豊田合成 (株) 2014年3月期の動向
ハイライト
業績 |
(単位:百万円) |
2014年 3月期 |
2013年 3月期 |
増減率 (%) |
要因 | |
全社 | ||||
売上高 | 689,477 | 599,615 | 15.0 | 1) |
営業利益 | 43,798 | 36,706 | 19.3 | 2) |
経常利益 | 45,847 | 36,777 | 24.7 | |
純利益 | 26,214 | 21,429 | 22.3 | |
自動車部品事業 | ||||
売上高 | 620,079 | 535,295 | 15.8 | 3) |
セグメント利益 | 42,411 | 34,278 | 23.7 | - |
要因
1)
-2014年3月期の売上高は過去最高を記録。自動車生産台数の増加、欧米自動車メーカーへの積極的な拡販、円高修正などにより自動車部品事業が大幅増収を達成したことが背景。
2)
-2014年3月期の利益は、自動車部品事業の増販効果とグループ総力を挙げた原価低減活動などの合理化効果により営業利益、経常利益、当期純利益がいずれも増益を達成。
3)
-2014年3月期の自動車部品事業は増収増益を達成。国内での消費税増税前の駆け込み需要、米州を中心とした堅調な海外需要、グローバルでの自動車生産台数の増加、グループを挙げて取り組んだ原価低減活動の成果が寄与。
>>>次年度業績予想 (売上、営業利益等)
受注
ポップアップフード用アクチュエーター-ポップアップフード用アクチュエーターの供給が拡大している。ポップアップフードは車両と歩行者が衝突した際に歩行者への衝撃を緩和するシステム。豊田合成はフードを持ち上げるアクチュエーターを製品化し、従来はマツダ「Roadster」向けに供給していた。トヨタ自動車が2012年12月末に発売した新型「Crown」向けで第二弾を受注し、供給を開始した。今後は世界の衝突安全テストに歩行者保護の項目が盛り込まれる見通しで、ポップアップフードの需要拡大が期待できる。トヨタ向けの本格供給が始まり、今後の採用拡大にも弾みがつきそうだ。(2013年3月8日付日刊自動車新聞より)
2015年3月期の見通し |
(単位:百万円) |
2015年3月期 (予測) |
2014年3月期 (実績) |
増減 (%) |
|
売上高 | 670,000 | 689,477 | (2.8) |
営業利益 | 37,000 | 43,798 | (15.5) |
経常利益 | 38,000 | 45,847 | (17.1) |
当期純利益 | 22,000 | 26,214 | (16.1) |
開発動向
研究開発費 |
(単位:百万円) |
2014年3月期 | 2013年3月期 | 2012年3月期 | |
自動車部品事業 | 25,700 | 23,500 | 21,900 |
非自動車部品事業 | 3,400 | 3,600 | 3,900 |
合計 | 29,100 | 27,100 | 25,800 |
研究開発体制
-開発本部、生産本部、オプトエレクトロニクス事業部開発部・技術部および海外子会社の豊田合成ノースアメリカ (北米)、豊田合成アジア (アジア)、豊田合成ヨーロッパ (欧州) が連携し、グローバルな研究開発活動を展開。研究開発拠点
北島技術センター | 愛知県稲沢市 |
美和技術センター | 愛知県あま市 |
TGR Technical Center, LLC | ミシガン州プリマス |
研究開発活動
-歩行者保護ポップアップフードアクチュエーター、スピンドルグリル、高意匠ミリ波カバー、軽量オープニングトリム、軽量グラスラン、樹脂ターボ配管などの新製品・技術の開発・量産化。-各種環境規制に対応した材料および製品、生産技術の開発を推進している。
-燃料電池自動車用オールコンポジット高圧水素タンクの開発を推進している。
技術導入契約 |
(2014年3月31日現在) |
相手方の名称 (国名) |
契約内容 | 契約期間 |
Autoliv Development AB (スウェーデン) |
カーテンエアバッグに関する特許ライセンス | 2001年2月5日 - 2016年2月20日 |
Stant Manufacturing, Inc. (米国) |
クイックターンフューエルキャップに関する特許ライセンス | 2001年4月2日 - 2014年10月18日 |
Intier Automotive Interiors of America (米国) |
ウレタンスプレー表皮に関する特許・ノウハウライセンス | 2002年11月18日 - 2014年5月10日 |
Daimler AG (ドイツ) |
ミリ波レーダー用カバーに関する特許ライセンス | 2011年11月10日 - 2019年9月23日 |
技術援助契約 |
(2014年3月31日現在) |
相手方の名称 (国名) |
契約内容 | 契約期間 |
Stant Manufacturing, Inc. (米国) |
導電性フューエルキャップに関する特許・ノウハウライセンス | 1998年11月17日 - 2018年12月21日 |
Magna Steyr Fuel Systems (ドイツ) |
導電性フューエルキャップに関する特許ライセンス | 2004年2月26日 - 2018年12月21日 |
Orbitronics Co., Ltd. (パキスタン) |
ステアリングホイールに関するノウハウライセンス | 2006年12月29日 - 2014年12月28日 |
Pong Codan Rubber (M) Co., Ltd. (マレーシア) |
ウェザーストリップに関する技術許諾契約 | 2007年7月16日 - 2017年7月15日 |
設備投資
設備投資額 |
(単位:百万円) |
