(株) タチエス 2017年3月期の動向

業績

(単位:百万円)

2017年
3月期
2016年
3月期
増減率
(%)
要因
売上高 282,525 283,662 (0.4) -国内外ともに販売は底堅く推移したものの、為替変動に伴う円換算額減少で微減。
営業利益 8,859 6,883 28.7 -量産効果および海外での合理化努力による利益貢献等により増益。
経常利益 12,337 7,752 59.1 -
当期純利益 7,262 1,685 330.9 -
部門別売上高
-日本 128,672 116,276 10.7 -新型車の立上りによる効果や海外向け車種の販売増等により増収。
-北米 46,664 51,733 (9.8) -為替変動に伴う円換算額の減少により減収。
-中南米 58,799 65,875 (10.7) -販売は増加したものの為替変動に伴う円換算額の減少により減収。
-欧州 2,220 919 141.6 -
-中国 43,571 45,428 (4.1) -販売は増加したものの為替変動に伴う円換算額の減少により減収。
-東南アジア 2,596 3,428 (24.3) -



海外事業

-APM Automotiveは、傘下のAPM Automotive IndoChina (AAIL) がタチエスの完全子会社Tachi-S (Thailand) と合弁会社を設立することで合意したと発表した。ベトナムにおいて、自動車メーカーなどを対象にシートの開発、生産、組立、販売を行う。新会社の名称は「APM Tachi-S Seating Systems Vietnam Co., Ltd.」で、資本金は2.5百万ドル。出資比率はAAILが49%、タチエスが51%となる予定。(2016年8月12日付プレスリリースより)

中期計画「グローバルチームワーク 2020」

-自動運転技術の急速な進歩など多様な技術革新により、自動車業界を取り巻く環境の大きな変貌に対し、また競争力を高めるために将来を見据えた新たな技術革新やグローバルでのモノつ"くり力の求めに対し、お客様の期待・ニーズに対しシート全体の提案ができ、グローバルで生産できる「グローバル・シート・システム・クリエーター」として「選ばれ続ける企業」を目指す。

-3つの目標

  • 品質No.1
  • 営業利益率7%
  • 世界生産シェア7%

-グローバル対応

  • 主要地域での開発体制確立
  • 生産拠点の拡大・整備
  • 部品事業拠点の拡大

-競争力ある体質への変革

  • 提案力の強化
  • モノづくり力の強化
  • 変化への俊敏な対応



2018年3月期の見通し

(単位:百万円)

2018年3月期
(予想)
2017年3月期
(実績)
増減
(%)
売上高 281,000 282,525 (0.5)
営業利益 7,500 8,859 (15.3)
経常利益 10,000 12,337 (18.9)
当期純利益 5,200 7,262 (28.4)

>>>次年度業績予想 (売上、営業利益等)



研究開発費

(単位:百万円)

2017年3月期 2016年3月期 2015年3月期
全社 4,130 4,274 4,252



研究開発拠点

タチエス技術・モノづくりセンター 東京都青梅市
アドバンスト・テクノロジー・センター 東京都青梅市
タチエス技術センター愛知 愛知県安城市
TACHI-S Engineering U.S.A. Inc. 米国ミシガン州
TACHI-S Engineering Europe S.A.R.L. フランス ヴェリジー・ビラクブレー市
福州泰昌汽車座椅開発有限公司
[TACHI-S Engineering China Co., Ltd.]
中国福州市
TACHI-S Engineering Latin America S.A. de C.V. メキシコ アグアスカリエンテス州
TACHI-S Engineering Vietnam Co., Ltd. ベトナム ホーチミン市



研究開発体制

-新製品の開発および新技術の基礎研究は、主に国内の技術・モノづくりセンターにおいて効率的な開発を行うとともに、米国・欧州の拠点および国内外の技術提携先企業等を通じて、先進技術や周辺技術の積極的な情報収集を実施している。また、蓄積された新製品・新工法技術は、同社直接または米国・欧州の拠点を通じて、グローバルに自動車メーカー各社や同部品メーカー各社に提案し、採用されている。

