(株) 豊田自動織機 2018年3月期の動向
業績 |
(国際会計基準、単位:百万円) |
2018年3月期 | 2017年3月期 | 増減率 (%) | 要因 | |
全社 | ||||
売上高 | 2,003,973 | 1,675,148 | 19.6 | - |
営業利益 | 147,445 | 127,345 | 15.8 | - |
当期利益 | 173,816 | 137,565 | 26.4 | - |
自動車 | ||||
売上高 | 595,019 | 562,672 | 5.7 | 下記要因 |
営業利益 | 29,618 | 24,964 | 18.6 | - |
全社
-当期の業績は、原材料の値上がりや人件費の増加などがあったものの、営業面の努力、グループ全体の原価改善活動の推進、為替変動などの影響により増収増益。
自動車部門
-自動車部門では、市場は欧州・中国を中心に堅調に推移し、世界全体では拡大。
車両事業
-ヴィッツが減少したことにより、売上高は前年比1%減。
エンジン事業
-AR型ガソリンエンジンやGD型ディーゼルエンジンが増加したことにより、売上高は前年比10%増。
カーエアコン用コンプレッサー事業
-国内・北米・中国などで増加したことにより、売上高は5%増。
電子機器・鋳造品ほか
-電子機器、鋳造品ともに増加したことにより、売上高は前年比12%増。
受注
-同社は16日、トヨタ自動車の新型「プリウスPHV」に、エアコン用電動コンプレッサーと、車載バッテリー用充電器が採用されたと発表した。プラグインハイブリッド車(PHV)、電気自動車(EV)など電動車両向けの新開発部品で、今後の採用拡大を目指す。新開発の電動コンプレッサーは、量産車として世界で初めて「ガスインジェクション機能」を加えた。振動も抑え、寒冷時の暖房能力は3割向上させた。デンソーが開発したエアコンシステムに組み込まれる。また、新開発のバッテリー充電器は後席シート下に搭載。今回開発した充電器は充電出力を従来の1.7倍に高めた。新型プリウスPHVは電池容量を先代と比べて2倍としたが、充電出力を向上したことでフル充電時間を2時間20分(200ボルト電源の場合)に抑えた。ECUを内蔵しながら、容量を従来比半分とコンパクト化した。100ボルトから240ボルトまで、電圧の異なる世界各国の電源事情に対応し、安定した充電を実現するという。(2017年2月17日付日刊自動車新聞より)
事業提携
-同社は、トヨタ自動車とパナソニックによる車載用角形電池事業への参画を検討していると発表した。トヨタは、車両の電動化を加速する方針で、車両に搭載する角形電池事業でのパナソニックと協業を検討することで合意した。豊田自動織機は、トヨタとパナソニックの共同事業への参画を含めて車載向け電池への参入を幅広く検討する。(2017年12月22日付日刊自動車新聞より)
海外事業
-同社の大西朗社長は、現在国内でのみ生産している電動コンプレッサーを海外でも生産する方針を明らかにした。これまで、同製品の主要納入先は国内向けがメーンだったこともあり、本社の刈谷工場(愛知県刈谷市)で全量生産していた。車の電動化に伴って海外の自動車メーカーからのニーズが拡大する見通し。海外生産することで需要の取り込みや輸送費を抑えてコスト競争力の強化につなげる。海外事業を伸ばして将来的にはカーエアコン用コンプレッサーの世界シェアを現状の43%から50%へと引き上げる計画。既存製品も含めたカーエアコン用コンプレッサーの生産体制は5カ国10拠点で展開しており「電動コンプレッサーの海外生産を推進する土台は整っている」(大西社長)という。(2017年10月30日付日刊自動車新聞より)
2019年3月期の見通し |
(国際会計基準、単位:百万円) |
2019年3月期 (見通し) |
2018年3月期 (実績) |
増減率 (%) | |
売上高 | 2,150,000 | 2,003,973 | 7.3 |
-自動車 | 615,000 | 595,019 | 3.4 |
営業利益 | 135,000 | 147,445 | (8.4) |
親会社の所有者に帰属する当期純利益 | 146,000 | 168,180 | (13.2) |
自動車部門の製品別売上高見通し |
(国際会計基準、単位:百万円) |
2019年3月期 (見通し) |
2018年3月期 (実績) |
|
車両 | 69,000 | 72,100 |
エンジン | 110,000 | 98,711 |
コンプレッサー | 361,000 | 351,479 |
鋳造品・電子機器他 | 75,000 | 72,728 |
-各セグメント売上高は外部顧客に対する金額
2020年ビジョンに向けた取り組み
産業車両
-日米欧を核とした連携により、物流ソリューション事業をグローバルで拡大、強化を図る。
欧州
-フォークリフト販売統括拠点との連携強化により、成長市場の取り組みを推進。
日本、オセアニア、アジア、ほか
-当社とファンダランデ社が連携し、事業を拡大。
北米
-バスティアン社のシステム構築力とファンダランデ社の大型案件対応力のシナジーで事業を拡大。
