(株) 小糸製作所 2016年3月期の動向
業績 |
(単位：百万円) |
| 2016年 3月期 |
2015年 3月期 |
増減率 (%) |
要因 | |
| 全社 | ||||
| 売上高 | 813,477 | 706,470 | 15.1 | - |
| 営業利益 | 82,218 | 64,155 | 28.2 | - |
| 経常利益 | 84,296 | 66,880 | 26.0 | - |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 46,303 | 36,060 | 28.4 | - |
| セグメント別売上高 | ||||
| 日本 | 300,737 | 280,119 | 7.4 | -自動車生産台数は減少したが、自動車ランプのLED化等により増収。 |
| 北米 | 183,158 | 136,902 | 33.8 | -自動車需要の伸長に伴う生産増加や新規受注の拡大、LED化等に加え、メキシコ子会社の本格稼働等もあり、増収。 |
| 中国 | 217,497 | 185,248 | 17.4 | -自動車生産台数が小型車減税効果に伴い増加するなか、新規受注の拡大、LED化等により、増収。 |
| アジア | 77,890 | 71,865 | 8.4 | -ASEAN地域の自動車生産台数は減少したが、タイやインドネシアにおける新規受注の拡大、二輪車ランプのLED化等により、増収。 |
| 欧州 | 34,194 | 32,335 | 5.7 | -域内自動車生産が堅調に推移するなか、新規受注の拡大、LED化等により、増収。 |
海外投資
<中国>
-2014年に設立した同社連結子会社「湖北小糸車灯有限公司」の新工場が完成し、2016年6月より自動車照明器の生産を開始。
製品開発
有機EL (OLED) テールランプ
- 同社は有機ELを使ったテールランプを2017～18年に実用化する。現在はLEDが主流になっているが、面で発光するなどの特徴を持つ有機ELに置き換 えることにより、車両のデザイン性を向上したい自動車メーカーのニーズに対応する。次世代光源の開発では、ヘッドランプへのレーザー光の適用に向けた開発 にも取り組んでいる。有機ELも次世代光源の1つとして量産化開発を進め、2020年には、より明るさが必要なストップランプやウインカーでも実用化を目 指す。(2015年11月25日付日刊自動車新聞より)
配光可変型 (ADB) ヘッドランプの普及・拡大
-2015年にLEDの点消灯により配光制御を可能にする 「アレイ式ADB」、ランプユニット内シェードの回転により配光切替を実現する 「ロータリー式ADB」 を開発、量産化。
研究開発費 |
(単位：百万円) |
| 2016年3月期 | 2015年3月期 | 2014年3月期 | |
| 全社 | 32,600 | 27,900 | 24,700 |
| -日本 | 14,800 | 13,200 | 12,800 |
| -北米 | 7,000 | 5,800 | 4,500 |
| -中国 | 7,300 | 5,500 | 4,400 |
| -アジア | 3,000 | 2,800 | 2,500 |
| -欧州 | 300 | 300 | 300 |
研究開発体制
-2016年3月末時点のグループ全体の研究開発人員は2,862名。
-世界5極体制で展開。
- 小糸製作所 技術センター (日本)
- North American Lighting, Inc. 技術センター (米国)
- Koito Czech s. r. o. 技術セクション (チェコ)
- 上海小糸車灯有限公司 技術センター (中国)
- Thai Koito Company Limited 技術センター (タイ)
ベルギーの営業・開発機能をチェコへ集約
-ベルギーの営業・開発子会社の機能を2015年4月にチェコの生産子会社に集約すると発表。ベルギーの子会社は同年9月に清算。Koito Europe NV (ベルギー Leuven市) の全事業を、Koito Czech s. r. o. (チェコ Zatec市) に譲渡する。欧州生産車向けの営業・開発は、これまでKoito Europe NVで行ってきたが、英国、チェコそれぞれの生産拠点で行うようにする。(2014年12月1日付日刊自動車新聞より)
