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(株) 豊田自動織機 2016年3月期の動向

全社
-売上高、営業利益、経常利益、純利益ともに過去最高を記録。

自動車部門
1) 市場は国内、中南米などの新興国では低迷したものの、北米が好調に推移し、世界全体では前年並みとなった。

車両事業
-生産台数は、トヨタ 「Vitz」、「RAV4」共に減少したものの、「RAV4」にハイブリッド仕様が追加されたことなどにより、売上高は前年比4.6%増。

エンジン事業
-GD型ディーゼルエンジンの生産を開始したものの、KD型ディーゼルエンジンやAR型ガソリンエンジンが減少したことにより、売上高は前年比17.6%減。

カーエアコン用コンプレッサー事業
-北米、欧州、中国などで増加したことにより、売上高は前年比5.6%増。

電子機器・鋳造品ほか
-ともに生産量が減少したことにより、売上高は前年比13.4%減。

国内事業

-新型ディーゼルエンジン (DE) の生産を東知多工場 (愛知県半田市) で6月から開始したと発表。新たなDEとなる「1GD-FTV」は排気量2.8リットルの直噴ターボエンジンで、同社もトヨタ自動車の委託を受けて開発に参加した。従来型DEに比べて熱効率や環境性能の向上を実現しており、17日に同社が一部改良した 「Land Cruiser Prado」 などに搭載されている。(2015年6月23日付日刊自動車新聞より)

-2015年10月、ハイブリッド車用の電動コンプレッサー、DC-DCコンバーター、リア走行インバーター、ACインバーターを新たに開発したと発表。これらの製品は、トヨタの新型 ｢Prius｣ に搭載される予定。カーエアコン用電動コンプレッサー ｢ESB20｣ は、現行 ｢Prius｣ に搭載の ｢ES14｣ に対して、小型・軽量化を実現しながら冷房能力を30%向上するとともに、消費電力を8%低減している。また、DC-DCコンバーターは、現行の ｢Prius｣ 用に対し体積で50%、重量で60%の小型・軽量化を実現。リア走行インバーターは空冷方式を採用し、車両搭載への自由度を向上させた。さらに、1500WのACインバーターは、体積を30%小型化している。(2015年10月29日付プレスリリースより)

受賞

-トヨタ自動車より、TNGA (Toyota New Global Architecture) 推進・優秀賞を受賞した。(2015年4月28日付日刊自動車新聞より)

中期経営計画 (2013年3月期～2016年3月期) の振り返り

-積極的な投資に伴う費用増の影響はあるが、売上高・営業利益ともにほぼ想定通りに達成した。

*各セグメント売上高は外部顧客に対する金額

>>>次年度業績予想 (売上、営業利益等)

2020年ビジョンに向けた取り組み

産業車両
-フォークリフトの市場シェアアップおよびバリューチェーン拡大により更なる成長を図る。
-3E (Environment, Ecology, Energy) を軸とした環境性能の高い新型フォークリフトの投入

• エンジンフォークリフトに自社開発のクリーンディーゼルエンジン、ターボチャージャーを搭載
• 先進国を中心にニーズが拡大する電動フォークリフトに自社開発のモーターを搭載
• 燃料電池フォークリフト実証実験の拡大

コンプレッサー
-燃料規制強化を追い風に、さらなる拡販を目指す。
2021年3月期販売台数目標：4,000万台 (2016年3月期実績3,037万台、5年間で32%伸びる計画)

• 可変タイプの性能の一層の強化と拡販 (エンジン車向け)
• 電動タイプの拡販 (HV、PHV、EV、FCVなどすべての電動車向け)
• 海外拠点の生産性向上と自立化を推進

エンジン

• トヨタ世界戦略車 IMV（Innovative International Multi-purpose Vehicle）向けのGD型ディーゼルエンジンを、子会社Toyota Industries Engine India Private Limitedで生産開始予定 (2016年3月)
• ディーゼルエンジンの開発・生産を、トヨタ自動車から同社へ集約

研究開発拠点

-愛知県大府市の共和地区に、コーポレート・センターに属する「研究開発センター」があり、各事業部の将来製品のキーとなるような要素技術の先行開発はもとより、新事業製品の芽となるような先行研究や、材料などの共通基盤技術開発にも取り組んでいる。

開発テーマ (例)

• 燃料電池用各種機能部品
• クリーン物流用非接触給電技術
• カーエアコン用コンプレッサー向け超摺動性コーティング
• 3次元複合織物技術

製品開発

自動車部門

• 新型ディーゼルエンジン
• ターボチャージャー
• ハイブリッド車向けの電動コンプレッサー
• コンプレッサーの次世代モデル
• 主にハイブリッド車向けの電源機器
• プラグインハイブリッド車および電気自動車用の新型充電スタンド

樹脂製ウィンドウ
-樹脂製クォーターウィンドウと樹脂製リアウィンドウを新開発し、トヨタの ｢TOYOTA 86GRMN｣ 向けに供給すると発表した。これらのウィンドウにはポリカーボネートを採用し、現行比約50％の軽量化を実現。クォーターウィンドウは新ハードコーティング技術により耐傷付き性を大幅に向上させ、樹脂リアウィンドウには曇り防止用熱線を使用している。(2016年2月24日プレスリリースより）

環境への取り組み

-2020年度を最終とする環境目標「第六次環境取り組みプラン」を策定したと発表した。同年度までに二酸化炭素（CO2）ゼロ工場のモデルラインを導入。同社が50年に目指すCO2ゼロの生産体制に向け、次代の工場づくりを検証する。環境負荷を軽減する生産技術の開発も進め、20年度に製品1台当たりのCO2排出量をグローバルで05年度比で26%低減する。国内生産時の廃棄物排出量もグループで同27%減らす方針だ。(2016年3月22日付日刊自動車新聞より)