2014年3月期 | 2013年3月期 | 2012年3月期 | |
自動車部品事業 | 41,600 | 37,400 | 33,100 |
非自動車部品事業 | 1,400 | 1,500 | 4,400 |
合計 | 43,000 | 39,000 | 37,600 |
-自動車部品事業およびオプトエレクトロニクス事業を中心に、43,000百万円の設備投資を実施。
自動車部品事業
-自動車部品事業においては、新製品切替、海外を中心とした能力増強投資などに41,600百万円を実施。
設備投資計画 (2015年3月期)
-全社で54,000百万円を設備の新設・拡充に投資する計画。海外投資
<メキシコ>-2013年、2015年をめどにメキシコ・タマウリパス州に燃料ホースなどを手がける新工場を設置すると発表。北米地域のコスト競争力を高めることを目的としたもので、米ケンタッキー工場の生産品目を一部移管する。15年2月から生産を開始し、トヨタ自動車の北米工場 (アメリカ、カナダ、メキシコ) 向けに製品を納入する。中長期的にはメキシコに進出する他系列からの受注にも役立てる。現在、豊田合成はメキシコに生産拠点を2カ所設置し、エアバッグなどのセーフティー製品やシーリング製品を生産している。今回の新工場が3カ所目の生産拠点となり、ゴムホース製品を現地生産するのは初としている。稼働当初はトヨタ自動車向けのみを手がけるものの、将来的にはメキシコに進出するホンダ、マツダ向けの受注などにも役立てる考えだ。(2013年8月28日付日刊自動車新聞より)
<米国>
-2013年8月に米国・ミシガン州に燃料チューブ (樹脂製) を手がける新工場を設置し、稼働したと発表。現地の生産子会社TGフルードシステムズUSA (TGFSUS) の第2工場として設置した。現地で建屋を賃借、生産設備を新規導入して生産体制を構築した。投資額は約11億円。米ゼネラルモーターズ (GM)、フォードなど現地納入先の需要拡大に対応したもので、トヨタ自動車、クライスラーなどにも製品を供給する。新工場の稼働により、TGFSUSの年間売上高は2014年度をめどに約90億円 (12年度比80%増) に拡大する見通しだ。ミシガン州ハウエル市に設置した新工場は、7月から燃料チューブの生産を開始した。工場の建屋面積は4300平方メートル。14年度までに従業員数を約50人に拡大する。
<カナダ>
-2013年、カナダのオンタリオ州ストラドフォード市に設置した新工場が7月から稼働したと発表。生産品目はインストルメントパネル関連やピラーガーニッシュ、コラムカバーなどの内外装部品。トヨタ自動車がカナダ工場で生産する「RAV4」向けに製品を供給している。新工場は豊田合成のカナダ工場として5カ所目の拠点となる。約10億円を投じて生産体制を整備した。2014年度に同工場の売上高として年14億円を確保する計画だ。(2013年8月9日付日刊自動車新聞より)
<インドネシア>
-2013年、同社とAstra Otopartsは、インドネシア合弁会社Toyoda Gosei Safety Systems Indonesia (TGSSI) が生産能力を増強すると発表。2016年に、ステアリングホイールの年産能力を現在の1.5倍となる80万本に引き上げる。また、同年にエアバッグの年産能力も現在の約5倍となる150万個に増強する計画。これに伴い、TGSSIでは800億ルピア (約8億円) を投じて、既存工場に隣接した新工場を建設する。新工場では2016年までに130名の従業員を新たに雇用する予定。(2013年7月3日付プレスリリースより)
<中国>
-2013年、中国・天津市に設置するシーリング部品の合弁生産会社「天津星光橡塑」の生産拠点を移転、拡張したと発表。移転は天津市の再開発に合わせたものだが、足元で生産、供給量が拡大していることを踏まえて新たな拠点を整備した。将来の能力増強に備え、建屋を従来に比べて1.5倍の4万2千平方メートル、敷地を同1.9倍の7万8千平方メートルに拡張した。ウェザーストリップやガラスランなどを生産しており、トヨタ自動車を始めとする日系メーカーに製品を納入している。長城汽車など現地メーカーも開拓しており、現在は日中双方の自動車メーカー向けに供給量が拡大しつつある。天津星光の移転先は西青区中北工業園。13年末の従業員数は約1千人。12年の売上規模は約69億円だった。(2013年6月11日付日刊自動車新聞より)
<ブラジル>
-2013年、2013年3月をめどにブラジルに生産子会社を設立すると発表。同社が南米に進出するのは初めて。サンパウロ州イタペチニンガ市で中古の建屋を購入。これを増改築して生産体制を整える。14年11月に操業を開始し、ウェザーストリップやエアバッグ、インストルメントパネル周辺の内装部品などを生産する。稼働当初はトヨタ自動車やホンダ向けに製品を供給し、段階的に納入先を拡大していく。17年までに新会社の売上高として年27億円を確保する計画だ。新会社は豊田合成が94.8%を出資して設立する。資本金は約40億円。これを設備投資などに活用し、生産体制を整備する。敷地面積は約22万平方メートルで、建屋面積は約1万平方メートル。17年までに従業員数を約140人に拡大する計画だ。(2013年2月23日付日刊自動車新聞より)
<欧米>
-欧米メーカー向けの生産、供給体制を拡充する。米国でゼネラル・モーターズ (GM) 向け燃料チューブの供給が拡大していることから、現地生産会社に新ラインを設置。1月から生産を開始した。欧州では独BMWから初の本格受注を獲得した。2014年度までに英国工場とチェコ工場でBMW、MINIブランド向けのウェザーストリップを生産開始する。他社向けの受注拡大には一定以上の時間が必要になると見ているものの、今後も継続的に提案活動に取り組む考えだ。(2013年1月15日付日刊自動車新聞より)