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Skoda は2011年上海モーターショーで、親会社のVW と同様に、近い将来のHEV/EV の現地生産を表明した。 |
出典: VW の中国電動自動車戦略 (2010.04.23)、Automotive News Europe 2011.04.25、その他 2011年の各種報道
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