コンプレッサー
-中期的な事業成長のイメージ
カーエアコン用コンプレッサー世界シェアNo.1*(シェア50%を目指す)
-豊富な商品ラインナップ
エンジン車、HV、PHV、EV、FCVにフルラインナップで対応
-「世界初」を生み出す商品開発力
トヨタ「新型プリウスPHV」向けにガスインジェクション機能付新電動コンプレッサーを開発
-海外拠点での生産の強化
顧客に近いところでの生産を基本とし、海外拠点での量変動は、日本のマザー工場からのバックアップで対応
*同社調べ
研究開発費 |
(単位:百万円) |
2018年3月期 | 2017年3月期 | 2016年3月期 | |
全社 | 77,647 | 69,524 | 65,440 |
-自動車部門 | 39,414 | 44,757 | 40,588 |
研究開発活動
-同社は、ガラス製と比べて重量が4割軽い樹脂製バックウインドーの製造技術を確立した。射出成型による一体成型で曲面などの複雑な形状にも対応し、デザイン性を高めながら大幅な軽量化に貢献する。樹脂表面のコーティングを工夫することで、窓表面の傷つきや、直射日光の影響による変色を防ぎ、ドライバーが運転視野を十分に確保できるとしている。まず上級モデルでの採用を目指して提案活動を本格化する。(2017年11月21日付日刊自動車新聞より)
製品開発
自動車部門
- ディーゼルエンジン
- ハイブリッド車、プラグインハイブリッド車、電気自動車向けの電動コンプレッサー
- コンプレッサーの次世代モデル
- 主にハイブリッド車向けの電源機器
建設機械向けハイブリッドユニット
-同社は12日、建設機械向けハイブリッドユニットを開発したと発表した。これまで自動車、産業車両分野で培ってきたエンジンやモーター技術を応用し、新たに建設機械分野に参入する。同製品は、日立建機が2017年9月に発売するハイブリッド油圧ショベルに搭載される。排ガス規制の強化に対応し、新製品の安定供給を目指しながら、新分野で得た技術的な情報を自動車分野などにもフィードバックする。(2017年6月13日付日刊自動車新聞より)
設備投資額 |
(単位:百万円) |
2018年3月期 | 2017年3月期 | 2016年3月期 | |
全社 | 216,048 | 176,999 | 154,236 |
-自動車部門 | 80,726 | 46,661 | 36,182 |
設備投資の主な内訳 (自動車部門) |
(単位:百万円) |
会社名 | 2018年3月期 | 2017年3月期 | 2016年3月期 |
同社 | 65,635 | 33,476 | 18,491 |
Toyota Industries Engine India Private Limited (インド バンガロール) |
- | 3,544 | |
Michigan Automotive Compressor, Inc. (米国 ミシガン州) |
3,624 | 2,866 | |
Toyota Industries Compressor Parts America, Co. (米国 ジョージア州) |
- | 2,307 | |
東海精機 (株) (静岡県磐田市) |
1,595 | 2,107 | |
TD Automotive Compressor Georgia, LLC (米国 ジョージア州) |
- | 1,209 | |
TD Automotive Compressor Indonesia (インドネシア ブカシ県) |
1,198 | 1,128 | |
東久(株) |
1,085 | - |
設備の新設 (自動車部門) |
(2018年3月31日現在) |
事業所名 / 会社名 (所在地) |
設備の内容 | 投資予定 総額 (百万円) |
着手 | 完了予定 |
連結財務諸表提出会社 | ||||
碧南工場 (愛知県碧南市) |
ガソリンおよびディーゼルエンジン製造設備 | 21,136 | 2017年3月 | 2019年3月 |
長草工場 (愛知県大府市) |
乗用車製造設備 | 22,928 | 2017年1月 | 2019年3月 |
刈谷工場 (愛知県刈谷市) |
カーエアコン用コンプレッサー製造設備、繊維機械製造設備 | 4,911 | 2018年2月 | 2019年3月 |
東知多工場 (愛知県半田市) |
エンジン用鋳造品製造設備、ディーゼルエンジン製造設備 | 8,916 | 2017年3月 | 2019年3月 |
大府工場 (愛知県大府市) |
カーエアコン用コンプレッサー部品製造設備 | 3,900 | 2018年4月 | 2019年3月 |
東浦工場 (愛知県知多郡東浦町) |
カーエアコン用コンプレッサー部品製造設備 | 700 | 2018年4月 | 2019年3月 |
安城工場 (愛知県安城市) |
車載用電子機器製造設備 | 1,500 | 2018年4月 | 2019年3月 |
共和工場 (愛知県大府市) |
車載用電子機器製造設備、自動車用プレス型製造設備 | 500 | 2018年4月 | 2019年3月 |