LMC Automotive 2019年5月自動車市場月報(欧州)

2019年5月の西欧販売は0.3%減の130.5万台、季節調整済み年率換算販売は1,442万台/年

2019/06/11

西欧主要17ヵ国の販売状況と直近の市場予測

※当レポートは自動車、パワートレイン分野の市場予測サービス専門の調査会社 LMC Automotive によるライトビークル市場トレンドレポートをマークラインズが翻訳したものです。

  • 西欧の5月の乗用車販売台数は前年同月比0.3%減となった。5月の季節調整済み年率換算販売は20194月時点の1,427万台/年からわずかに増加し、1,442万台/年となった。
  • ドイツ、英国
    ドイツの5月の販売は前年同月比9.1%増となり、1~5月累計販売は前年同期比で増加に転じた(1.7%増)。5月の季節調整済み年率換算販売は366万台/年に増加し、経済が停滞傾向にあるにもかかわらず需要の高さを示した。英国の5月の販売は前年同月比4.6%減となった。ブレグジットを巡る不確実性を背景に低調な販売が続いた。

  • フランス、スペイン、イタリア
    フランスの5月の販売は前年同月比1.2%増となった。5月の季節調整済み年率換算販売は223万台/年で、20189月の新排ガス規制WLTPの導入以後で最も高い水準となった。スペインでは、5月の販売は前年同月比7.3%減となり、5月の季節調整済み年率換算販売は126万台/年となった。イタリアの5月の販売は前年同月比1.2%減となったが、5月の季節調整済み年率換算販売は(きわめて緩慢なペースではあるが)上昇して194万台/年となった。

  • 今後の展望
    5月の実績は相反する結果を示した。季節調整済み年率換算販売はこれまでのところ健全な水準を維持しているが、一方で5月までの累計販売実績は前年割れに沈んでいる。5月までの累計販売は、好調だった20181~5月の販売に比べて減少しているが、WLTP規制導入の影響で2018年の秋以降の販売が低迷したことをふまえると、今年後半の販売は前年同月比でいくらか改善すると期待される。しかしながら、新車需要は2019年通年の販売を前年比で大幅に増加させるほどのレベルに高まりつつあるわけではない。「合意なき」ブレグジットや貿易摩擦のリスクはますます需要の重しになっている。ただ、ドイツの回復は目を見張るものがある。

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