研究開発活動
<日本>
-自動車照明器のコア技術 (光学、電子、機構、構造等)
-新光源 (レーザー、OLEDなど)
- レーザーを用いたヘッドランプの開発 (高輝度、遠方視認性に優れた配光、超小型で革新的なデザインが可能)
- 有機EL (OLED) を用いた標識灯の開発 (面発光・超薄型・軽量の特徴を有し、形状の曲面化や消灯時の透明化等にも対応。ロゴマークや模様の発光等、標識灯のデザインの可能性が拡大)
-自動運転関連技術
-ITS関連システム
-インターネットを応用したシステム開発
-新規事業分野の新商品 等
<北米、中国、アジアおよび欧州>
-自動車照明器のコア技術 (光学、電子、機構、構造等) 等
技術供与契約 (自動車照明器)
|
(2016年3月31日現在) |
| 相手方の名称 | 契約内容 | 契約期間 |
| Hella Automotive Mexico S.A. de C.V. (メキシコ) |
技術情報の提携 製造、販売権の許諾 |
1992年4月22日から24年間 |
| Industrias Arteb S.A (ブラジル) |
技術情報の提供 製造、販売権の許諾 |
2012年10月4日から5年間 |
| Farba Otomotiv Aydinlatma ve Plastik Fabrikalari A.S. (トルコ) |
技術情報の提供 製造、販売権の許諾 |
1997年10月24日から21年間 |
| Hella Australia Pty Ltd. (豪州) |
技術情報の提供 製造、販売権の許諾 |
1994年5月1日から25年間 |
| Lumotech (Pty.) Ltd. (南アフリカ) |
技術情報の提供 製造、販売権の許諾 |
2006年5月4日から10年間 |
| EP Polymers (M) Sdn. Bhd. (マレーシア) |
技術情報の提供 製造、販売権の許諾 |
1995年4月29日から25年間 |
| AuVitronics Ltd. (パキスタン) |
技術情報の提供 製造、販売権の許諾 |
2005年3月7日から15年間 |
| AMS Co., Ltd. (韓国) |
技術情報の提携 製造、販売権の許諾 |
2013年1月16日から7年間 |
| AVTOSVET Limited Liability Company (ロシア) |
技術情報の提携 製造、販売権の許諾 |
2013年3月21日から5年間 |
設備投資額 |
(単位：百万円) |
| 2016年3月期 | 2015年3月期 | 2014年3月期 | |
| 日本 | 16,300 | 15,000 | 10,100 |
| 北米 | 9,000 | 16,800 | 8,400 |
| 中国 | 8,700 | 9,700 | 9,700 |
| アジア | 6,000 | 5,100 | 4,900 |
| 欧州 | 1,000 | 1,600 | 1,300 |
| 合計 | 41,300 | 48,400 | 34,500 |
設備の新設計画 |
(2016年3月31日現在) |
| 会社/事業所 | 設備の内容 | 投資予定 総額 (百万円) |
着手 | 完了 |
| 静岡工場 (静岡県静岡市) |
自動車照明器製造設備 | 2,688 | 2016年 4月 |
2017年 3月 |
| 榛原工場 (静岡県牧之原市) |
自動車照明器製造設備 | 6,412 | 2016年 4月 |
2017年 3月 |
| 小糸九州 （株） (佐賀県佐賀市) |
自動車照明器製造設備 | 3,121 | 2016年 3月 |
2017年 3月 |
| North American Lighting, Inc. (米国イリノイ州) |
自動車照明器製造設備 | 11,174 | 2016年 3月 |
2017年 3月 |
| North American Lighting Mexico, S.A. de C.V. (メキシコ サンルイスポトシ州) |
自動車照明器製造設備 | 1,011 | 2016年 3月 |
2017年 3月 |
| Koito Europe Ltd. (英国 ウースターシャー州) |
自動車照明器製造設備 | 1,460 | 2016年 3月 |