-国内において1999年8月に富士機工株式会社と、2006年11月には河西工業株式会社とそれぞれ業務提携を行い、機構部品および樹脂成形部品の技術開発力の向上、海外研究開発拠点の共同利用等、グローバルな視点での内装部品の商品力強化につなげる。

-日本国内において開発・生産・調達のモノづくりに関わる部門を集約すべく、2012年8月に東京都青梅市に技術・モノづくりセンターを開設。

-中国においては、2008年8月に福州泰昌汽車座椅開発有限公司 [Tachi-S Engineering China Co., Ltd.] を設立以降、同広東省広州市、同浙江省浙江市、同河南省鄭州市にも開発拠点を開設し、合計4カ所の開発拠点を保有している。

研究開発活動

シートおよびオリジナル機構部品開発
-自動車およびその他乗り物用シート、またシートのリクライニングデバイス、スライドレール、大移動量リフター、床下格納デバイス、RV車用シートのロングスライドレールおよびその付属機構、回転ユニット等の開発をシートシステムとして行い、得意先各社へ採用が進んでいる。

安全性向上技術開発
-安全性向上として、サイドエアバック組込シート、乗員感知式スマートエアバック対応シート、頸部障害軽減システム等の開発をシートシステムとして行い、顧客から採用されている。また前後面、側面衝突に対応した安全シート構造の研究開発を行っている。

環境対応技術開発
-環境対策では、各種環境負荷物質の全廃に向けての対応や、自動車の燃費向上のため新材料、新構造技術を織り込んだ超軽量シートの開発等を行い、得意先各社へ提案し採用されている。

福祉車両商品の開発
-福祉車両用に操作性、乗降性に優れたヘルパーシートの開発を行い、得意先各社へ提案し採用されている。

原価低減商品の開発
-標準化、共通化を踏まえた低コスト次世代シートを開発し、国内外の得意先各社に採用されている。

生産技術開発
-接着成形シートの改良技術開発、ヘッドレスト、アームレストの一体発泡成形技術開発、シート組立の省力化・自動化技術開発、CAD/CAMによる型製作等を展開。また、多品種少量生産を可能にした混流ラインを開発し、車種数や商品構成の増加に対応している。

シートの研究分野
-より快適なシートの開発を目指し、「座り心地」評価と、あるべきシートの構造方式について自主研究を継続。さらに、短期間での性能、質量、コストのバランスの取れた設計のため、CAE解析を行い開発期間短縮、コストダウン等を貢献。

シートデザインの開発
-将来シートコンセプト、新商品のデザイン開発、コーポレートデザインなどシートを含め同社に関するあらゆる分野のデザイン開発を独自で取組み、得意先各社へ提案し採用されている。

標準フレーム
-多様な車種で共通して使うことができる汎用性の高い標準フレームを独自に開発、得意先各社へ提案し採用されている。

設備投資額

(単位:百万円)

2017年3月期 2016年3月期 2015年3月期
全社 5,064 4,440 6,067

-2017年3月期の地域別設備投資額は以下の通り:

地域 主な内容 投資金額 (百万円)
日本 新規受注およびモデルチェンジ等に伴う生産対応設備のほか、業務管理システムの構築費用 2,451
北米 モデルチェンジ等に伴う生産対応設備の更新 636
中南米 新規受注及びモデルチェンジ等に伴う生産対応設備 1,229
欧州 新規受注に伴う生産対応設備 280
中国 新規受注および生産対応設備 334
東南アジア 生産対応設備 131

-2017年3月期の設備投資額は、5,077百万円を予定。



主な設備の新設計画

(2017年3月31日現在)

会社名/事業所名 設備の内容 投資予定総額
(百万円)
着工 完成予定
武蔵工場 工場建物 446 2016年4月 2017年12月
鈴鹿工場 自動車座席の製造設備 818 2017年6月 2018年3月
鈴鹿工場 自動車座席の製造設備 740 2016年4月 2017年10月
技術・モノずくりセンター 業務管理システム構築 728 2016年4月 2018年3月
Industria de Asiento Superior S.A. de C.V. 自動車座席用製造設備 1,968 2016年4月 2017年12月
TACHI-S Engineering Latin America, S.A. de C.V. 開発事務所及び実験設備 1,195 2016年4月 2017年11月