日本特殊陶業 (株) 2018年3月期の動向
業績 |
(単位:百万円) |
2018年 3月期 |
2017年 3月期 |
増減率 (%) |
要因 | |
全社 | ||||
売上高 | 409,912 | 372,919 | 9.9 | -自動車関連事業については、主に中国などでの好調な新車販売、北米及び南米市場などでの補修用製品の好調な販売により増収増益。 |
営業利益 | 67,279 | 53,595 | 25.5 | |
経常利益 | 69,094 | 55,559 | 24.4 | |
当期純利益 | 44,335 | 25,602 | 73.2 | - |
第7次中期経営計画 (2017年3月期-2021年3月期)
-最終年度となる2021年3月期(121期)に売上高5,200億円、営業利益1,000億円を目指し、「既存事業のさらなる強化」「新規事業の創出」「強固な経営基盤の構築」の3つの基本戦略を策定。
-自動車部門事業の現状および今後の取り組みは以下の通り。
<既存事業のさらなる強化>
- プラグ補修用
-新興国における事業が順調に進捗。
-中国、インド市場で売上拡大を目指す。 - センサー
-高付加価値製品を中心に今後も旺盛な需要が続く。
-引き続き、タイ、インドでの海外生産を進める。 - 自動車補修ビジネス
-子会社Wells Vehicle Electronics, L.P. を活用した自動車関連製品の拡充を目指す。
研究開発費 |
(単位:百万円) |
2018年3月期 | 2017年3月期 | 2016年3月期 | |
全社 | 25,283 | 23,416 | 23,123 |
-自動車関連事業 | 1,293 | 1,081 | 1,460 |
研究開発体制
-活動の主体となるのは、本社機構である技術開発本部および各事業部技術部。
-テクニカルセンターを米国、欧州、ブラジル、韓国に保有。
研究開発活動
スパークプラグ
-耐高温性・耐高電圧性・高着火性を高めるとともに、より一層の小径化・長尺化を推進し、材料開発から製品設計、製造方法まで一貫して開発を実施。
-小径、長尺化によりエンジン冷却性能を最大限に引き出すことが可能になるロングリーチプラグに耐電圧性能を向上させた新絶縁体を組み合わせたプラグを製品化。
-高効率ターボ機種向けのスパークプラグとして、耐久性を確保しつつ着火性をさらに高め、要求性能を実現したプラグの量産体制を確立。
ディーゼルエンジン用グロープラグ
-排気ガス規制に対応した、昇温特性に優れ、高寿命を有するプラグやその温度をコントロールする制御システムの開発を行っている。
-エンジンの燃焼圧力を検知して燃料噴射を最適に制御することが期待されるデバイスとして、グロープラグと圧力センサーを一体化した新製品の開発を推進し、2017年度でその量産行程を確立した。
センサー
-排気ガス規制に対応すべく、高温、熱衝撃、振動、被水などの環境耐久性向上および省エネ、省資源タイプのセンサー開発を推進。
その他
-プラグやセンサー本体の開発にとどまらず、NGKブランドイグニッションコイル、簡易・選択型コンパクトマルチガス測定器などの開発を推進。
設備投資額 |
(単位:百万円) |
2018年3月期 | 2017年3月期 | 2016年3月期 | |
全社 | 37,591 | 36,328 | 45,339 |
-自動車関連事業 | 29,525 | 27,577 | 37,682 |
設備の新設計画 |
(2018年3月31日現在) |
会社名 | セグメント | 投資予定額 (百万円) |
設備の内容 |
同社 | 自動車関連 | 22,665 | 増産および研究開発設備 |
テクニカルセラミックス関連 | 3,488 | 増産および合理化設備 | |
その他 | 945 | 増産および合理化設備 | |
国内連結子会社 | 自動車関連 | 257 | 増産および保全設備 |
テクニカルセラミックス関連 | 4,831 | 増産および合理化設備 | |
海外連結子会社 | 自動車関連 | 11,258 | 増産および合理化設備 |
テクニカルセラミックス関連 | 356 | 増産および合理化設備 |
海外投資
<ブラジル>
-2018年3月、Mogi das Cruzesにある工場の拡張・近代化に210百万レアルを投資すると発表。2018年後半にその半分以上を投じて工場を近代化し、2020年までに残りの金額を投じて生産能力を拡大する計画。うち87百万レアルを新施設の建設や設備の導入に用い、点火プラグ向け絶縁体の生産能力の30%増強を目指す。
<タイ>
-2017年7月、排気ガス中の酸素濃度を検出するジルコニア酸素センサーなどの自動車用センサーを生産する工場を新設すると発表。タイの現地生産拠点の隣接地に建屋を増築する。総投資額は約120億円。2017年11月に新工場の建設に着工し、2018年9月末に竣工する計画。増築する工場の延床面積は約3万4700平方メートル。欧州をはじめ、中国、インドなどのアジア向けにジルコニア酸素センサー、温度センサー、全領域空燃比センサーを生産する。小牧工場(愛知県小牧市)で生産していた同製品の一部をタイの新工場に移管する。23年までにタイNGKスパークプラグのジルコニア酸素センサーの生産能力を現状比約2倍の2400万個、温度センサーを約2.5倍の2300万個にそれぞれ引き上げる。