2017年 3月 |
| 上海小糸車灯有限公司 [Shanghai Koito Automotive Lamp Co., Ltd.] (中国上海市) |
自動車照明器製造設備 | 3,629 | 2016年 3月 |
2017年 3月 |
| 広州小糸車灯有限公司 [Guangzhou Koito Automotive Lamp Co., Ltd.] (中国広州市) |
自動車照明器製造設備 | 2,022 | 2016年 3月 |
2017年 3月 |
| 湖北小糸車灯有限公司 [Hubei Koito Automotive Lamp Co., Ltd.] (中国孝感市) |
自動車照明器製造設備 | 3,657 | 2016年 3月 |
2017年 3月 |
| PT. Indonesia Koito (インドネシア 西ジャワ州) |
自動車照明器製造設備 | 1,374 | 2016年 3月 |
2017年 3月 |
| India Japan Lighting Pvt. Ltd. (インド タミルナドゥ市) |
自動車照明器製造設備 | 1,176 | 2016年 3月 |
2017年 3月 |
2017年3月期の見通し |
(単位：百万円) |
| 2017年3月期 (見通し) |
2016年3月期 (実績) |
増減率 (%) |
||
| 売上高 | 790,000 | 813,477 | (2.9) | -国内では新規受注の拡大や自動車ランプのLED化進展等により増収、海外では北米を主体に新規受注拡大やLED化進展等は見込まれるものの、為替換算の影響により、前期比減収と予想。 |
| 営業利益 | 77,000 | 82,218 | (6.3) | -国内では新規金型の償却費負担の増加、海外では為替換算の影響等により、前期比で減益の見通し。 |
| 経常利益 | 79,000 | 84,296 | (6.3) | |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 47,000 | 46,303 | 1.5 | -前期に連結子会社KIホールディングス株式会社における航空機シート関連の損害賠償に係る損失を計上したこと等により、前期比増益の予想。 |
中期業績見通し |
(前提為替レート：米ドル/110円) |
| 2014年3月期 (実績) |
2015年3月期 (実績) |
2016年3月期 (計画) |
2019年3月期 (見通し) |
2015年3月期と2019年3月期の比較 | ||
| 増減 | 指数 | |||||
| 世界生産台数 (万台) | 8,442 | 8,598 | 8,750 | 9,200 | 602 | 107% |
| 売上高 (億円) | 5,975 | 7,064 | 7,800 | 9,000 | 1,936 | 127% |
| 営業利益 (億円) | 495 | 641 | 670 | 780 | 139 | 122% |
| 利益率 | 8.3% | 9.1% | 8.6% | 8.7% | - | - |
| 地域 | 重点方策 |
| 日本 | -LEDヘッドランプの拡販 |
| -国内工場再開発による高効率生産体制の構築 | |
| 北米 | -日系・米国メーカー向けビジネスの拡大 |
| -LEDヘッドランプの拡販 | |
| 欧州 | -欧州メーカー向けビジネスの拡大 |
| -受注・開発体制のさらなる強化 | |
| 中国 | -成長市場での確実なビジネス強化 |
| -現地生産体制の拡充 (湖北小糸：2016年6月稼働) | |
| アジア | -成長市場での確実なビジネス拡大 |
| -受注・開発体制のさらなる強化 |
-2015年5月、2015～18年度の中期業績見通しを発表した。自動車生産台数が18年度に世界で9,200万台に拡大するとの見通しを前提に、同年度の売上高を14年度比27%増の9,000億円、営業利益を同22%増の780億円に設定した。18年度の世界自動車生産台数は、14年度の8,598万台から7%増えると見ている。この中で受注活動の強化による市場シェア向上、LEDヘッドランプの拡販に取り組むとともに、生産能力を増強して売り上げを拡大する。(2015年5月12日付日刊自動車新聞より)
