Clarity (Honda)

 ニュース
2024年02月28日(水)

・ホンダは2月27日、米国初の量産プラグイン燃料電池車(FCV)となる「CR-V e:FCEV」を発表した。2024年にカリフォルニア州でリース販売を開始する。また、東京ビッグサイトで開催されている「H2 & FC EXPO[春]2024~第21回[国際]水素・燃料電池展[春]~」で28日に同モデルを世界初公開した。日本では2024年夏の発売が予定されている。

・米国製の新型燃料電池システムとプラグイン充電機能を搭載し、EPAモードの航続距離は270マイル(約435km)、EV走行可能距離は29マイル(約47km)、(WLTCモードではそれぞれ600km超、60km超)となる。迅速な水素充填が可能でFCVとしての長い航続距離がある一方、街中ではEVのような使い勝手が可能という柔軟性を備えている。

・「CR-V e:FCEV」には、ホンダとGMが共同開発し、両社の合弁会社であるFuel Cell System Manufacturing, LLC (ミシガン州)で生産される燃料電池システムが搭載され、オハイオ州メアリーズビル(Marysville)のPerformance Manufacturing Centerで車両生産を行う。同モデルは日本にも輸出される。この燃料電池モジュールは「クラリティ フューエルセル(Clarity Fuel Cell)に搭載したものと比較して耐久性や効率に優れ、コストを1/3に抑えた。

・「CR-V e:FCEV」のエクステリアは、低く直立したグリルデザインと長いフードの洗練したスタイルが特徴。Aピラーよりも前方のボディパネルは新デザインを採用し、独自デザインのリフトゲート、18インチ・10本スポークの黒色ホイールなどを採用している。

・AC充給電コネクターは日本と米国における普通充電の規格である「SAE J1772」を採用。AC車外給電用コネクター「Honda Power Supply Connector (パワーサプライコネクター)」を普通充電ポートに接続することで、最大1,500WのAC給電が可能になり、小型家電やポータブルエアコン、電動工具、キャンプ用ツールなどを使用できる。

・ホンダは米国でクラス8の燃料電池トラックの概念実証も準備しており、顧客と交渉を行っている。

ホンダのリリース 1/2

2024年02月14日(水)

・2月8日付の複数メディアの報道によると、シェル(Shell)は2月5日の週、「供給の複雑化とその他の外部市場要因」を理由に、カリフォルニア州の乗用車用水素充填ステーション7カ所を永久閉鎖すると発表し、これにより同州で稼働している水素充填ステーションは大型車用の3カ所のみとなった。 

・カリフォルニア州は水素自動車の数少ない成長市場のひとつであったが、カリフォルニア州エネルギー委員会の最新の数字によると、2023年の登録台数はわずか3,143台で、同時期のバッテリー電気自動車(BEV)の1%にも満たないという。 

・シェルは2023年9月、「カリフォルニア州における小型車用水素充填ステーションの追加建設・運営計画を中止した」と発表しており、以前に建設すると発表し、4,060万ドルの助成金を得ていた48カ所の新規建設が事実上中止となっていた。当時、シェルは5カ所の水素ステーションを一時的に閉鎖している。 

・シェルは、これ以上カリフォルニアの水素充填ステーションを閉鎖した理由の詳細を明らかにしていないが、同社はノルウェーの水素技術企業Nelから供給された水素ステーション機器を使用していた。Nelは現在、同社製H2Stationシリーズに重大な欠陥があるとして、産業ガス会社の岩谷産業から訴訟を起こされている。 

・今のところシェルは、影響を受ける顧客に対し、California Hydrogen Fuel Cell Partnershipのウェブサイトで利用可能な補給場所を確認するようアドバイスしている。現代「ネクソ(Nexo)」、トヨタ「ミライ(Mirai)」、ホンダ「クラリティ(Clarity)」のような水素自動車の所有者は、今回の閉鎖の影響を受けることになる。 

・ホンダは、GMと共同で開発した次世代水素パワートレインを搭載した水素自動車「CR-V」を、2024年に発売する計画である。ホンダはこの新しい燃料電池システムで、年間2,000台の販売を目指している。 

(multiple sources on February 8, 2024)

2023年12月22日(金)

・ホンダの米国法人であるAmerican Honda Motor(以下、米国ホンダ)は12月21日、燃料ポンプの不具合により、走行中のエンジン不具合や予期せぬエンジン停止のリスクが高まるとして、米国で253万9,902台をリコールすると発表した。

・米国運輸省道路交通安全局(NHTSA)の資料によると、対象車両に使用されている燃料ポンプのインペラ(樹脂製羽根車)について成形条件が不適切なため、樹脂密度が低く、時間の経過とともに「変形して燃料ポンプ本体と干渉し」、燃料ポンプの故障につながる可能性があるという。

・対象は以下のとおり:

・問題の燃料ポンプは、デンソーの米統括子会社であるデンソー・インターナショナル・アメリカから供給されたもの。

・販売店は燃料ポンプモジュールを無償で交換する。ただし、交換用部品はすべてのリコール対象車に対してすぐに十分な数量を入手できないため、米国ホンダは段階的に車両所有者に通知するとしている。交換用部品は、インペラの樹脂密度を高め、インペラと燃料ポンプ本体とのクリアランスを拡大したものであるという。

・デンソーはこの欠陥をすでに指摘しており2019年7月23日以降、インペラの樹脂密度を高め、インペラと燃料ポンプ本体のクリアランスを拡大した改良型燃料ポンプモジュールの生産を開始している。

・なお、NHTSAとホンダは12月18日付で、外装の12Vバッテリーケーブルについて電源回路のヒューズが欠落しているとし、2020-2022年型「CR-V」ハイブリッド10万6,030台のリコールを発表していた。

(Detroit News on December 21, 2023) (NHTSA document on December 18, 2023) (NHTSA document on December 13, 2023)